まつなる的雑文~光輝く明日に向かえ

まつなる兄さんのよしなしごと、旅歩き、野球、寺社巡りを書きます。頼りなく豊かなこの国に、何を賭け、何を夢見よう?

近鉄特急日帰り乗り継ぎ・3(ひのとり・レギュラーシート)

2020年03月17日 | 鉄道企画もの

3月14日、夕方の近鉄名古屋駅のホームには大勢のカメラやスマホが向けられている。これから入線するのは18時発の大阪難波行き「ひのとり68列車」である。

この日から運転開始となり、朝の出発セレモニーではホームにもあふれるばかりの鉄道ファンが詰めかけたそうで、それと比べれば落ち着いているのかなと思う。折り返しの発車まで数分の間、車内外では撮影タイムである。

私が乗るのはこの次の19時発の「ひのとり69列車」である。だからこの便は車両の外側を、端から端まで眺めることにした。先ほど「しまかぜ」で名古屋に着いたばかりで、10数分で折り返すのはいくらなんでも慌ただしすぎる。買い物をする時間もない。

「ひのとり」という名前も優雅だが、赤をベースにしたのは昔の近鉄カラーをイメージしたのかなとも思う。ただその赤も艶のあるメタリックレッドということで、ちょっと広島カープのヘルメットの赤、マツダの車体の赤に近い。窓の部分は黒で、火の鳥をイメージした金色の帯が伸びる。えらいもんが出てきたなと思う。

そろそろ時刻となり、座席もほぼ満席で出発する。

さて待ち時間、車内での夕食を買い求めるとするが、近鉄ホームの弁当類は本日完売である。ならばと、一度改札を出て、JRのコンコースに向かう。さすがに弁当はまだまだ残っていてどれにしようかというところだが、ご飯ものは結局のところ天むすにしようと思う(ただし、近鉄ホームや改札横では天むすも売り切れていた)。ならばおかずというかつまみということで、味噌串カツやら豊橋のヤマサちくわやら、手羽先の「世界の山ちゃん」のスパイスを効かせたスルメイカやら、だいたい名古屋から近鉄特急に乗る時の車内のお供で固める。

時間をつぶすうちにそろそろ19時発の入線時刻となる。私が乗るのは4号車のレギュラーシートということで、今度はホームの端ではなく乗車口で待つ。

車内は木目調の内装に明るいグレーのシートが並ぶ。ひょっとしたら、プレミアムシートが金のイメージならレギュラーシートは銀のイメージだろうか。前のシートとの間隔も若干広げたそうで、レギュラーでも居住性はよい。

種明かしをすると、座席選択で取ったのは、車端部の1人席。本来なら車椅子対応シートで、通路の反対側は座席のない車椅子スペース。こうした席に座ることの是非は分かれるだろうが、レギュラーシートながらプレミアム的要素もあるのではないかとも思う。

車内の様子を撮影しようという客が多い中で、一通り回る。車内販売がない代わりに、コーヒーやお菓子の販売機がある。また無料のロッカーや、ベンチのスペースもある。観光列車というよりは、企業のロビーや休憩スペースを車内で再現したようにも見える。この辺りは、大阪~名古屋間のビジネス利用客を意識していると思うが、もちろん観光旅行の利用でも快適に利用できる。

さて発車。地下を出た外はもう暗くなっているので、とりあえず食事である。前の座席の背にあるテーブルはそのままこちらに倒れるが、さらに手前に引き寄せることができる。さらにひじ掛けからもテーブルが出るので手元を幅広く使うことができる。

次の停車は津だが、ここで下車する人も多い。三重の人なのだろうが、中にはひょっとしたら名古屋近辺の人で、試しに近いところまで乗ってみたという人もいるかもしれない。大阪からなら大和八木まで乗ってみた、あるいはそこまでなら特急券が取れたというのと同じようなものかな。

津を過ぎると車内も落ち着いたようで、ゆったりした時間が流れる。私も途中ウトウトしたようだ。触れるのが遅くなったが、「ひのとり」は全席「バックシェル」を採用したことも売りの一つである。

車内で座席をリクライニングさせる時・・このマナーを巡ってさまざま言われている。その内容についてここではいちいち触れないが、それを円満に解決する方法の一つとして「バックシェル」が取り入れられた。リクライニングさせると、シートが後ろに倒れるのではなく足元から前にずれる。先ほどテーブルが備え付けられていたのもシート後部の固定部分なので、後ろから見ると前のシートだけが沈むように見える。・・・うーん、言葉では上手く表現できないので、そこはぜひ、実際に乗って体感していただいたほうがよい。お互いにストレスフリーなのはよい。

快適な時間はあっという間に過ぎ(単に飲んでいるだけなのだろうが)、大和八木も過ぎて間もなく鶴橋である。いつもならここで大阪環状線に乗り換えるが、せっかくなので終点の大阪難波まで行く。

大阪難波は構造上、当駅終着でもさっさと桜川訪問に抜けなければならない。乗客が全て下車するための停車時間は1分くらいだろうか。その中でも、おそらく阪神なんば線で帰宅する列車を待っていてたまたま「ひのとり」の到着に遭遇した様子の人たちがスマホで撮影していた。大阪難波でもポスター等で連日PRしていたのが実際に目の前に現れたらラッキーだろう。

・・・さて、今回「青の交響曲」~「伊勢志摩ライナー」~「しまかぜ」~「ひのとり」という、近鉄特急の日帰り乗り継ぎを行った。顔ぶれからして豪華な面々で、さすがは日本一の(営業距離を持つ)私鉄である。3月のこの時季、観戦予定していた野球のオープン戦、大相撲春場所が無観客となったが、それをカバーして余りあるお出かけだった。

ただ、近鉄特急の乗り継ぎはこの後も続く。3月16日の月曜日、これも名古屋から大阪に向かう便だが、「ひのとり」のプレミアムシートのたまたま空いていた席をとった。平日だからだと思うが、これを利用するために有給休暇とした。週末フリーパスは土曜日開始なら月曜日まで有効なので、最大限に利用することにした。14日と同じようにまずは名古屋を目指すわけだが、近鉄の路線網が広いことを利用して、あることとの組み合わせを考えることにした・・・。

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