まつなる的雑文~光輝く明日に向かえ

まつなる兄さんのよしなしごと、旅歩き、野球、寺社巡りを書きます。頼りなく豊かなこの国に、何を賭け、何を夢見よう?

広島・マツダスタジアムへ

2012年04月22日 | プロ野球(バファローズ・NPB)

20日は広島に出張ということになった。現在の職場に異動になってから初めて仕事で訪れるということで懐かしいものを感じる。その内容というのが広島で開かれる、西日本地区の支店が集まっての交流会議への出席というもの。当初出席を予定されていた方が業務都合でどうしても行けなくなり(結構楽しみにしてらっしゃった様子だったのだが・・・)、他の管理職の皆さんもこの日は動けないということで、急遽私に出席の指示が来たというもの。「私が行ってもいいんですか?」と、何だか申し訳ない気持ちがしたが・・・。

Dscn3793ということで、20日朝の新幹線で広島に移動する。選んだのは「さくら」。九州新幹線の開業に伴い、岡山から向こうに行くなら「のぞみ」、「さくら」、「みずほ」、「こだま」のいずれかに乗車することになる。新幹線の代名詞であった「ひかり」はもはや朝と夜にちょこっとあるくらいで、時代の流れを感じさせる。その中で選んだのは「さくら」。同じ指定席に乗るのなら「さくら」のほうが席も広く(2×2列シート)、内装も暖かさを感じさせる。「のぞみ」には空席があるものの「さくら」が列車によっては満席になるのもわかるような気がする。この日も、前日夜の購入だったためか、通路側の席しか空いていなかった。

広島までは1時間30分で到着。朝は雨が降っていたようで路面が濡れているが雨はやんでいる。何だかほっとする。集合までは時間があるため、それまで市内に出ることにする。

Dscn3794今年の大河ドラマは「平清盛」。京都、神戸では清盛にちなんだ観光キャンペーンを行っているが、広島も厳島神社、音戸の瀬戸という清盛ゆかりのスポットがあり、負けずにキャンペーンが繰り広げられている。市内を走る路面電車にも「清盛の広島」のラッピングがなされている。

Dscn3802そんな清盛はとりあえず置いておくこととして、向かったのは原爆ドーム。やはり広島に来たからにはここは避けて通ることはできず、広島に来るごとに立ち寄って手を合わせている。外国人の団体、修学旅行生の姿も見える。福島原発の事故により「原子力」「放射能」ということに注目が集まっているが、それが身近なところでの「恐怖」「危険」という負の側面が出てきたことで、改めて被爆地としての「ヒロシマ」をもう一度認識するのも悪くないだろう。もし、被爆者の皆さんがこのたびの原発事故のことを聞いたとして、どのような思いを持つのだろうか。

Dscn3815さて広電の線路を挟んで原爆ドームの向かい側にあったのが旧・広島市民球場。以前に訪れた時はまだその姿を残していたのだが、この日見ると白いフェンスに覆われていて、その辺りだけがポッカリと穴が空いたように見えた。フェンスの隙間から中を覗いて見ると、グラウンドは更地になっていて雨のせいで泥まみれになっている。その向こうにはなぜかライトスタンドの一部だけが残っている。これはモニュメントとするのだろうか。

Dscn3814線路沿いの「勝鯉の森」は残っており、セリーグ優勝、日本一、そして衣笠祥雄氏の記念碑はそのまま。いずれは「かつてここに球場があった」ことの証となるのだろうが、仕方ないとはいえこうして球場が別の建物になってしまうのは複雑な気持ちである。球場解体までの経緯について、カープ関連の著作が多い(どちらかと言えばカープには厳しい、辛口の視点で書いている)作家の堀治喜氏による『誰が、市民球場を壊したのか?』という一冊を書店で見つけたので改めて読んでみることにする。

さて、時間もそろそろということで会議の行われる商工センターに移動。会議の参加者は初対面の人がほとんどであるが、こちらの拠点にはかつて一緒に仕事をしていた人もおり、久しぶりにお会いしたことで懐かしいものを感じた。広島を離れてもう8年になるが、変わったもの、変わらないもの、さまざまである。

Dscn3830通常なら会議終了後はどこかの店での懇親会ということになるのだが、この日の会場が何とマツダスタジアムでの広島対中日戦の観戦。一般のスタンドではなく、オープンスペースでのパーティールームがあるとかでその一室を予約してあるという。私が「申し訳ない」と思ったのが、行く予定にしていた方というのが大のカープファンということがある。そこに、セは確かにカープを応援しているものの、このブログにもあるようにバファローズ、パ・リーグ中心で見ている者がお邪魔したということ形になった。ただその分、しっかりと球場の雰囲気を味わおうと思う。

Dscn3845パーティールームはオードブル料理があり、ビールも球場だけにピッチャーで出てくるのだが、逆に外部からの飲食物の持ち込みはNGとなっている。この日も支店の方が他のおつまみやら焼酎の紙パックなどを用意していただいていたのだが、追加料金を申し受けるということになったみたい。支店の方によれば想定の範囲内だったとのことであるが。

Dscn3853パーティールームといえばガラス張りになっている球場が多い中、こちらはガラスもなく、隣ともパーテーションで区切られただけのオープンスペース。球場の夜風も、熱心な声援も(もうちょっと客が入ってくれればよかったのだが)、打球の音も直に伝わってくる。障害物もなくグラウンド全体を見渡すことができる。訪れた人も一同に「これはいいね」「素晴らしいです」と歓声を挙げていた。

最初に乾杯をして、後はテーブルで料理をつまむもよし、グラウンド寄りのベンチに腰かけて落ち着いて観戦もよし、立ち上がって応援もよし。楽しみ方も自由自在である。

Dscn3835この日の試合はカープがバリントン、中日が山内の先発。早い展開の投手戦が繰り広げられる。カープも3回だったかに先制のチャンスがあったのだが、ランナー東出がホームでタッチアウト。周りのパーティールームなどからも大きな歓声が上がったが一瞬にしてため息に変わる。

Dscn3864さらに6回には満塁と攻め立てるも、4番・栗原、5番・ニックが相次いで凡退。「カープは打てんけえね」「でもありゃあないわ」と、主砲の不甲斐なさにがっくりと。

Dscn3873えてして得点を許すのはこういうチャンスを逃した後で、その後の7回二死からの四球を足がかりに、谷繁が外野の前にポトリと落ちる先制打を放つ。これで1対0と中日が先制。何とも重い1点となった。

Dscn38817回裏にはパーティールームからもジェット風船が飛び、その後も1点を追いかける展開であるが9回にバッテリーエラーで追加点を献上。最後は私もスタンドから、ついいつもの大正ドームの感覚で「いてまえ~!」などと声援を送っていたのだが(何か、球団を間違えているような気も)、中日の誇る浅尾-岩瀬の前に万事休す。せめて得点を挙げて、「宮島さん」の合唱を聞きたかったのだが仕方ない。

Dscn3899最後は皆さんで「お疲れ様でした」ということで記念撮影し、その後は駅近くまで戻り二次会。さらには「せっかくなら」ということで有志で流川へ。こちらの店でも昔の顔に会い、向こうもびっくりした様子。

いろいろと交流を深めることができた今回の広島行きであったが、せっかくの機会、これからの仕事で生かすことができればなと思う。今回機会を与えていただいた職場の皆さんと、受け入れてくださった広島の皆さん、お会いした西日本地区の皆さん、本当にありがとうございました・・・・。

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