吉村青春ブログ『津屋崎センゲン』

“A Quaint Town(古風な趣のある町)・ Tsuyazaki-sengen”の良かとこ情報を発信します。

2007年2月6日/〈日記〉89・〈国登録有形文化財〉の活用

2007-02-06 19:45:54 | 日記
写真①:明治の町家形式の商家・「津屋崎千軒民俗館『藍の家』」 
     =福津市津屋崎新町で、2007年1月27日午後4時41分撮影

「津屋崎千軒民俗館『藍の家』」を〝福津市での申請第一号〟に続き
 ――町並み保存に国登録有形文化財の活用を――


 きょうは、福津市・「津屋崎千軒」通りの活性化を図る「津屋崎千軒考え隊」が、先進地で視察してきた「国登録有形文化財」の活用について紹介します。

 「国登録有形文化財」は、平成8年(1996年)の文化財保護法改正で創設された〈文化財登録制度〉に基づき、文化財登録原簿に記載された有形文化財。従来の〈文化財指定制度〉が厳密な保存のためにあるのに対して、〈文化財登録制度〉は文化財を資産として活かし、〝緩やかに守る〟仕組みです。観光資源に利用してもよく、外観を変えなければ内部を改装してホテルやレストランに活用もできます。

 文化財登録の資格は、建築後50年を経た建造物のうえ、①特別な愛称などで地域の人に広く親しまれ、国土の歴史的景観に役立っている②デザインや設計が優れ、時代や建造物の種類の特徴を示している③建造技術や技能が容易に再現できない――など文化財として希少価値を認められる基準に当てはまることが必要です。

 登録されると、建物に「登録有形文化財 この建造物は貴重な国民的財産です 文化庁」といった表示のプレートが掲げられます。また、優遇措置として保存・活用に必要な修理の設計監理費の2分の1を国が補助し、敷地の地価税や家屋の固定資産税を2分の1に減税。このほか、相続財産評価額を10分の3控除され、改修などに必要な資金を日本政策投資銀行から低利で融資されます。

 福津市では、町並み保存対策のため、明治の町家形式の商家・「津屋崎千軒民俗館『藍(あい)の家』」=写真①=を市内初めての「国登録有形文化財」として文化庁へ年内に登録申請する予定です。『藍の家』は、市が建物を保存所有し、町興しグループのNPO法人「つやざき千軒いきいき夢の会」が展示施設として運営しています。「国登録有形文化財になることで、大切なものが残っているという価値を地域の人が誇りにしてもらえ、文化的な町並みを多くの人が訪ねるきっかけづくりにしたい」(市企画政策課)との狙いからです。

 「考え隊」員と福津市企画政策課長らが06年11月に視察した佐賀県鹿島市・長崎街道筋の宿場町「肥前浜宿(はましゅく)」には、宿場の建物「継場(つぎば)」など国登録有形文化財が6つあり、歴史的町並みの評価を高めています。隊員からも「町興しに文化財を活用した着眼がよく、ボランティアが文化財を活用して人が訪れる町づくりを実践している」と評価する声が出ていました。

 「考え隊」の第5回会議で、隊員から「市は『藍の家』のほかにも、登録有形文化財にする価値がある建物のリストも作るべきだ」との意見が出され、市が07年1月の第6回会議で示した〈津屋崎地区の現況マップ〉には国登録有形文化財候補にリストアップできそうな明治、大正、昭和時代の古い町家形式の商家、建物など約20軒が残されていることが分かりました。『藍の家』近くにある「河崎邸」=写真②=も、その一つ。元米屋で今は空き家ですが、江戸の風情を見せる土壁漆喰塗りの二階建てです。


写真②:江戸の風情を見せる土壁漆喰塗りの「河崎邸」
     =福津市津屋崎で、07年1月27日午後4時45分撮影

 津屋崎千軒通りの本町にある「さくら動物病院」=写真③=建物も、表通り側は病院に改装されていますが、荒物屋だった裏側は非常に重厚な印象の二階建てです


写真③:「さくら動物病院」に改装された表側に対し、裏側の重厚な二階建て
     =福津市津屋崎本町で、07年1月27日午後4時50分撮影

 明治創業の造り酒屋「豊村酒造」=写真④=は、『藍の家』とともに津屋崎千軒の町並みを今に伝える建物。「津屋崎千軒」通りの活性化には、観光拠点になっている『藍の家』だけでなく、「河崎邸」や漆喰壁に〈鏝(こて)絵〉の装飾が残る「松井邸」など周辺の貴重な古民家も「国登録有形文化財」に申請、同文化財の建物巡りができる国登録有形文化財の「点」を「線」に広げる〝回遊探訪ルートづくり〟も必要ではないでしょうか。


写真④:津屋崎千軒の町並みを今に伝える建物「豊村酒造」
     =福津市津屋崎新町で、07年1月27日午後4時48分撮影
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2007年2月6日〈福津市福間の野鳥〉001:ケリ

2007-02-06 04:36:57 | 福津市福間の野鳥

写真①:田んぼに舞い降りたケリ
     =福津市上西郷で、2007年2月5日午前8時53分撮影

 ※:きょう2007年2月6日から、〈津屋崎の野鳥〉の姉妹編として〈福津市福間の野鳥〉を収録します。旧福間町内の野鳥が対象です。旧津屋崎町が対象の〈津屋崎の野鳥〉を撮影しているうち、隣接の旧福間町内の野鳥と接する機会が多く、合併して同じ福津市の地域になっていることでもあり、〈福津市福間の野鳥〉のカテゴリーを新設しました。従来の〈津屋崎の野鳥〉のカテゴリーは、〈福津市津屋崎の野鳥〉とします。

 津屋崎には、冬鳥のタゲリ(チドリ科)は生息していますが、同じ冬鳥のケリ(チドリ科)はまだ見かけません。福津市上西郷の田んぼで2007年2月4日午後、そのケリの5羽の群れに初めて出合え、感動しました。何度か、車で田んぼのそばのアスファルト道路を走った際、ケリらしい野鳥が舞い降りる姿を目撃していたので、車を止めて観察して生息を確認できた次第です。5日朝も、5羽がこの田んぼ一帯で、餌を採っていました=写真①=。

 体長35㌢で、ハト大のタゲリ(体長31㌢)より大きい。雌雄同色で、頭と胸が灰色。腹部は白く、胸には黒い帯があります。脚は長く、黄色。嘴は黄色で、先端が黒い=写真②=。

 飛ぶと、とがった翼の先と尾羽の先が黒色で、背が褐色、他は白く、白と黒のツートンカラーが目立ちます。「ケリリ、ケリリ」と鋭い声で鳴き、ケリと名付けられています。


写真②:頭と胸が灰色、腹部は白、胸に黒い帯があるケリ
     =福津市上西郷の田んぼで、07年2月5日午前8時52分撮影
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