まつなる的雑文~光輝く明日に向かえ

まつなる兄さんのよしなしごと、旅歩き、野球、寺社巡りを書きます。頼りなく豊かなこの国に、何を賭け、何を夢見よう?

第28番「成相寺」~西国三十三所めぐり2巡目・20(宮豊線を楽しむ)

2018年02月10日 | 西国三十三所
成相寺の参詣を終えて、ケーブルカーで降りてきた。時刻は12時すぎ、まずは昼食としよう。ケーブルカー乗り場の近くにある松井物産に入る。ついでに土産物も買うことに。

事前予約であれば松葉ガニのついた特別料理があるそうだが、出かけようと決めたのが前日のことだし、事前に店をチェックしていたわけではない。メニューで出ているものを見る限りでは普通のうどんやラーメン、海鮮丼といったところだが、その中のブリしゃぶに目が留まる。ブリしゃぶは丹後の天橋立、伊根が発祥の料理ということで、冬のおすすめメニューだという。また、鯛とイカの刺身、さらに松葉ガニの半身がセットになった御膳である。こちらをいただく。

まあ、カニのほうはごく小ぶりの茹でガニで、身もほっそりしたものだが、それでもカニはカニである。シーズンでもカニを食べる機会というのはそうあるものではないから、味噌の部分も含めて美味しくいただく。

ここではカニよりも寒ブリのほうが印象的だった。身が厚く切られていて歯ごたえもある。刺身にしてよし、ブリしゃぶも、少し長めに鍋に浸したほうが全体が温まってよい感じだった。参詣も終えたことだし、こうしたものが目の前にあるとビールが進む。

これからどうするか。伊根に向かってもいいし、もう少しゆっくりしてもいい。ただここで選んだのは、再び遊覧船で天橋立駅に戻ること。もう少し乗り鉄を楽しむことにする。向かうのは、京都丹後鉄道の宮豊線の終点・豊岡である。

13時33分発の快速丹後路で豊岡を目指す。この列車、福知山から特急たんごリレー3号として運転された「丹後の海」車両で、天橋立からは快速となる。今回の成相寺の参詣の記事で、「1月に京都丹後鉄道に乗って大雪で危うく帰れないところだった」と書いているのだが、その時往路に乗って来たのがこのたんごリレー3号だった。この時は宮津に着いたところでみるみる雪の量が増えた。ただ6日は青空の下を走る。車内が空いていることもあり、先頭のフリースペースに陣取る。ここからだと前方の景色を見ることもできる。

かつて加悦鉄道が走っていた与謝野、京丹後大宮を過ぎ、峰山に近づく。

1月のことを思い出す。ここは列車交換が可能な駅で線路のポイントがあるのだが、そのポイントが凍結してしまったために、乗っていた列車が手前でストップしてしまった。峰山で降りるために上着を着てデッキに立っていたのだが、駅の手前で動かなくなったので再び客席に戻り、運転再開を待つ。待つ間にも雪が降り続いたが、1月には新潟で列車が一晩立ち往生したトラブルがあったばかり。まあ、ここから駅の手前だし、すぐ横には民家も国道もあってクルマは普通に走っていたから、いざとなれば降ろしてはもらえるのだろうが・・などと考えていたが、同行していた上司は「どっかで泊まること考えた方がええんとちゃうか?」とスマホで宿の検索をしていた。

その時は復旧作業が進み、1時間停まったところで峰山駅に到着。やれやれと下車してタクシーを呼んで目的地に向かい、除雪車が出動したり沿道の人たちが歩道の雪かきをしているのを見る。所用を済ませて駅に戻って来たのだが、駅の券売機には「本日の列車は運転とりやめ」の貼り紙があった。思わず「えっ?」となったが、たまたま窓口にいた係の人が、「最後の一本が網野から峰山に向かっている」と声をかけてくれた。先ほど乗った車両は豊岡まで行かずに網野で運転を取り止め、宮津まで引き返すとのこと。これで宮津まで出ると、福知山までの宮福線は動いていたのでそのまま遅ればせながら大阪まで戻ることができた。その日は宮豊線、宮舞線は運休と言うことになり、もし峰山の出先から戻るのが10分遅れていたら、完全にアウトだった。もしそうなったらどうしていただろうか。

・・・そんなことを思い出したりしながら、この日は雪もほとんどない峰山駅では普通に列車交換してそのまま発車した。これも繰り返しになるが、この6日は福井、石川で豪雪となり、在来線鉄道は全面運休、国道でもクルマが立ち往生した日である。この冬が異常気象なのだろうが、冬の旅ではこうしたリスクはつきものであると、改めて感じたところである。

列車は内陸部を走る。天橋立に比べれば積雪量は多いが、降るということはなかった。太陽の照り返しがまぶしく感じるくらいである。トラブルが起こることもなく、のんびりした特急車両の旅が続き、京都府から兵庫県に入る。14時37分、豊岡に到着。

私の旅の好みとしては、なるべく「循環ルート」を取りたいところで、帰りはJRに乗って帰ることを考えていたが、せっかく天橋立、京都丹後鉄道のフリーきっぷを持っているのである。宮豊線に乗ることもなかなかないだろうからと、復路も同じ車両に乗ることにした。

こちらは網野まで普通列車、網野からは特急たんごリレー6号として運転される。先ほどと同じ景色であるがそれも楽しみ、網野まで戻る。宮津までは網野始発の普通列車が先行するが、結局福知山へはたんごリレー6号で着くことになるためそのまま乗っておく。

さてこれで西国2巡目も20ヶ所に到達した。2巡目はゆったりペースでもう2年を過ぎているが、1300年の記念行事はまだまだ続く。鉄道の旅、周辺の観光と合わせて引き続き楽しみたいところである・・・。
コメント    この記事についてブログを書く
« 第28番「成相寺」~西国三... | トップ | 第15回四国八十八所めぐり... »

コメントを投稿