クラシック音楽オデュッセイア

2009年の大病以来、月1回程度の更新ペース。クラシックに限らず、身の回りの事なども、気の向くままに書いております。

心電図検定2級の受検勉強に役立つ教材(2)【サイト編】

2021年04月05日 | 心電図検定
祝 ブログ創設6000日【2004年10月31日~2021年4月5日】!幾度も大きな病気をしながら、そして実質的に“開店休業”状態を続けていながら、よくまあ続いてきたと思う。

―ということで、早速本題。前回からの続き。今回は、心電図検定2級の受検勉強に使えるネットのサイトについて。

●太田君のWeb site ~心電図クイズ(全12問)

良問揃いで、2級受検の基礎確認に最適。サイト主さんは、「100問を目指す」という初志をお持ちだったようなのだが、実際には12問目の正解を書いたところで絶筆。何があったのだろう。内容がとても良いだけに、問題数の少なさが残念。

●弘前大学大学院医学研究科 循環器腎臓内科学講座 ~心電図クイズ(全16問)

これも問題数は少ないが内容は濃く、出題レベルも高い。まさに2級受検者向き。現病歴の説明が詳しいので、検定というよりはむしろ、特に若い医療従事者の臨床向け訓練に照準が合っているようだ。ただ、解答・解説を漫然と読み進めると、次の問いの答がいきなり見えてしまう作りになっているので、答え合わせの時は要注意。今回(第6回)の2級では、このサイトの問2の題材がズバリそのまま、そして問9と問11から類似の問題が出題された。また、今回は出ていなかった(と思う)が、問4の題材は検定の鉄板ネタ。

●医学の友社 ~トライ!12誘導心電図を読んでみよう(全158回)

問題図には患者の主訴も現病歴も全然書かれておらず、各種検査のデータ等も一切添えられておらず、ただ無言で心電図だけが突きつけられる。・・そんなぶっきらぼうな出題とは対照的に、解説ページの方はかなり親切。各回、丁寧に順を追ってチェック・ポイントを教えてくれる。それと、基本的な問題ばかりではあるけれど、ペースメーカーの心電図も相当数出てくる。とりあえず慣れるという点では、好適。

レベル的には、3級受検者が解けそうな問題もある。しかし、2:1伝導の心房粗動、右胸心、PACの2連発、一見PVCみたいな心室補充収縮、そして間欠性のWPW症候群等、ハイレベルな問題も多いので、全体的には2級受検者向きと思われる。実際、第40回の肢誘導ネタや第91回の胸部誘導ネタが、今回の2級で出題された。第89回と第141回にそっくりな物も出ていた。あと、複数の正解を持つ出題例として、第131回の題材も出た。この131を見て思い出すのは、本番の試験で、「当てはまるものを2つ、選びなさい」という設問が時々、不規則な形で混じって出ていたということ。そこでは当然マークシートを2ヶ所塗ることになるわけだが、見直す時間の余裕がなかった人の場合、「1つだけ回答して次に行ってしまい、×採点にされた」という残念なパターンがあったんじゃないかという気がする。試験日が近づいてきたら、回答スピードも意識した勉強をするのが吉であろう。(※余談ながら、第154回のような心電図で副伝導路の位置を推定させるのが、典型的な1級の問題というところか。)

●日本不整脈心電学会サイトの心電図クイズ(2009年10月~2018年9月。全58問)

さすがに検定主催の御本家サイトらしく、手の込んだ多彩な設問が並んでいる。一例を挙げるなら、有名なブルガダ症候群。今回(第6回)の2級に出題された同疾患は、パッと見てすぐにその危険性が伝わってくるcoved型だったが、このサイトでは1肋間上でのとり直しや、ピルジカイニド負荷試験を行なった結果の心電図を並べ、学習者に比較検証を促す問題が出ている。これは同疾患に対する見識を深める上で、非常に有益である。2017年2月、2010年6月第1&2回、2010年5月第1&2回の問題など、今回の検定でズバリ出題された物もある。あと、2010年2月の回では、前記事の【書籍編】と同様に、「よく知られた題材を巡って、意外な角度から攻められる」という刺激的な体験を楽しむことができる。

―次回は、シリーズ最終回。YouTube動画編。
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