東京の西・世田谷に向かう。東京の北東部に住んでいる人間から見て、23区のちょうど反対側に位置する世田谷というのは、文化的な、ハイカラなイメージというのがある。東急・小田急・京王の3私鉄が通っている。
今日はその内、京王線は芦花公園で下車。ここから南に5分ほど歩いたところに「世田谷文学館」がある。「図書館」というよりは、文学をテーマにした展示を行っている、博物館のような、資料館のような。いや、やはり「文学館」という言葉がしっくりくる。
世田谷まで来たのは、この世田谷文学館で「不滅のヒーロー・ウルトラマン展」なるものが行われているのだ。
初代ウルトラマンが初めてテレビで放映されたのが、1966年のこと。そして今年2006年が「40周年」にあたるとか。考えてみれば息の長いシリーズである。初代ウルトラマンに始まり、ウルトラセブンとか、ウルトラマンタロウとかいろんなのがいて、そして今やっているのがウルトラマンメビウスだったかな。
私も子どものころ、再放送でやっていたのを見たり、怪獣の消しゴムを集めたり、「大百科」のような本を買って読んでいたっけ。そして今でも、ウルトラシリーズのことを扱っているサイトなどをのぞいて、「あの怪獣が出たのはこんなストーリーだったのか」と、この年になって「へえ~」と思うこと多数。
さて世田谷文学館。ウルトラマンの人形に迎えられて展示室に入る。過去のシリーズの紹介や、当時の脚本、撮影現場の写真、怪獣の「設計図」(着ぐるみの中に入った人間も描かれている)など、さまざまな資料や当時の撮影の苦労話、裏話など多数。うなるものが多い。
同じ「40周年」でも、池袋のほうではウルトラマンや怪獣のショーをやっていたりしているようだが、こちら文学館では資料展示が中心で、子ども連れも多かったがどちらかといえば私たちと同世代か、もっと年輩の方の姿が目立つ。考えてみれば、40年前に小学生で「ウルトラマン」をリアルタイムで見ていた人も、50前後の親父だもんな。それだけ、時代を経ても色あせることのないヒーローだし、また多くの人たちの心に残っているのだろう。また、これまで何代も登場した「ウルトラマン○○○」の中で、怪獣も含めて最も人気があり、一般におなじみなのが「初代ウルトラマン」というのも、それだけしっかりした作品づくりがなされたということか。
この世田谷、円谷プロがあったり、またスタジオ撮影やロケ撮影も行われていたということもあり、いわば「ウルトラマン発祥の地」。だから、世田谷でのイベントというわけである。
常設展示では「文学に描かれた世田谷100年の物語」というのをやっている。徳富蘆花にはじまり、横光利一、寺山修司、萩原朔太郎、横溝正史、大藪春彦、林芙美子、大江健三郎・・・数えあげればきりがない。世田谷に居を構えた作家たち、あるいは世田谷を舞台にした作品の数々が、原稿や単行本込みで紹介されている。うーん、こういうのが多くある、またよく似合うというのが世田谷なのかなあ。
世田谷文学館、なかなかアカデミックなスポットである。
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