日中は道明寺の桜見物の後、午後から大正ドームに移動。本拠地開幕シリーズのオリックス・バファローズ対東北楽天イーグルスの第3戦。これまで1分1敗となかなか波に乗れないし、チームに本塁打は出ないし、金子、寺原という先発2枚が登録抹消ということでチーム状態もよろしくない。そんな中での、オープン戦も含めた今季初観戦である。
2階のコンコースではファンクラブの長期継続会員のネームプレートが掲示されている。今季1年間ということだが、五十音順で私の名前もこの中に見つけられる。公共の場に自分の名前が掲示されるのは北海道の旭川駅以来ということになるが、うれしいような照れるような。
内野の上段席に陣取り、今季からバファローズブルーに塗装変更されたフェンスに新鮮さを感じる。レストランもビュッフェ形式で楽しめるようになったとかで、これは「混戦BB会」でも体験したいところである。ただ、どうも客の出足がよくない。日曜日のナイター、おまけにデーゲームでは甲子園で試合があるということもあるのか。さすがに試合が始まったら上段もそこそこは埋まったが、外野上段は最後までガラガラだった。これもチーム状態なのかな。
そんな中、李大浩、高橋信二といったところの新戦力は存在感があるし、李大浩をナマで見るのは初めてだが、こうして見ると改めてデカイなと思う。T-岡田を含めたこのあたりで初本塁打が出るか期待したい。
さてオリックスの先発は木佐貫。昨年の開幕投手だが結局波に乗れず、今季も開幕ローテから外れた形になったが、寺原の穴を埋めるべく初登板である。試合前のファンには一抹の不安があったやに思うが・・・。それが的中したか初回先頭の聖澤にいきなり安打を許す。ただそこは強攻策の後続を何とかゼロでしのぐ。
一方、楽天の先発は今季加入の下柳。日本ハム、ダイエー、阪神と続いて4球団目。初回からコントロールよく老獪な投球を見せ、オリックスの攻撃をあっさりと退ける。
試合が動いたのは2回。先頭の李大浩が下柳への痛烈な当たり。辛うじてよけた下柳の横を抜けてセンター前へ。続く高橋、T-岡田にも連打が出て無死満塁のチャンス。
バルディリスは倒れたものの伊藤が犠牲フライを放ち、これで先制。しかし赤田が三振に倒れ、「無死満塁で犠牲フライの1点のみ」という、何とも消化不良な感じ。これが後々響かなければいいのだが・・・。
その不安を吹き飛ばしたのが続く3回、先頭の坂口が右中間へ。俊足を飛ばして一気に三塁を陥れる。そして大引の流し打ちヒットで追加点。早いうちに下柳を捕らえることができて少し明るさが出てきた。
2回以降の木佐貫は丁寧な投球が光る。楽天打線にそこまでの脅威がないのかもしれないが、ポンポンとストライクも取ってテンポよい投球である。味方の早い援護もあってのことだろう。回を追うごとにいい感じになってきた。
一方の下柳も4回以降は立ち直る。1打席目で痛烈な当たりを食らった李大浩の第3打席。またも痛烈なライナーが下柳を襲う。と、今度はこれをナイスキャッチ。韓国の強打者に相対するサムライの意地を見たようで、敵ながらあっぱれ。
それにしても、私が観戦する試合にしてはえらい早い展開で進み、その後は両チームとも得点がないまま終盤へ。試合前は木佐貫は6回まで、後はリリーフ陣に託するというのがベストの展開だったのだろうが、このまま投げ続けるようだ。こういう時はいつもの方程式にはめようとして流れを変えてしまうのではなく、押し切ってしまうほうがいいだろう。
そして迎えた9回。結局3人できれいに片づけ、わずか95球、無四死球での完封勝ち。エース2枚が不在という緊急事態にきっちりと答えを出してくれた。試合時間も2時間10分あまりということで、ここまで完璧な投手戦というのも久しぶりに観た。
お立ち台は完封の木佐貫と、先制点、そして好リードの伊藤のバッテリー。特に伊藤はプロ入り初めてのお立ち台という。昨年から着実に成長を見せる伊藤、この日も木佐貫から「上手くリードしてくれた」という言葉があり、本人にとっても自信になったことだろう。
これで負けムードも少しは払拭され、先発陣にもまた明るい見通しが出てきたと思う。ただ気がかりなのはこの日も本塁打が出ない打線。別に本塁打だけが野球ではないし、「主砲」として期待されて入団した李大浩にしても「本塁打を打つタイプではない」と言っているのだが、やはり野球の華であるし、チームに勢いをつける意味でもどこかでほしいところである(「開幕から本塁打なし」のプロ野球記録はどの程度のものだろうか)。
早く「一本」も見せてほしいものである・・・・。