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鐘楼と鐘撞き居宅修繕のこと - 駿河古文書会

(散歩道のボケの花 2/6撮影)

ソチの冬季オリンピックが始まり、今日、日本は全国的に雪で東京でも17センチの積雪だという。雪の無いのは静岡県の中西部地区、浜松、靜岡間だけでであろう。当地は朝から雨で夕方まで降り続いた。

昨日午後、靜岡の駿河古文書会に出席する。昨日のテーマは「萬留帳」である。駿河の府中96町を、廻番の3人の年行司が管理していた。本件は分時鐘の鐘楼と鐘撞き居宅が壊れたので、その修繕の費用を集める話である。

負担の同意を得るために丁頭の寄合を持ったところ、代理の出席が多かったので、翌日、異存のある丁頭は自身で出席するように求めた。テキストはその後の顛末が年行司の控えとして記されいる。

呉服三丁目、同二丁目、同壱丁目、茶町弐丁目、土太夫町、安西弐丁目、本通六丁目
右七町へ申し遣し候えば、何れも思し召し入れはこれ無く、判形致され候。
右の内、庄左衛門殿は、心違いにて御座候由、これ又判形致され候事。
右の通り、残らず相違これ無く候間、廿八日、御月番様へ委細申し上げ候。

廿九日、仰せ渡され候は、殿様へ仰せ上げられ候由、弥(いよいよ)普請請負の者へ申し渡すべき旨、仰せ付けらるべく候間、則、請負方、両替町三丁目彦四郎、紺屋町孫七、右両人へ申し渡し證文、取り置き候事。

一 かねつき両人より、證文これを取り候。これは前々これ無き事に候えども存じ寄りこれ有り、御月番様へ窺い、右の通りにいたし候事。

一 三月三日、先御月番、市左衛門様、治部右衛門様、仰せ渡され候は、つき
かね撞木損じ候由、前々、御城代様より、かねつき方へ下され候ゆえ、その趣、信濃守様御役人衆へ、数度願い候由、この度は下されず候旨、これにより、御月番様より右御役人衆へ、御手紙遣わされ候へども、兎に角、下され難き義に付、その趣、御返事御座候由、前々の訳、御聞き合わせ成られ候所に、先御城代、三枝摂津守様御代、御有り合わせ候に付、右撞木壱本下され、その後、当信濃守様よりも下し置かれ候。例と申す義にては御座なく候。
※ 撞木(しゅもく)- かねつき棒。

右御断り在る上は、達って仰せ遣わさるべく様これ無く、外に出し申す所も御座なく候えば、殿様御意成られ候は、重々世話に候えども、当年行事へ申し付け、町中入用の内へ差し加え、修覆壱所の入用に仕るべき旨、仰せ渡され候。

少分の事に御座候間、町中へ相談に及ばず候。右三十銭割、はつ/\に候。その上、右撞木の義これ有り候間、かたがた、三十壱銭集め、組合相談にて申し触れ候筈にいたし候事

(明日へ続く)
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