イレグイ号クロニクル Ⅱ

魚釣りの記録と読書の記録を綴ります。

田辺湾釣行

2024年03月04日 | 2024釣り
場所:田辺湾 カグラ
条件:小潮 4:02干潮 9:58満潮
釣果:チヌ3匹 グレ1匹 真鯛(間違いない養殖もの)1匹 マアジ1匹

今日は年に1回の田辺湾への釣行だ。本当ならもっと後に予定をしたかったのであるが、3月中に平日の休みを取れる日は今日と明日しかない。乗っ込みチヌの季節はもう少し先、おそらく2週間以上先だろう。それでも平日を選ばないと混んだ磯での釣りは嫌だ。
釣果の前に気持ちよく釣りをしたいのである。
それでもこの冬は相当な暖冬であった。2月中に最高気温が20℃を超える日があったのだから3月初旬でも快適な釣りができるのではないかと思ったけれども、定年退職前最後の連休を取った頃から気温が低くなってきた。元々、2月29日に田辺に行こうと考えていたが昼前から雨が降るという予報だったので諦め、残りのチャンスは今日しかなくなったが、3日くらい前から予報を見ているとそれなりに行けそうな天気であった。しかし、直前では相当風が吹くという予報に変わってしまっていた。



日程に余裕があれば見送りたい天気であるが上記の理由で今日行くしかなかったのである。天気図を見る限りはどちらかの高気圧が北か南にずれてくれたら風は弱まると思っていたのだが・・。



おまけに気温も低い。予報では最低気温は5度ということになっていたが車の温度計では3℃。紀州釣りはとにかく体が汚れるので防寒着は着たくないのだが仕方がない。古いカッパも持ってきていたのだがこの寒さには耐えられそうもない。昔は一番温かい時間帯に合わせて着る服を選んでいたものだが、今では一番寒い時間帯に合わせて服を選ばなければならないほど体力も落ちたということだろうか・・。

一番船は午前5時半。高速道路は道程のほとんどが2車線になったので1時間をみておけば田辺に着ける。エサとパンを買う時間を入れても1時間半あればよい。30分前に渡船屋に到着するつもりで少し余裕をもって午前3時20分に出発。

こんなに寒くて風が出る予報で季節的にも中途半端な日なら人は少なくてゆっくり釣りができるだろうと思っていたが思いのほか人が多い。おそらく20人はいるのではないだろうか。月曜日というのもよくないのであろう。
これでは希望の島の希望の場所に座れないかもしれない。すでに船頭が表に出ていたのでカナヤに行く人数を聞いたら、団体で9人だという。中乗りのお兄ちゃんは今日も、「荷物を船に置いておいて先に磯に飛び降りろ。」と言ってくれるのだが、今のところ二人しか乗らないというカグラに行くことに決めた。出港前で操縦席に座っている船頭の目線も、「今日はカナヤはやめておけ」と言っている。
この磯は北風には弱いので今日のように強風が吹く日は釣りづらい。多分、今日で磯の釣りは最後にしようと思っていたのでここ数年いい釣りができた場所に行きたかったが諦めも大切だ。そして、カグラは田辺に通い始めた頃に一番たくさん乗った磯でもある。天気の悪い日や人の多い日に当たるのはただの確率の問題であるはずだが、なんだかこれも運命のように思えても来るのである。

カグラは最初に船が着く磯だ。逡巡していた分、出遅れて磯に乗るのは殿になってしまった。これでは一番のポイントに入れないのではないかと危ぶんだが、人それぞれ好みがあるのか、僕が一番入りたかったポイントが空いている。左に紀州釣り、右にカゴ釣りの人がいての真ん中でのスタートだ。



これもただの確率の問題なのだが、神様からの餞だったのかもしれないと思えてきた。
今日もヘッドライトを忘れてきてしまったのでリュックの中に入っていた懐中電灯を口に咥えて仕掛けとヌカ団子を準備。深さがどれだったかという記憶もとうになくなってしまっているのでとりあえず去年のままのウキ止め位置でスタート。ウキがはっきり見えるようになってきたのできちんとウキ下を測り直すとカナヤよりも1ヒロ以上も浅い。あれまあ、こんなにここは浅かったとは知らなかった。

今のところは無風で潮の流れもごくわずかなので底にピッタリと合わせて再開すると、最初はエサがそのまま残っていたがしばらくするとエサがなくなるときが出てきた。間違いなく魚がいると思っているとアタリが出た。ゆっくりとウキが沈んでいくアタリは間違いなくチヌだ。それほど大きくはないが最初の獲物だ。ハリスは2号なので慎重に巻き上げたがタモ入れの直前でバラしてしまった。ウキが完全に沈んでから合わせを入れたがかなり喰いが浅いようだ。しかし、左隣の紀州釣り師はかなり沖まで投げていて、完全に投げ負けていると不安になっていたが、とりあえず魚を見たのでホッとした。
しばらくして今度は竿先を持って行くアタリが出た。この時間帯はまだ太陽が目の前にあり海面が光っていたのでウキを見失っていた。よく引くのでこれは大きいと思ったが、大きいのは大きいのだが真鯛であった。それも完全に脱走養殖真鯛だ。お腹を開いてみると胃の中には昨日の釣り師のエサがたっぷり入っていた。せっかく娑婆に出てくることができて昨日の釣り師からも逃げ延びてきたのに僕の鉤に引っ掛かるとはあまりにも不運だ。なんだか他人には思えないのである。

その頃から少しアタリが出てきた。小さいながらチヌが来てその後はグレ、少しましな型のチヌだ。この時までは穏やかな水面とゆっくりとした流れでテキスト通りの紀州釣りのシチュエーションであった。
しかし、それも午前9時までで、その後は一気に風が強くなってきた。沖の方ではウサギが飛んでいる。



早朝の様子では防寒着を着てきたのは失敗であったと思ったが風が強くなってくると日差しはあっても防寒着でよかったと思えてくる。船頭と「釣り天気」の予想に軍配が上がった。
こうなってくると最後の磯チヌに際しての卒業試験のように思えてくる。潮の流れというよりも風によってウキだけが流されている感じであったのでそれに合わせてウキ下を長くしてゆくがアタリはない。そのうちに底がまったくわからなくなる。そしてまたウキ下を短くする。そんなことを繰り返しながら約3時間。もう一度ウキ下を見直し、ダンゴ爆弾を大量に投入してみると長い沈黙の末にアタリが出た。今日一番の47.5cmだ。画像ではもっと小さく見えるが、渡船屋の計測では47.5cmだった。年に1回しか行かなくなってしまってもいまだに名前を憶えてくれているのはうれしいことだ。



この卒業試験は多分不合格だろうと思っていたので先に釣った魚たちを締めてしまっていたので写真は別撮りになってしまった。たった1匹の釣果であるが今日の状況と他のふたりにはいまだ釣果がないという状況では合格としてもらってもいいのではないかと思う。
その後も風は治まらず、応用問題としておだんごクラブの秘儀であるウキなし釣法を試してみたがこれは答えを得られず、これ以上続けても同じだろうと考え、14時の便で磯を降りた。

今日が最後と書いたのは、これは毎年書いていることだが、この釣りには財力が必要だ。今日の経費は、砂0円、ヌカ50円、押しムギ300円、サナギ粉740円、オキアミ420円、アミエビ1460円、渡船代4000円、高速代2720円、ガソリン13リットル約2000円で合計11690円。ヌカもなかなか手に入りにくくなってきたし何もかも値段が上がった。それに比べると、船の釣りはメンテナンスの固定費を除くと1回2000円ちょっとだ。財力の方は幸いにして今日に限っては先週末からの日経平均の4万円超えで磯の上からピコピコやったおかげでチャラにすることができたが、今年で60歳ともなると体力と精神力は逆にレベルが下がってくる。何日も前から気力をため込まないと車に乗れない。



そうはいうものの、来年になればもう一回と思うのかもしれないがその時になって、財力と体力と精神力はどうなっているのだろうか・・。
それはやっぱり来年になってみないとわからないのである。気持ちだけは行きたいと願っているのだが・・。


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2 コメント

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Unknown (ハルト)
2024-03-16 18:15:00
お疲れ様です。
本日もあまり書く事はないのですが、加太方面に行って来ました。
朝イチコイツキからナカト周辺までやりましたが釣果は鯵一匹にて終了致しました🥶
帰りに大久保のちかく通りましたら船団になってました、釣れてるのかは分かりません。
本日は暖かく春めいてましたが、私の春の訪れままだのようです。
それでは、また。
Unknown (イレグイ号)
2024-03-16 20:06:53
ハルトさん、いつもコメントありがとうございます。

そうでしたか~。今日のガソリンスタンドのおじさんの情報だと、オオクボ辺りでハマチが爆釣しているとのことでした。船団はきっとハマチ狙いだったのかもしれませんね。
僕も明日、早く起きることができたら行ってみようと思っています!

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