写真①:紅葉が美しい「宝満宮竈門神社」境内
=福岡県太宰府市で、2020年11月23日午前10時30分撮影
2020年11月23日午前、福岡県太宰府市の「宝満宮竈門神社」に参拝。漫画『鬼滅の刃』ファンの参拝客らで賑わう境内では、参道沿いの紅葉が見ごろを迎えていました=写真①=。
宝(ほう)満(まん)宮(ぐう) 竃門(かまど)神社
梅雨(つゆ)半ばの七月 太宰府市・竃門神社下宮(げぐう)
金色(きんいろ)の菊の御紋章が輝く拝殿脇で
手水所(ちょうずどころ)の清水(しみず)に身を清める
アケボノツツジのような清楚な匂いを残して
東京へ寂しく去った君との再会を願い
僕は水鏡に顔を映し
招(オガ)霊(タマ)の(ノ)木(キ)の芳香に祈りを託した
朝日に若葉が映える楠(クスノキ)の巨樹の梢で
ツキ、ヒ、ホシ、ポイポイポイ……
と 三光(サンコウ)鳥(チョウ)が明るい木霊(こだま)を還す
神武天皇御聖母 玉依姫(たまよりひめの)命(みこと)を祀る
延喜式内大社
宝満宮 竃門神社
七世紀の大宰府政庁 都府楼の誕生以来
鬼門の守り神として災厄を祓う
宝満山頂海抜八二九㍍の上宮(じょうぐう)に鎮座する
磐座(いわくら)から北方を眺めれば
縄文水田の筑紫平野はパノラマに広がり
博多湾に浮かぶ金印の志賀島から
遥か玄界灘の波濤に壱岐を望む
見よ その荒海は東京湾に続くか
心病み 苦い青春に苛まれた君の食を購う
汐留にそびえる高層ビルの影を映すか
あゝ 空翔ける
鷹渡りの日が来るまでに
吾が胸の熱き血潮よ
助太刀の役(えんの)小角(おづぬ)となり
時空を飛び越えよ
宝満宮 竃門神社
古(いにしえ)の九州総鎮守
万緑覆う魂の古里から
癒し 励ましの御霊(みたま)を与えよ
たおやかな君の身許(みもと)へ
(注 平成16年(2004年)7月の北展舎募集「人を恋うる歌」に津崎琢二名で応募した入選作で、同年11月の愛知出版刊の共著「詩集 四季の響き第二巻 自然からの贈り物 人を恋うる歌」に掲載。同18年(2006年)、新風舎文庫で発行の吉村青春第一詩集『鵲声』に収録)