まつなる的雑文~光輝く明日に向かえ

まつなる兄さんのよしなしごと、旅歩き、野球、寺社巡りを書きます。頼りなく豊かなこの国に、何を賭け、何を夢見よう?

那智勝浦のマグロと夏祭り

2012年07月22日 | 旅行記E・関西

Dscn52827月15日、大和八木から新宮までの路線バスの旅を終えた私。実はこの後紀勢本線の鈍行を乗り継いでもこの日のうちに大阪に戻ることができるのだが、せっかく紀伊半島の南まで来たのだからと、一泊することにする。

とはいっても泊まるのは新宮ではなく、那智勝浦。宿泊は温泉旅館ではなく普通のビジネスホテルなのだが、本場のマグロ料理も味わえるのも楽しみである。

Dscn5283ということで、新宮から列車で移動するが、その鈍行の前に特急「南紀」がある。特急料金分だけ割増しになるが、なかなか乗る機会もないし、早くチェックインしたいということもあって乗車する。駅のホームには熊野三山=ヤタガラス=日本サッカー協会のシンボルということで、Jリーグの各チームの旗がお出迎え。J1はともかくJ2まで含めると、最近ではさまざまな地方都市の文字も見え、プロ野球と比べた地域性の裾野の広さを感じさせる。一方でプロ野球はまた球団統合、1リーグ化への動きもちらほら見られるだけに、なぜこうも逆の動きになるのかなと思うばかりである。

Dscn5290さて特急「南紀」は終着間近ということでガラガラ。大きな窓から王子ヶ浜を見る。ここに来てパラッと一雨来た。

Dscn5298そして終点の紀伊勝浦に到着。ホテルは駅からすぐの商店街の中にあるのだが、建物から外に出ると何やら音楽が流れている。どうやら祭りをやっているようだ。商店街を歩行者天国として開放しており、交差点を「おまつり広場」ということでここを中心に催しをやっている。ちょうど子どもたちのグループがダンスを披露しているところ。周りにはさまざまな衣装をまとった人たちでごった返している。それにしても、こういう祭りでの踊りとなると昔ながらの伝統舞踊か、ヒップホップ、そして最近はどこでも見られるよさこいソーランというのが三本立てかな。

ホテルにチェックインしてチラシをもらったのだが、この日は地元の南紀勝浦夏祭り。いやこれがあるのはここに来て初めて知ったことで、これを狙って勝浦に宿泊したわけではない。「夜にはめはり音頭というのを踊りますから、参加してはどうですか?」と言われる。

Dscn5303まあ音頭はともかく、まずはマグロをいただくことにしよう。生マグロのパンフレットがあってさまざまな店が紹介されている。ダンスのBGMが流れる中、しばらく町中を歩いて店を物色するが、結局落ち着いたのは駅から港に向かう通り沿いの「竹原」という店。

中はカウンターのみの狭い店だが、17時を過ぎてすでに満席。店内は多くの有名人の写真やサインが飾られている。いや別にこちらも狙ったわけではないのだが、やはりいいものを食べさせる雰囲気というのが通りにも漂ってきて、それに引き寄せられたというところだろうか。

Dscn5301Dscn5302少し待つと空きが出たので、メインというマグロの定食を注文。出てくるのはトロと赤身の刺身とハラボである。そして現地ならではの味ということで、追加単品でマグロの目玉の煮付、チコロと呼ばれる心臓を焚いたものをいただく。それに尾ひれのスープ。これらに、昼間のバスでは我慢していたビールを流し込み、一心地つく。価格は完全な「観光地値段」であるが、まあ本場で食べるのを売りにするというのであればやむを得ないかなというところである。

Dscn5314せっかく来たのだから温泉に入ろう・・・と思い、再び駅に出て電車に乗る。向かったのは新宮方面の那智駅。那智大社への玄関駅であるが、ここに地域交流センターが併設されており、その2階に「丹敷の湯」という温泉がある。浴槽一つのみのシンプルなつくりであるが、窓からは駅のホーム、そして奥に広がる海水浴場、そして勝浦の旅館群を見渡すことができる。先にここで立ち寄り入浴してから勝浦に向かえばよかったのだろうが、まあいいでしょう。

Dscn5317入浴後、次の列車までの一時は海岸で涼む。といっても海はベタなぎで、風が吹き抜けるというわけではない。ただ、風が通り抜けない入り組んだ地形というのが勝浦を良港たらしめているのも確かなところである。

Dscn5321こんなことをしてみたり。

Dscn5332駅に戻ると、夜のメインである「めはり音頭」の最中。三波春夫の歌声に乗せて、さまざまなグループがプレートを先頭にして商店街、おまつり広場を流し歩く。

Dscn5345Dscn5349こういう、観光イベントというよりは地元の人たちが楽しんでいる夏祭り、ふらりとやってきた旅行者にとっては何だかよその家におじゃましたような感覚であるが、その分土地の表情に触れることができるようでよいものである。さすがにめはり音頭は踊らなかったが。

Dscn5352グループの練り歩きに続いては、熊野曼荼羅太鼓に合わせての踊りである。こちらは新宮を拠点に活動しているグループという。熊野曼荼羅とは熊野三山の神仏や信仰を描いたものであるが、その名にふさわしい勇壮な音色を奏でる中、おまつり広場をぐるぐる回っていく。

そして最後は餅まき。これは見物客も参加できるということで櫓の周りに人だかりができる。私も餅を土産代わりにしようというか、その中に入る。ビニール袋に入った一口サイズの紅白餅が次々に投げ込まれる。私も片手だけで挑戦したが6個をキャッチ。まずまずの成果だったかな。

これで夏祭りは終了。なかなかに楽しい一時を過ごすことができた。部屋に戻り、缶ビールとともに駅前の土産物店で購入したクジラの干物をつまむ。料理店ではマグロとともにクジラの刺身もあったのだが、ちょっと値段が高い(ベーコン、赤身なら大阪の居酒屋でも味わうことができるが、それと比べても)ことがあったので土産物の干物ということで。

翌日16日は海の日。今回は15日が山や川の風景を楽しんだだけに、それとは対照的な海の風情を味わうことにしよう・・・・。

コメント (2)