古民家を見に行った。
古民家を見るのは楽しい。
ぼろぼろの家がリフォームされ次第に住める状態になっていくのを見るのはさらに楽しい。
そこは我が家から車で30分くらいのところ。
田舎暮らしを始めた人が大工さんに教わりながらリフォームをしている。
自分でリフォームするのはしんどいけど、人がリフォームしているのを見るのは楽しい。
そして心の中で色々と考える。
ここはちょっと違うんじゃない・・・
柱も古材を使えばいいのに・・・
新しい柱を使うのならせめてそれらしく塗ったらいいのに・・・
露天風呂はどこに作ろうかなぁ・・・
ここは以前陶芸家が住んでいたらしくとっても遊び心がある。
入り口にある看板がいい。
なんて読むの?
・・・
六豊庵と読むらしい。
玄関が障子なのがいい。
時代劇にでてくる居酒屋のようだ。
なかで瓢箪酒を呑んだらいいだろうな。
町娘がいてお酌してくれて・・・。
ただ紙なので破って手を突っ込んだらかんたんに鍵が開けられる。
そこが実にいい。
昔は泥棒と紳士協定みたいなものがあったのかもしれない。
障子を破ったりガラスを割ったりして入ってはいけないという。
でも今ではもうそんな仁義はすたれてしまった。
柱は石の上に立っている。
ただ新しい柱はコンクリートの上に立っている。
見えないところだとはいえちょっと残念。
我が家の場合は新しい柱も古い石の上にそのままのっている。
梁は曲がった木。今ではこのような木を使いこなせる大工さんはほとんどいなくなった。そしてみんな古材を嫌い新しい木を使う。
格子戸、土壁がいい。
格子戸は跳ね上げ式にするらしい。
それもまた今以上に味がある。
古い土壁は本当に心を落ち着かせる。
土蔵も漆喰ではなく土壁。
扉も木の上から土を塗っているのだろう。
家の前景とまるで祠のような古い井戸。
中にはそれらしい由緒が。
これは実は前住んでいた陶芸家が作ったそうだ。
でもいったん作ってしまうといかにもそれらしく見えてくる。
井戸の中はきれいそうな水でいっぱいだった。
ポンプもつるべもなく、桶で汲む昔のままの井戸だった。
さっそくここで呑み会をやる約束をした。
完成祝いだけでなく中間決起大会も・・・何度か。
こうして田舎暮らし派は呑み仲間を増やしていくのであった。