まつなる的雑文~光輝く明日に向かえ

まつなる兄さんのよしなしごと、旅歩き、野球、寺社巡りを書きます。頼りなく豊かなこの国に、何を賭け、何を夢見よう?

指宿で砂に蒸される

2010年05月12日 | 旅行記H・九州

・・・・焼酎というのは飲みやすいが結構後に引くものと言える・・・。

5月2日夜、鹿児島は天文館で鹿児島の芋焼酎やら奄美の黒糖焼酎などを楽しみ、帰りのコンビニでは当たり前に並んでいる焼酎のワンカップに氷と水などを仕入れてホテルの部屋でやっていたこともあり・・・。

3日の朝、この日は鹿児島中央を6時20分に出る指宿枕崎線の列車で出発することを目論んでいたのだが、目覚めたのが6時。さすがにこれでは列車には間に合わない。目覚ましをかけていたのだけど・・・。

Dscn9365関西ではOAされない(関西でもOAしてほしい)テレ朝系「やじうまプラス」を見ながら支度を済ませ(この日は同じホテルに連泊なので日帰りモードの支度で)、出発。6時33分発の喜入行きに乗車する。

休日の朝の下りということで乗客は少ない。時折路面電車も並走する鹿児島近郊区間を気動車で走る。まったりした時間が過ぎる。

Dscn9368 この日の朝食は鹿児島中央駅のキオスクで購入した「肉巻きおむすび」。海苔の代わりに豚肉でごはんを巻いたおにぎりであるが、ボリューム感があっていける。レトルトのパックに入っており、温めたほうがおいしくいただけるようだが常温でも充分にいける。熱々でなく常温でも美味しくいただけるのが本当に美味しいおにぎりだと思うので。

途中から鹿児島湾沿いにでる。ものの本ではこの辺り、対岸に桜島を眺める車窓が美しいということでよく紹介されるのだが、この日は朝の光線の加減か、すぐ近くの海を見ることはできるのだが、対岸のほうはすっかり霞んでいて見えない。ちょっともったいないことをしたかなと思う。この日も晴天なのは間違いないのだから、帰りに光線が逆向きとなった時にまた乗ってみようか。

Dscn9370 喜入着。「喜び入る」ということでめでたい駅名である。ここで一度改札を出て駅前を少しぶらついた後、次の山川行きに乗車。普段は通学で使うのであろう、気動車の4両編成という豪華なもの。この日も部活の試合で来たとおぼしき高校生たちで結構乗車があった。

Dscn9376 指宿着。ここで下車する。ここで下車する目的といえばもちろん指宿名物の砂蒸し風呂である。こちらに入るのも久しぶりのことである。時刻は8時過ぎ、砂蒸し風呂の会館は1.5キロほど離れており、8時半の営業開始にはちょうどいい時間である。今朝列車を乗り過ごしたと書いたが、ここまで来れば少しの遅れも解消されたというものだ。

Dscn9377 ・・・・というわけで指宿駅から歩いて砂蒸し風呂の「砂楽」にやってきたのだが、何と8時半の営業開始を前にして、会館の入口から始まって階段を下りてさらにその先の道路沿いに亘っての大行列・・・・。前の道には駐車場への入場を待つクルマの列が数百メートルも続く。

うーん、GWのこととてある程度の混雑は覚悟していたが、朝一番からこの行列とはね。8時半になって営業開始となり、行列も少しずつ前に進むがなかなか館内にたどり着けない。さてこんな時に周りを見回すが、今朝の指宿枕崎線で指宿までやってきた客というのはほとんどいないのではないかと思う。おそらく前日に指宿に宿泊して、朝風呂代わりにやってきたが、クルマ利用ということで早い時間から動けた人たちか。鉄道旅行が好きな者としては少し残念な気もするかな。

Dscn9378 いろいろ考えごとをしたり、携帯電話をいじったりするがなかなか進まず、ようやく入口にたどり着いた時には行列から1時間を経過していた。それほどまでに人気なんやな、砂蒸し風呂。入口に「名誉館長」ということで、プロ野球元国鉄・巨人の金田正一氏の写真パネルが掲示されているが、カネやんがこの行列を見たらどう思うことやら(というか、なぜに故にカネやんが指宿で名誉館長になっているんだ・・・?ロッテ監督時代に何か関係あるのか?)。それにしても顔が若い。

9時半を回ったところで「ただいまから整理券をお渡しします」との案内。何でも、この先受付を済ませたとしてもロッカーは満杯、さらに砂蒸しにたどり着くまでにも行列が続くということで、せめて並ぶストレスを緩和しようということでの措置である。これで行列はさばけたが、その分、待合室には多くの入浴客が座る場所もままならない状態であふれかえる。その後で観光バスに揺られた団体客(よりによって何でこの混む時間にやってくるんや??)もやってきて、待合室はさながら食糧の配給を待つ難民キャンプのような様相である。

さて待つうち、ようやく私の持つ番号の順番になる。これで10時15分。結局、会館前で行列に加わってから1時間45分以上かかったことになる・・・・。

Dscn9379 砂蒸し風呂に入るにはまずロッカー室で下着まで全て取った上で、浴衣をまとう。そしてサンダルを履いて砂蒸しのところまで行くことになる。着替えたはいいがここでもまた行列である。浴衣をまとっているから当然砂蒸しの中では男女「混浴」ということになる。周りには浴衣姿の女性客の姿も結構見られるが、考えれば浴衣の下には何もつけていないんだよな・・・・。オホホ、そのせいかボディラインがくっきりして色っぽく見えて実にやらしい、もといよろしいですな・・・・。

・・・すんません、あまりの待ち時間にそんなことを思ったりしてしまいます。

Dscn9382 さて時計は10時30分、ここでようやく順番となり、砂蒸しのところに案内される。砂の上に横たわり、土木作業の方・・・もとい接客係の女性から砂をかけられる。それも順序があるようで、身体の外側からじわじわと埋められる感じ。無理やりに埋めるのではなく、かといってさらりと砂をかけるのでもなく、ほどよい重圧で身体を覆う。

聞こえるのは波の音。そして私の心臓の鼓動。砂に埋められてしばらくすると体内の脈が「ドック、ドック」と動くのを感じる。最初のうちは激しかったが、しばらくすると身体が慣れるのか、鼓動も少しずつ収まっていく。そしてジワッと温められる感触がする。

入浴の目安は10分というが、気持ちよくて2~3分オーバーしてようやく砂から脱出する。このまま砂をはたいて内風呂へ。それにしても、私の体格というのが実に「このまま出羽海部屋に行ってもおかしくないのでは?」というやつで、それに浴衣を着ようものなら「そろそろ夏場所やね」と言われるのではないかというくらい。それが内風呂を前に「ここで砂を落としてください」と言われて浴衣を取るというのは、正に大相撲の関取衆みたいなもの。そりゃいかんわいな・・・・。

内風呂でしっかり砂と汗を落とす。そうすると、先の砂と合わせて体全体の悪いところを吐き出したかのような感覚にもなる。いや~、実にさっぱりしました。

さて砂蒸しを後にして、順当な行程ではこの後指宿駅に歩いて戻り、山川行きの列車で山川に向かうところ。しかしタイミングが悪くてこのまま指宿駅まで向かえば間に合わなくなる恐れがあるため、ここは発想の逆転でタクシーで反対側の山川駅に向かう。こうすれば、列車で行くより時間短縮となる。反対側車線を埋めるクルマの行列はさらに伸びて、角を曲がった向こうまで続いている。この人たちはいつになれば駐車場にたどり着けるのだろうかと心配になる。もっとも、同乗者は先に降りて会館で整理券をもらっているだろうが、こういうところでも割を食うのは「お父さん」」である・・・・。

Dscn9389 東シナ海に面した漁港・山川。JR有人駅の中では最南端というのが駅のキャッチコピーであるという。駅前に海が広がっている。その中に多くのいかだが浮かぶ。指宿からのタクシーの運転手の話ではカンパチやハマチなどを養殖しているのだという。温暖な海というのが養殖には適しているとか。

Dscn9385Dscn9387 ここの窓口で、「JR日本最南端の駅」となる西大山駅の入場券やら、山川から西大山までの普通乗車券がセットになった記念乗車券を入手。さて、ここからがJR日本最南端の路線を走る指宿枕崎線の気動車の旅である・・・・。(続く)

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