イレグイ号クロニクル Ⅱ

魚釣りの記録と読書の記録を綴ります。

水軒沖釣行

2023年06月17日 | 2023釣り
場所:水軒沖
条件:大潮 4:48満潮
釣果:アマダイ 3匹

Arbeit macht frei(働けば自由になる)というのはドイツではいろいろな意味で有名な言葉だが、今日は僕も労働の日である。
港の近くに、「トンガの鼻」というところがある。今使っているリールを買った日に初めて訪れた場所だ。ブログ2回連続での振り返りになる。ここは「トンガの鼻自然クラブ」という団体が維持管理をしているのだが、この団体の会長さんというのが、大きいほうの船の船底塗装の際に無茶苦茶お世話になったanotherNさんだったのだ。
船の手入れをしているときの一服のとき、何気なく話をしていると、「実は僕・・」ということでそういったことを教えてくれた。動機は一体何だったのかというのはわからないが、20年ほど前からこの場所の手入れを始めたそうだ。最初はアセ(暖竹)の林になっていたらしい。
そこを開拓して道を造り立て看板やベンチを設置してきたのがこの場所である。
そして、この場所、江戸末期の砲台と狼煙場だったということだ。開国の波は浦賀だけではなく、大阪湾にも迫っていた。諸外国の船を警戒するため、紀州藩が作った砲台のひとつがここなのだ。長距離砲と短距離砲の2門が設置されていたそうだ。
そして狼煙場は串本方面から数えて33個目に位置し、和歌山城に情報を伝える最後の場所だったということがわかっている。串本からはわずか数時間で情報を伝達することができたらしい。確かにここからは和歌山城を一望することができる。



幕末時の藩主の名前は知らないが和歌山城から有事を警戒しながらここを眺めていたのである。

トンガの鼻についてネットで調べていると毎月第3土曜日が例会作業日となっていることをホームページで知った。anotherNさんに、会員でなくても参加ができるのかを聞いたところ、大歓迎というので初参加をさせてもらったのである。
もちろん、マダニを異常に警戒する家族には一切内緒である。

生まれた街で暮らしているとはいえ、一日の大半を別の場所で過ごしていると根無し草と同じだ。地元とのつながりがまったくないと言っても言い過ぎではない。新聞の連載に「定年クライシス」という言葉を見たからか、本能的につながりがほしいと思ったからなのか、これは行くしかないと即決したのである。定年退職まですでに1年を切ってしまった。遅すぎるかもしれないがなんとか居場所を見つけたいともがいているのである。

ということで、夜明けから集合時間まで3時間余り。その間、何を釣ることができるかと考えた時、チョクリはまったく期待が持てないので排除すると気になってくるのはアマダイだ。去年の今頃は大フィーバーで二桁の船が僕の港の沖に突如殺到していた。バブルは儚いもので、ひと月ほどであっけなく崩壊してしまった。しかし、その芽はいまだ残っているのか、いつも数隻の船がかつてのアマダイポイントに浮かんでいる。
それがずっと気になっていたのである。今日のスケジュールを考えてみるとこれはアマダイしかないと考えたのである。ダメで元々、こういう時は新たなことにチャレンジするのはいいことだと考えている。

できるだけ釣りをする時間を稼ぎたいと、今日は午前4時20分に港を出た。



あまりにも早く出港したので2本の竿の道糸を絡めてしまい、せっかく前後ろを入れ替えたリールの道糸をバックラッシュさせてしまい8メートルほどをロストしてしまった・・。
ポイントまではあっという間だ。先週、船が浮かんでいた水深35メートル付近で仕掛けを入れてみる。

それから30分、やっぱり甘くはないよな~と思っているとアタリがあった。できるだけ食い込まそうと合わせのタイミングを遅らせたがすっぽ抜けてしまった。アマダイかどうかはわからないがなんでもかまわない、魚はいるようだ。それから30分。手持ちの竿にアタリがあった。今度こそはバラすまいとじっくり待つ。しかし、アマダイのように竿先を叩かない。もう少し待って合わせを入れると魚は乗ったようだ。しかしよく引く。これはアマダイじゃないんじゃないかと思いながらリールを巻いていると水面下から姿を現した魚はまぎれもなくアマダイだった。それも異常に大きい。



僕の最大記録。これはもう、今日の労働の報酬として神様が前払いで授けてくれたものに違いない。タモ入れに成功してホッと一息。あれだけ待っても鉤は唇に掛かっていたことを見ると活性はあまり高くないようだ。

その後新たなポイントを探し北上するもアタリはなく、もう一度最初のアタリがあった場所に舞い戻ると置き竿の方にアタリがあった。小さいながらこれもアマダイだ。そしてまた30分後置き竿にアタリ。これも去年ならまずまずと思える40センチ足らずのアマダイ。
もうこれだけ釣れれば満足だ。それにエサのアオイソメもちょうど使い切った。しかし、自動販売機のゴカイだが、円安の影響か燃料費の高騰か、入っている量が絶対的に少なくなった。おそらく15匹くらいしか入っていなかったのではないだろうか。1匹40円くらいの換算だ。イソメにも“様”を付けねばならない感がある。

午前7時50分に釣りを終了し叔父さんの家に魚を届けて集合場所へ。
2時間ほどアセと格闘して解散。

 

来月も参加しようと考え始めている。

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