イレグイ号クロニクル Ⅱ

魚釣りの記録と読書の記録を綴ります。

「ひとりガサゴソ飲む夜は…」読了

2010年02月28日 | Weblog
椎名誠「ひとりガサゴソ飲む夜は…」読了
久しぶりに椎名誠の本を読んでみた。いまさら椎名誠とは思うが、タイトルが面白かったので久しぶりに買ってしまった。それも新刊で。
タイトルどおり、作家の過去のお酒にまつわる話の回想録が大半だ。何かの雑誌に連載されていたもののようだが、最後の1章だけがリアルタイムの文章のようだ。

この本が単行本で出版されたのは2005年と言うことだが、作家はその時点で61歳。還暦を過ぎている。行動派作家も寄る年波には勝てないのか、回想で文章を書くとは・・・。

シルベスタ・スタローンが「ランボー最後の聖戦」で格闘シーンを見せることなく機関銃をひたすらぶっ放すだけで終わったように何かむなしさを感じてしまった。
唯一の救いは昭和軽薄体の文章が健在であったことだけだ。

そして、もうひとつ気がかりなこと、挿絵が沢野ひとしではなかったこと。どうしちゃったのだろう?残念だ。
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津波警報

2010年02月28日 | Weblog
昨日、相当な被害を出したチリ地震が発生した。
発生からほぼ24時間後、日本では津波の警報が発令された。
船も心配なので午後から海の様子を探索してきた。
夜明け前は風と雨がものすごかったが午後からは日差しも出てきた。
まずは船を係留している港から。
津波到達予想時刻の1時間前、まことに穏やか。

次に、到達予想時刻の30分前、海の荒れた日によく様子を見に行く双子島周辺。
津波を避けるために大型のタンカーやクレーン船が沖のほうに停泊している。しかし、穏やか。読売テレビの中継車も来ていた。しかし、普通のミニバンで来ていて3脚にパラボラアンテナを乗っけただけだ。リポーターもいない。2軍か?あまり真剣さが感じられない。
 

到達予想時刻の午後3時半。新和歌浦の展望デッキから海を観察。ここは南向きなのですこぶる穏やか。
一体、津波はどこからやって来るのか?ここにはNHKの中継班がやって来ていた。レポーターはNHKのローカルニュースでよく見るアナウンサーさんだ。だんだん緊張感が増す。が、やっぱり海は穏やか・・・。
 
結局、この時点までは何事もなく世間は穏やかに時間が過ぎていった。大山鳴動してねずみどころかミジンコも出てこなかった。
台風といえば大騒ぎし、インフルエンザといえば大騒ぎし、津波といえば大騒ぎし、日本人は大騒ぎするのが大好きだ。
用心するに越したことはないのだろうが、それでもやりすぎだ。

チリでは被害が甚大のようだから大騒ぎでもなんでもして被害の拡大を食い止めていかなければならないが・・・。

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「オーパ!」読了

2010年02月22日 | Weblog
開高健「オーパ!」読了
多分、師の著作のなかで一番売れている本ではないだろうか。
有名な「一日幸せになりたければ・・・」という古諺が載っている本だ。
朝日新聞の日曜版の書籍の欄に「百年読書」というのがるのだが、今月取り上げられている本がこの「オーパ!」だ。感想を書いて送ってみたらその文章の一部が1月31日の分に掲載されたのでまた読み返してみたところだ。
もう、何回読んだことだろうか、読むたびに興味の赴く先が変わってくる。
釣りにしか興味がなかったころは掲載されている写真に、作家に興味を持ってくるとその文章に、作家の人生を知ると釣りとはまったく関係のない章にと、いろいろな人がいろいろな思いで読むことができるのが名著でありベストセラーであるゆえんだろう。

アイザックウオルトンの「釣魚大全」は不況や戦争が興るたびに版を重ねられたというが、釣りの本というのはそんな面もあるのだろう。やっぱり読んでいてわくわくしてくる。
そのときだけ自分の周りにある嫌なことを忘れることができるような気がする。
「釣りを終えて空港のロビーを歩いていると不意に滅形が襲いかかってきた。」という言葉が最後の方に出てくるが、僕もこの本を読んでいるあいだは滅形から逃れられていたのかもしれない。

作家が46歳のときの釣行記で僕も今年46歳。今、この書き込みをしている最中、BSでアルゼンチンではあるがドラドフィッシングの模様を放送している。おまけに会社は業績不振であえいでいる最中。いま、この本を読み返しているのも偶然ではないのかもしれない。
前に読んだのはちょうど3年前。そのときには偶然にも大型本の古本を見つけたようだ。このときもやっぱり何かそれ以上のものを感じたようだ。
http://blog.goo.ne.jp/matufusa/e/27d6680455c3dc6c1f9bdf1b345b4bf2

テレビに出てくるタックルは最新のものだが、この釣行で師が持っていったタックルはPEラインはおろか、カーボンロッドがまだ珍しい頃のはずだ。この本で出てくるロッドのABU「ディプロマット」にはカーボン仕様はなかったはずだ。
今の時代に師が生きていたら、きっと、「技術は進歩したが人類は退化の一途をたどっている。何やってんの?」と皮肉なことをおっしゃるのだろうな。
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加太沖釣行

2010年02月21日 | Weblog
場所:加太沖
条件:小潮9:42満潮 
潮流: 6:23最強1.2ノット下り 9:29転流
   12:11最強0.9ノット上り 
釣果:ガシラ 8匹

今週は釣りには行かないでおこうと思ったが天気がいいとやっぱり釣りに出てしまった。
小潮の周りなのであまり潮が動かないからまずはガシラを釣ってボウズを逃れる作戦にした。今日の餌はイカナゴにしたのだが、この餌はベラが来ないのでなかなか優秀だ。2時間ほどの釣りなら125円で済ますことができる。といっても大した釣果ではなかった。三○丸の釣果ではひとり60匹なんて出ているが、一体どこで釣るのだろう。やっぱりガシラも叱られる場所でないとたくさん釣れないのだろうか?

高仕掛けのほうはまったく不発だった。魚探の反応も少なくおまけに北風が思ったより強くて釣りづらい日であった。

パトロール船も今日は友ヶ島にべったりくっついたきり沖には出てこなかった。向こうはプロだから釣れない日もわかっているのだろう。
こんな日はやっぱり釣れないのだ。
週明けからはかなり気温が高くなるらしい。
冬の釣りも今日が終わりかもしれない。
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加太沖釣行

2010年02月14日 | Weblog
場所:加太沖
条件:大潮6:59満潮 
潮流:7:02最強3.2ノット上り 11:15転流
釣果:真鯛 50センチ以下3匹 ハマチ1匹 ガシラ1匹

昨日は少し風があるのとバンクーバーオリンピックの開会式があるので今週の釣行は日曜日。大潮なので少し早め、午前6時40分頃に出港。到着の頃が最大の潮流の時刻のせいか、何かはわからないが魚群探知機にはかなりの反応がある。
今日もビニール仕掛けでスタート。釣りはじめてすぐにアタリがあり小さいながら真鯛が釣れた。そのあとすぐにまたまたアタリ。今日は下には魚がウジャウジャいるようだ。しかし、場所が悪かったのか、パトロール船がやってきた。おまけに魚を取り込んでいる最中に近づいてきたものだから心象が悪い。あっちへ行けと叱られる。
少しづつ東へ移動しながら釣りをおこなうがパトロール船がやってきて僕を含めてそこいらで釣りをしている船を蹴散らしている。いつもはこんな沖まで追いかけては来ないからやっぱり今日は釣れる日なのだろう。それでも敵の目を盗んで釣りを続けるとまたまたアタリ。
今度はかなり大きい。50センチの大物だ。オモリ代わりに付けているタイカブラに食いついていた。自作のタイカブラで釣ったからうれしさも倍になる。しかし、またまたパトロール船がやってきてこの場所も放棄しなければならなくなった。

8時半を過ぎた頃から潮が動かなくなってしまった。潮流表では11時前頃まで動くはずだが自然というのはそんなに時刻表どおりに動くものでもないのだろう。
魚探には相変わらず何かの反応があるが潮が動かないとどうもビニール仕掛けに喰ってくれそうな気がしない。獲物がなかったときのためにガシラを釣ろうと思ってオキアミを持参してきていたので4本ハリ仕掛けに切り替えてえさ釣りを開始。
すぐにアタリがあった。今度の引きはちょっと真鯛とは違うようだ。引きも大したことがないのでアジが釣れたかと思ったらハマチが上がってきた。
なかなか今日は勘が冴えている。
そのあといい型のガシラを追加して終了。10時にもなっていなかったがこれだけパトロール船に追い掛け回されたらかなわないのとお昼には女子モーグルの決勝がある。それにこれだけ釣れれば十分だ。燃料も節約できるし早々に退散とした。

先週と違い、今日は戦略的にも戦術的にも思い通りの展開ができてしまった。
まあ、何年かに1回しかないことなのだろうけど・・・。


道中珍しく巨大なタンカーが停泊していた。船名をネットで調べるとこの船は全長299メートルあるそうだ。ちなみに1ヶ月前の今日、オーストラリアのシドニーの少し北にあるニューキャッスルという港にいたそうだ。(インターネットはあらためてすごいと思う。こんなことまで調べることができるのだ・・・。)
宇宙戦艦ヤマトは全長263メートルだからこれより少し小さいことになる。ウ~ん、こんな小さいサイズで本当に銀河系を抜け出して29万6千光年もの旅ができたのだろうか?
ちなみにブリュンヒルトは全長1007メートルだからこの船の約3.5倍ある。これなら恒星間の飛行もできそうな気がするが・・・。

ぼくは船に乗っているときはいつもこんなバカなことばかり考えています。
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「饒舌の思想」読了

2010年02月12日 | Weblog
開高健「饒舌の思想」読了
開高健が1960年から1965年にかけて書いたいろいろな文章をまとめた本だ。
新しく編集されたものかと思っていたが1966年に発行されていたものらしい。
4章からなっていてベトナム、中国・東ヨーロッパ、高度成長期の東京・日本、芸術についてまとめられている。
近代史についての知識と芸術についての造詣はまったく皆無なので1,2,4章についての内容はほとんどわからなっかた。唯一、3章の一部分だけほんの少しわかるくらいだ。
ウイキペディアを眺めながら一生懸命読んでみたがやっぱり歴史は難しい。

開高健はいったい何を追いかけていたのだろうか。激動の近代史と高度成長、安保闘争に共通ずるエネルギー、善悪は別にして人間が自分の居場所を求めて一生懸命行動していたことを記録に残したかったのではないのだろうか。
この時期の最後のほう、1965年ごろは日本の高度成長が一服して、日本国民の前へ進む気力が切れかけて退化してゆくことへの警鐘を鳴らしていたのではないだろうか。
中国はこの時期はまだまだ発展段階の前の前、毛沢東との会見の時に彼は今の中国の大躍進を想像していたのだろうか。きっと、日本は斜陽を向かえ中国は昇竜の勢いを取り戻すことを予言していたに違いないと思うのである。
開高健はこの頃30代の前半。自分と比較することはおこがましいが知識と行動力、すごい。せめてこの行動力の万分の一でもあやかれたらと思ってしまうのだ。



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海南釣行

2010年02月06日 | Weblog
場所:海南 関電波止
条件:小潮10:21満潮
釣果:なし

今日の天気はこの冬一番の寒さだとか。北西の季節風もかなり吹き荒れるらしい。
こんな日のためのとっておきの場所が海南の関電波止だ。
ここは北からの風なら追い風になるから少々吹いていても何とかなる、はずであった・・、が、今日の風はまともに西から吹いている。それも予報に違わずものすごい風だ。
テトラに打ち付ける波も相当なもので頭までしぶきが飛び散る。
しかし、せっかくやってきたことだし、とりあえず釣りを始める。午前7時ごろのスタートだ。釣りを開始して間もなく竿先をひったくる強烈なアタリがあった。
ここの釣り方は海底から出ている発電所の温排水の流れをつかんで仕掛けを流すため完全にウキを沈めてしまう。アタリは糸の動きか竿先で取るので魚に先手を取られやすい。(しかし、このアタリが出るところがまた楽しい。)沖の底の方は砂地なので根に巻かれるようなことはないが、かなり際であたったのですぐにテトラに巻かれてしまった。残念。
このあとはどんどん風と波が強くなり、この場所では危険と思い風裏になっている防波堤の裏に移動したが潮が動くわけでもなく戦闘意欲も失せてしまい午前9時過ぎに終了してしまった。何のアタリもなく釣れてきたのは口の大きさがハリよりも小さいハゼだけだった。

ここにはやっぱりかなりの魚がいるようだ。あのうねりのかなでもチヌ?が喰ってくるほどだから相当なものだろう。しかし、今日の天気ではどうも無理があったようだ。天気図を見ていると日曜日のほうが条件的にははるかにいいようだが、日曜日は朝からボーっとしていたかったので無理を押して出かけててしまった。釣り方も間違っていないようだったので重ね重ね残念だ。事実、この書き込みは翌日の朝に書いているのだが、窓から見える外の景色はなんと穏やかに見えることか・・・。
ヤン・ウェンリー風に表現すると「戦術的には間違いはないが戦略的には破綻している。」というようなものだろうか・・・。

ここに住んでいるたくさんのノラ猫ちゃんたちはどうしているかというと、コンクリートのつなぎ目に生えているわずかな草の陰に潜んで寒い風をしのいでいる。寒い冬の間は釣り人も少ないから魚のおこぼれも少ないだろうし、彼らも必死で生き延びようとしているのだろう。僕の生活も、日本の経済も、世界の経済も寒風どころかものすごい嵐が吹き荒れているが生きるということはなんと辛いことかと彼らを見ながらあらためて考えさせられてしまった。
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