長崎から佐世保まで、再び長崎本線~大村線を乗り継ぐ。
早めの昼食を取ることができたので、12時08分発の喜々津行に乗車する。ハウステンボスの塗装がなされた編成。まずこれで喜々津まで行き、後からやってきた鳥栖行に乗り継いで諫早まで出て、13時13分発の早岐行に乗るというプランにする。海の見える駅で途中下車してもいいし(乗車券は、長崎から早岐を経由して大阪まで購入している。早岐から佐世保まで飛び出し乗車扱いとした)。
発車を待つ間に隣のホームにやってきたキハ66・67形、こちらは国鉄急行型塗装である。大村線の往復で何回かすれ違ったり停車しているのを見ることになるが、一度も乗ることがなかったものである。やはりこの面構えには、この塗装が似合うということか。カメラを向ける人も多い。
喜々津までの区間運転であるがそこそこの乗車で出発。浦上を出た辺りだったか、列車は急停車。何かが線路に侵入したとかで運転手が調べるが、状況がよくわからない。周囲は住宅街でもあり、コンビニの駐車場にいた客も何事かと列車の方をうかがう。結局15分ほどは停車したか。このためにこの後の乗り継ぎにも影響が出て、諫早発14時09分の普通列車で移動する。長崎を1時間後に出るのと同じようなことになった。
佐世保に到着。高架ホームの階段を下りると肉の香りが漂ってくる。高架下の佐世保バーガーの店である。佐世保には翌日の昼までいるので、どこかのタイミングで食べてみよう。この日は駅前のワシントンホテルに早めのチェックイン。同じワシントンホテルでもこちらは結構広めである。
佐世保には以前訪れた時に海上自衛隊の見学施設に行ったことがあるが、年末年始のことでそれらの施設はお休み。あとは九十九島かなと、ホテルのベッドに寝転がって観光パンフレットを見る。そこで目に入ったのが、佐世保の夜景。夜景と言えば「世界新三大夜景」にも認定された長崎であるが、佐世保も同じように海と坂の街とあって、知る人ぞ知る夜景のスポットなのだとか。いくつかスポットがある中で、弓張岳の展望台というのが市街地に近く、路線バスも出ているという。前日の長崎と同じく、トワイライトの風情を楽しむとしよう。
路線バスは本数が少なく、これから乗るのは16時半の便。最後は17時台で、その折り返しで下山するとして、1時間の滞在である。駅前から乗車し、佐世保の中心街を過ぎて弓張岳へと向かう。坂道が続く中をバスはエンジン音をうならせて上っていく。そんな中でも家屋が密集している。
佐世保駅前からおよそ30分で終点に到着。標高364mで、周囲はホテルが1軒あるだけで土産物店などはないが、立派な展望台がある。ちょうど佐世保の市街地をいい感じで見下ろす位置にある。アメリカ海軍、海上自衛隊の基地、それに造船所も見ることができる。
時間帯はちょうど日が暮れようかという頃合い。展望台の通路を先に進むと、こちらには九十九島の風景が広がる。夕暮れを見ようと観光客がぞろぞろとやってくる。旅に出る前は全く予定に入れていなかった佐世保、素晴らしい景色である。こうして夕暮れをじっくりと見るというのは普段の生活ではなかなかないことだが、「1日が終わったなあ」というのをじっくりと感じるところである。
日が暮れると今度は夜景である。佐世保らしく、米軍兵だろうか、日本人女性とのデートの一時も見られる。
派手さということであれば長崎の夜景が素晴らしいが、こちら佐世保はコンパクトながらも、九十九島というのがポイントである。少しずつ暮れゆく中、うなるばかりである。最初から夜の景色を見せられるよりも、こうした少しずつの変化をじっくり見るのが夜景の本当の楽しみ方かもしれない。まだ17時台だが、こうした景色を見られるのも冬ならではである。
バスがやってきた。これが最終便である。このバスに乗ってきたカップルがいたが、どうするかと思っていたらわずか5分足らずの折り返しで戻ってきた。これが最終便ということでやむを得ずというところだろう。私も、バスの時間をチェックしていなければ同じような羽目になっていたところである。