吉村青春ブログ『津屋崎センゲン』

“A Quaint Town(古風な趣のある町)・ Tsuyazaki-sengen”の良かとこ情報を発信します。

2017年5月6日〈エッセー〉055:「上田製菓」あす5月7日廃業

2017-05-06 20:48:15 | エッセー

 

写真①:江戸時代末期には営業していた「上田製菓」

     =吉村青春著『津屋崎学』93㌻゙に掲載の「第4節上田製菓」写真①から

 ・連載エッセー『一木一草』

 第55回:老舗和菓子店あす5月7日廃業

 さようなら! 和のスイーツ名店

福津市・〈津屋崎千軒〉の「上田製菓」閉店

  福津市津屋崎3丁目の〈津屋崎千軒通り〉にある江戸時代からの和菓子店・「上田製菓」=写真①=が、あす5月7日限りで廃業されます。徳川幕府に開国を迫った米使ペリーが浦賀に来航した江戸末期・嘉永6年(1853年)の翌7年(1854年)には営業していた老舗ですが、6代目店主の上田弘美さん(79)が体力的にきつくなっての店じまいで、163年の和菓子名店の歴史に幕が降ろされます。

  上田さん手作りの「破れ饅頭」(小豆餡)や「紅白饅頭」(白餡)など1個60円の饅頭が安くて旨いと人気。白餡に青海苔入りで磯の香りのする甘じょっぱい「恋の浦饅頭」=写真②=は、アカウミガメが砂浜に産卵のため上陸する玄界灘に面した福津市・「恋の浦」にちなみ、カメのイラストが焼き込まれており、観光客のお土産にお薦めの逸品です。昔は、丁稚奉公の菓子職人さんらもおり、店の隅には大正時代に使っていた法被を展示。また、上田さんご夫妻は座敷や家紋、江戸時代末期の手鏡、明治時代の漆塗りおぼんなども公開しており、〈津屋崎千軒〉観光の代表的な町家の一つでした。

  

写真②:カメのイラストが焼き込まれて人気の「恋の浦饅頭」(1個60円)

  5月5日、RKBテレビの番組「共感テレビ」で「5月7日、幕末から続く津屋崎の菓子店に幕」として放送され、6日は饅頭を買いに訪れる馴染み客が相次ぎ、昼前に売り切れの状態に。私が所属している福津市の町興しボランティア団体・「津屋崎千軒 海とまちなみの会」では7日午後2時、同市津屋崎3丁目の観光ガイド拠点事務所・「貝寄せ館」に会員が集合、会発足の平成19年から同会員の上田弘美さん、まさ子さん(78)ご夫妻の永年の労を労うとともに、この日で最後となる「恋の浦饅頭」を味わって、ご夫妻を囲んで記念撮影します。

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2 コメント

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Unknown (ガブリエル)
2018-11-17 19:07:38
はじめまして。福津市出身で東京に住んでいる30代男性です。宮地や津屋崎のことが気になってブログに見つけました。
ブログを拝見して、上田製菓は廃業してしまったのは残念です。津屋崎漁港に釣りに行ったときにまんじゅうやパンを買った思い出があります。
干潟側の塩務局の倉庫は屋根を付けて保存できたらいいですね。
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ガブリエルさんへ (青春)
2018-11-18 04:46:26
上田製菓さんは、私が津屋崎・宮司・福間の仲間とともに平成19年に23人で結成した福津市のまちづくりボランティア団体・「津屋崎千軒 海とまちなみの会」の会員(現在49人)です。11月17日、地域の宝を見詰め直す活動をと、旧熊本塩務局津屋崎出張所文書庫(通称・塩倉庫)の保存を願って、「馬鉄・塩田遺産を巡る津屋崎千軒フットパス」を初めて開催(ホームページhttp://www.tsuyazaki-sengen.com/index.htmlに掲載)しました。倉庫とともに豊村酒造の煙突・酒蔵の保存活用を目指しています。
 会員には、津屋崎出身で千葉県在住の男性2人や津屋崎ファンの愛知県在住男性もいます。年会費千円で活動を支援していただき、会報ニュース「はちがめ通信」をお送りしています。宮地浜「夕陽風景時計」も一口千円以上の寄付を全国の約2百人から寄せていただいた約40万円で平成26年に設置できました。帰郷の折には、ぜひご覧になってください。
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