イレグイ号クロニクル Ⅱ

魚釣りの記録と読書の記録を綴ります。

「齟齬」読了

2015年11月12日 | 読書
前田朋子 「齟齬」読了

久しぶりにくだらない本を読んでしまった。
先日の休日の夕方、いつも見ているNHKのローカルニュースの放送がなかったのでテレビ和歌山のニュースバラエティをみていたら、龍神村が舞台の小説として紹介されていた。解説していたひとは、物語のなかのこんなレトリックが素晴らしいんですというようなことを言っていたので一度読んでみようと思ったのだが、どこにそんなすばらしいレトリックがあったのか、とうとう気づかないまま終わってしまった。
それどころか、“・・・・・別に取り立てて驚きもしないが。”という、“が”で終わるようなト書きがところどころにあらわれてくる。驚くのか驚かないかは読む人の主観で決まるわけだから、この書き方はないのではないか。こんな言葉が出てくるのは面白くもないギャグマンガだけだと思っていた。ものすごく違和感を感じた。
一応ミステリーらしいのだが、このトリックもまったくキレがない。無理やり二つの出来事を強引に結び付けている。僕はどんな本でも読み始めたら最後まで読むと決めているのだが、これは途中でどうしようか迷ってしまった。
紙質も悪く、持ってみると異常に軽い。この本のストーリーにふさわしい軽さだ。

そして、カバーの後ろの裏側の著者紹介の欄にはこの本の素晴らしさを語っていたおばさんの写真が載っていた。こんな本を自画自賛するとはなんという人だろうと最後に本当のミステリーっぽさを醸し出していた一冊である。
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