写真①:『藍の家』前でロケ隊の撮影を遠巻きに見物の市民たち
=2014年10月11日午前11時35分撮影
・連載エッセー『一木一草』
第30回:「津屋崎物語」撮影終わる
NHK福岡放送局制作の「福岡発地域ドラマ」
『ここにある幸せ』の〈津屋崎千軒〉撮影が終了
NHK福岡放送局が10月初旬に制作を始めた平成26年度「福岡発地域ドラマ」で、松田翔太、宮本信子が主演の『ここにある幸せ』(津屋崎物語)の〈津屋崎千軒〉を舞台にした撮影が15日までにほぼ終了しました。
福岡県の小さな港町・福津市津屋崎にある古民家(津屋崎4丁目にある国登録有形文化財の「津屋崎千軒民俗館『藍の家』」=写真①=を舞台に設定)にある日、東京から立川浩幸(28歳。松田翔太役)が訪れます。過酷なノルマと人間関係に疲れ、営業の仕事を辞め、同棲していた彼女にも追い出され、自分の人生には何もないと意気消沈した浩幸は、転校して行った小学校時代の友人を思い出して訪ねたのです。だが、そこに住んでいたのはお茶目な花田福子(72歳。宮本信子役)でした。
浩幸を気に入った福子は、江戸時代から残る〈津屋崎千軒〉の古い町並み=写真②=や、国指定史跡・「津屋崎古墳群」、〝貝寄せの浜〟・「津屋崎浜」などへ連れて行き、自分の恋愛談や苦労話を冗談交じりに話しかけます。明るく幸せそうな福子に、浩幸は前向きに生きる力を得ていく――というストーリーで「津屋崎物語」は展開します。浩幸の「幸」と福子の「福」を合わせると「幸福」となることからも、幸せとは何か、生きる意味を問いかけるのがドラマのテーマですね。
写真②:〈津屋崎千軒〉の職人町・天神町(左端は「津屋崎千軒 海とまちなみの会」の観光ガイド拠点事務所・〈貝寄せ館〉
ドラマの中で、A Quaint Town Tsuyazaki-sengen”(古風な趣のある町・津屋崎千軒)の古い町並みに住む人たちの息づかいや、潮の香匂う港町の空気感がどう伝えられるか、楽しみです。「宮地嶽神社」参道石段から玄界灘を見下ろす絶景シーンも、登場しそう。NHKでは、古いものと新しいものが共にある町を舞台に、そこで昔から暮らす人々と新たにやってきた人々が互いに関わりあい、絆を深め、人と町が元気になってゆくヒューマンストーリーです」としており、 2015年1月16日(金)午後7時30分から、総合テレビの九州・沖縄管内での放送が待たれます。
『ここにある幸せ』(津屋崎物語)の放映で、〈津屋崎千軒〉に物見遊山やグルメを求める観光客がどやどやと訪れるのではなく、〝千軒っ子〟の人情に触れ合い、訪れて良かった、移り住むことにした、といった〝人の輪の波〟が広がるよう期待したい。