今日10月31日は、当ブログの誕生日である。2004年のスタート以来、満8年が経ったことになる。しかしまあ、年月とは様々な変化をもたらすものだなあと、つくづく思う。開始当初と今を比べたら、私自身の健康問題もさることながら、世の中全体の様子も随分と変わった。悪しき政権交代は、ノンポリ・クラヲタだった私に大きな意識の変革をもたらした。クラシック系のブログを見に行くことはもう殆ど無くなり、そのかわり政治関連のまとめサイトやブログ、あるいはツイッターなどをあちこち読み歩くような状況になった。
さて、先頃も書かせていただいたことなのだが、最近はネットを見ながらクラシックの「ようつべ」音源をBGMみたいにして流すことが多くなってきている。そこで気がつくのは、動画サイトYouTubeに載せられているクラシックの音源が8年前に比べて格段に充実しているということだ。かつて当ブログで取り上げたレア物系の作品が、今はどれも普通に投稿されていたりするのである。紹介されている演奏が良い物であるかどうかは別として、「とりあえず、それがどんな曲なのか」を知るだけのことだったら、CDを頑張って探さずとも、ネットの動画サイトで簡単にできるようになった。まさに隔世の感あり、である。たとえば<マヤの夜>にしても、交響曲<日本の城>にしても、あるいは<ショーロス第10番>にしても、もはや当時のように言葉を尽くして面白おかしく練り上げた記事を書くことは、とてもできないだろうなと思う。あれこれ能書きを並べるよりも、「これは面白い曲ですよ。動画サイトで聴けますので、どうぞ」と該当ページのURLを貼れば、それでもう済んでしまいそうだから。
そう言えば、当ブログで幾度か記事の材料にさせてもらってきたFM番組『20世紀の名演奏』で、去る5月27日(日)、ジョン・オグドン(John Ogdon 往年のイギリスの名ピアニスト)が紹介された。それをMDに録音しておいて約5カ月放置した後(笑)、先日ようやくプレイバックを聴いた。独特のごつさと硬質な輝きを持つ強靭な打鍵で、特にグリーグの<ピアノ協奏曲>を楽しく聴かせてもらった。若いエネルギーが全開バリバリで、オーケストラも充実している。それまでオグドン氏は、「本で見て顔と名前だけは知っていながら、一度もその演奏録音を聴いたことのないピアニスト」の一人だった。そんな事情もあって、件(くだん)のエアチェックMDを私は興味深く聴いたのだった。
その後、「オグドン以外にもまだ、演奏を全然聴いたことのないピアニストが何人かいるんだよな」と思い、そこで考えついた名前を2人ほど検索してみた。そしたら、見事にヒット。ギャリック・オールソン(Garrick Ohlsson)と、イワン・モラヴェッツ(Ivan Moravec)。“野球のグローブみたいな、巨大な手を持つ”と言われた大男のオールソン氏が、実は思いがけずしっとりしたショパンを弾く人だったことを、今頃になって初めて知った。あと、スペインの名手ラファエル・オロスコ(Rafael Orozco)も発見。この人については、エド・デ・ワールトと共演したラフマニノフの<ピアノ協奏曲全集>をひと頃CDで持っていたけれども、「ようつべ」では彼が弾いたショパンやリスト等の作品を聴くことができる。これもなかなか貴重なものである。
―今回は、これにて。
さて、先頃も書かせていただいたことなのだが、最近はネットを見ながらクラシックの「ようつべ」音源をBGMみたいにして流すことが多くなってきている。そこで気がつくのは、動画サイトYouTubeに載せられているクラシックの音源が8年前に比べて格段に充実しているということだ。かつて当ブログで取り上げたレア物系の作品が、今はどれも普通に投稿されていたりするのである。紹介されている演奏が良い物であるかどうかは別として、「とりあえず、それがどんな曲なのか」を知るだけのことだったら、CDを頑張って探さずとも、ネットの動画サイトで簡単にできるようになった。まさに隔世の感あり、である。たとえば<マヤの夜>にしても、交響曲<日本の城>にしても、あるいは<ショーロス第10番>にしても、もはや当時のように言葉を尽くして面白おかしく練り上げた記事を書くことは、とてもできないだろうなと思う。あれこれ能書きを並べるよりも、「これは面白い曲ですよ。動画サイトで聴けますので、どうぞ」と該当ページのURLを貼れば、それでもう済んでしまいそうだから。
そう言えば、当ブログで幾度か記事の材料にさせてもらってきたFM番組『20世紀の名演奏』で、去る5月27日(日)、ジョン・オグドン(John Ogdon 往年のイギリスの名ピアニスト)が紹介された。それをMDに録音しておいて約5カ月放置した後(笑)、先日ようやくプレイバックを聴いた。独特のごつさと硬質な輝きを持つ強靭な打鍵で、特にグリーグの<ピアノ協奏曲>を楽しく聴かせてもらった。若いエネルギーが全開バリバリで、オーケストラも充実している。それまでオグドン氏は、「本で見て顔と名前だけは知っていながら、一度もその演奏録音を聴いたことのないピアニスト」の一人だった。そんな事情もあって、件(くだん)のエアチェックMDを私は興味深く聴いたのだった。
その後、「オグドン以外にもまだ、演奏を全然聴いたことのないピアニストが何人かいるんだよな」と思い、そこで考えついた名前を2人ほど検索してみた。そしたら、見事にヒット。ギャリック・オールソン(Garrick Ohlsson)と、イワン・モラヴェッツ(Ivan Moravec)。“野球のグローブみたいな、巨大な手を持つ”と言われた大男のオールソン氏が、実は思いがけずしっとりしたショパンを弾く人だったことを、今頃になって初めて知った。あと、スペインの名手ラファエル・オロスコ(Rafael Orozco)も発見。この人については、エド・デ・ワールトと共演したラフマニノフの<ピアノ協奏曲全集>をひと頃CDで持っていたけれども、「ようつべ」では彼が弾いたショパンやリスト等の作品を聴くことができる。これもなかなか貴重なものである。
―今回は、これにて。