【来場者A】 もう一つ、質問があります。現在農地が空いております。この農地に米をなぜ作ることができないのか。沖縄の方では、砂糖からアルコールを取って自動車を動かそうとしています。実際、海外では、サトウキビからアルコール燃料を使って自動車を動かしている国があります。
従って、日本人は、米を作ってアルコールを取って自動車を動かせばいいのではないかと思います。現在はコストが掛かると思いますが、農地を荒廃させるようなことをしないで、農地を水田にすることによって、地球上の温暖化を防ぐことができるわけです。そういう対策を取っていただけるようお願いします。
【司会】 ご来賓の長野県県会議員・本郷一彦先生、お話を伺ってよろしいでしょうか。
【本郷県議】 今、お話がありました問題は、非常に深い問題です。遊休荒廃地という行政用語がありまして、長野県は全国でトップクラスの遊休荒廃地があり、増加傾向が続いております。
長野県は、かつては農業立県でした。農業生産額はピーク時には4300億円で、全国でトップクラスでしたが、現在は、2700億円まで落ちております。関東農政局の統計では、2200億円にまで落ちているだろうと言われていますので、実は深刻な問題です。
もう一点は、担い手、後継者ですが、現状では危機的な環境にあります。昭和一桁生まれの方々がもし農業の現場を離れれば、日本の農業は壊滅するだろうと言われています。
また、農水省はそれぞれの地域の方々の零細な農業よりもむしろ農業を法人化して、大規模経営に重点を置く方向に傾斜しており、農業は長野県に限らず、今最大の危機を迎えています。
日本の真の国益を考える中、多くの難問を抱える日本農業の歴史的転換期の今、食料問題、エネルギー問題は、安全保障にとって最も重要な課題です。
輸入農産物の急速な増大を深刻に受け止め、日本農業の再生と自立のため、国民全体が共通の危機意識を持つことがぜひとも必要であります。
【司会】 大きな問題提起を頂きました。農業危機という大変な状況にあるということを伺いましたが、細川さん、さまざまな要素の内在するこの問題について、いかがでしょうか。
【細川】 非常に深刻な問題だと思います。これを突き詰めますと、戦後の日本人が経済中心、もの中心の考えに陥って、生命や健康を軽視する考えになっていることが、農業や食の問題にも出ているのだと思います。
現在、日本人の食料自給率は、カロリベースで40%程度です。皆さんが毎日食べている食べ物の60%は、外国からわざわざ買っているわけです。では、買ってきた食材を無駄なく活用しているかというと、そうではないのです。食品廃棄物が膨大な量になり、年間で2000万トンといいます。お金に直しますと、11兆円も捨てているのです。わが国の農業生産物の総額に匹敵する金額です。国内で作っている農産物と同じくらいの額の食品を捨てているわけで、非常に大きな矛盾を生んでいます。もったいないことです。
先ほど申しましたように、あまりにも私たちの考え方が経済中心、もの中心に傾きすぎてしまって、生命や健康のあるべき姿を見失っているのが原因だと思うのです。
食育ということを言い、食に関する知識とか判断力、あるいは健康な食生活を送る習慣を養う教育をようやく始めたわけですけれども、これは国の在り方を根本から立て直さなくてはいけないくらいの問題だと思います。
そして、私たち日本人のものの考え方を反省し、日々の生き方を改めていかないと、根本的な問題解決にはならないだろうと思います。
次回に続く。
従って、日本人は、米を作ってアルコールを取って自動車を動かせばいいのではないかと思います。現在はコストが掛かると思いますが、農地を荒廃させるようなことをしないで、農地を水田にすることによって、地球上の温暖化を防ぐことができるわけです。そういう対策を取っていただけるようお願いします。
【司会】 ご来賓の長野県県会議員・本郷一彦先生、お話を伺ってよろしいでしょうか。
【本郷県議】 今、お話がありました問題は、非常に深い問題です。遊休荒廃地という行政用語がありまして、長野県は全国でトップクラスの遊休荒廃地があり、増加傾向が続いております。
長野県は、かつては農業立県でした。農業生産額はピーク時には4300億円で、全国でトップクラスでしたが、現在は、2700億円まで落ちております。関東農政局の統計では、2200億円にまで落ちているだろうと言われていますので、実は深刻な問題です。
もう一点は、担い手、後継者ですが、現状では危機的な環境にあります。昭和一桁生まれの方々がもし農業の現場を離れれば、日本の農業は壊滅するだろうと言われています。
また、農水省はそれぞれの地域の方々の零細な農業よりもむしろ農業を法人化して、大規模経営に重点を置く方向に傾斜しており、農業は長野県に限らず、今最大の危機を迎えています。
日本の真の国益を考える中、多くの難問を抱える日本農業の歴史的転換期の今、食料問題、エネルギー問題は、安全保障にとって最も重要な課題です。
輸入農産物の急速な増大を深刻に受け止め、日本農業の再生と自立のため、国民全体が共通の危機意識を持つことがぜひとも必要であります。
【司会】 大きな問題提起を頂きました。農業危機という大変な状況にあるということを伺いましたが、細川さん、さまざまな要素の内在するこの問題について、いかがでしょうか。
【細川】 非常に深刻な問題だと思います。これを突き詰めますと、戦後の日本人が経済中心、もの中心の考えに陥って、生命や健康を軽視する考えになっていることが、農業や食の問題にも出ているのだと思います。
現在、日本人の食料自給率は、カロリベースで40%程度です。皆さんが毎日食べている食べ物の60%は、外国からわざわざ買っているわけです。では、買ってきた食材を無駄なく活用しているかというと、そうではないのです。食品廃棄物が膨大な量になり、年間で2000万トンといいます。お金に直しますと、11兆円も捨てているのです。わが国の農業生産物の総額に匹敵する金額です。国内で作っている農産物と同じくらいの額の食品を捨てているわけで、非常に大きな矛盾を生んでいます。もったいないことです。
先ほど申しましたように、あまりにも私たちの考え方が経済中心、もの中心に傾きすぎてしまって、生命や健康のあるべき姿を見失っているのが原因だと思うのです。
食育ということを言い、食に関する知識とか判断力、あるいは健康な食生活を送る習慣を養う教育をようやく始めたわけですけれども、これは国の在り方を根本から立て直さなくてはいけないくらいの問題だと思います。
そして、私たち日本人のものの考え方を反省し、日々の生き方を改めていかないと、根本的な問題解決にはならないだろうと思います。
次回に続く。
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