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駿府町奉行の交替 - 駿河古文書会

(黒田代官屋敷梅園)

菊川市、旧小笠町の黒田代官屋敷の梅が見頃と聞いて、女房と出掛けた。屋敷内の梅園が無料で見せてもらえるという。およそ一時間ほど観梅した。紅梅は少し早いのか、見ごろは過ぎて、今は白梅が盛りであった。黒田代官屋敷については、後日また紹介しよう。

駿河古文書会のテーマ、「萬留帳」の続きである。今日の部分では、駿府町奉行の交替があると、町方の月行持たちがどのように関わったのかが解って面白い。

一 村瀬伊左衛門様、御病気に就き、御役御免、御願い成され候処、七月九日、御願い候通り、仰せ出され候由、十一日御番所において仰せ渡され、町触れ致し候。惣丁頭御番所へ罷り出に及ばざる段、相触れ候事。

一 伊左衛門御跡、津田外記様へ、七月廿六日、仰せ付けられ候て、信濃守様へ、御奉書御到着の旨、廿七日御番所に於いて、仰せ渡され、則ち、町触れ致し候。御祝義のため、惣丁頭御番所へ罷り出候事。
※ 信濃守 - 青山信濃守。時の駿府城代。

一 廿八日、雷電寺に於いて寄り合い、外記様へ御祝儀のため、先規の如く、年行持の内、壱人(江戸へ)罷り下り候筈、右入用、前格の如く、壱軒役八文ずつ集め候筈に、申し合わせ候事。

一 外記様へ、御祝儀のため、御組より、原田只右衛門殿、田崎直右衛門殿、八月四日、御立ち候事。

一 町中惣名代として、本通五丁目五郎兵衛、五日に発足。九日、原田只右衛門殿御同道にて、外記様へ罷り出候処、八時参り候様に、御用人衆仰せ渡され、八時参り候処、御目見え仰せ付けられ、町中の儀ども、御尋ね遊ばされ、御懇ろの御意ども御座候。
※ 発足(はっそく、ほっそく)- 出発すること。

伊左衛門様御参府候後、外記様駿府へ御越し遊ばされ候までは、余程の内、御役所の明き候間、万端、別して心付け、第一、火の元大切に仕るべき旨、罷り帰り候節、惣町中へ申し達し候様に、御直(じき)に仰せ渡され候。御次へ退去、御料理下しされ候。江戸表用事、相済み次第、勝手に任せ、発足仕るべき旨、御用人衆仰せ聞けられ候。

但し、生干し肴一箱持参、先規の如く、御受納遊ばされ候。御家老衆、御用人衆への土産、御断りにて候趣、成られず候。村瀬伊左衛門様へ御肴一折持参、御別れ申し上げ候事。十四日江戸発足仕り候に付、十三日外記様へ御届け申し上げ、十四日罷り立ち、十七日の夜、罷り帰り候。

一 八月十九日、雷電寺に於いて寄り合い、外記様へ惣名代の御祝義相勤め候儀、御意の趣ともに、申し渡し候事。
 附(つけた)り、年行持より相触れ候町中、集銭未進の分、右一応承り届け、相済まず候わば、御月番様まで申し上げ候様にと、丁頭中申し合い候事。
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