ほそかわ・かずひこの BLOG

<オピニオン・サイト>を主催している、細川一彦です。
この日本をどのように立て直すか、ともに考えて参りましょう。

首都地震いつ起きても不思議なし

2012-04-01 08:37:17 | 地震
 今年に入って、首都圏における地震の予測が、次々に発表されている。私は2月12日の拙稿「南関東地震の発生確率高まる」、同月29日の拙稿「首都圏で震度7の可能性が」で、その点について書いた。
http://blog.goo.ne.jp/khosogoo_2005/e/d4e4981cf8f0916a1257711f1292b787
http://blog.goo.ne.jp/khosogoo_2005/e/2f6ef3c47ef4c19b0222addfa785c1d9
 3月7日、文部科学省の特別プロジェクト研究チームは、マグニチュード(M)7程度の首都直下地震について「いつ発生しても不思議ではない」と発表した。また、首都直下地震のひとつである東京湾北部地震の揺れは、従来想定の震度6強を上回る震度7との推定を正式に公表した。首都圏の地下に沈み込むフィリピンプレートと陸側プレートの境界部が従来の想定より約10キロ浅いことが判明したためである。
 この研究プロジェクトには、東大地震研究所、京都大防災研究所が参加している。東大地震研のチームは1月24日、南関東でマグニチュード7クラスの地震が発生する確率は、「今後4年以内に約70%に達する可能性がある」という試算結果を発表した。2月5日には、再計算の結果、「4年以内に50%以下」と発表した。京大防災研は2月1日、「5年以内に28%」という試算を発表した。このように独自に研究結果を発表してきた両研究所が、今回の文部科学省の研究プロジェクトに加わっていたわけである。
 これまで、政府の中央防災会議は、M7クラスの首都直下地震の発生確率を「30年以内に70%」としてきた。今回の文部科学省の研究チームは、確率について発表してない。試算結果がまとまっていないのか、それとも何か社会的な配慮で発表を控えているのか分からないが、2月の東大地震研・京大防災研それぞれ発表をもとに考えると、「4~5年以内に30~50%」という数字になりそうである。
 3月26日、新たに房総半島南端から南東に百数十キロ以上離れた太平洋の海底に、長大な2つの活断層が存在することが分かったと報道された。長さは160キロと300キロ以上で、一度にそれぞれの断層全体が動けば、いずれもマグニチュード(M)8~9の地震を起こす可能性があるという。
 続いて、3月30日、文部科学省は、東京都23区東部や神奈川県の一部で震度7になる可能性があるとする震度分布図を公表した。想定より約10キロ浅いことが判明したプレートの境界部で起きる東京湾北部地震を対象に、揺れの強さと範囲を試算したものである。震源地を千葉県浦安市と仮定した場合、震度が7になるのは、東京都江戸川区や大田区、神奈川では川崎市の南部などが該当するとみられる。震度6強の地域も、国の中央防災会議の想定より広がり、都内の西に広がり、千葉や神奈川、埼玉の各県にも及ぶという結果になっている。これまで中央防災会議が想定してきた東京湾北部地震の死者想定数は1万1千人だが、今後被害想定が見直されるだろう。数倍、数十倍に増加するのではないか。
 首都圏直下型地震は、近いうちにいつか起こる。対策強化を急がねばならない。また最近の各種発表では、東海地震は30年以内の発生確率が87%から88%に上がった。南海トラフ巨大地震は、東海・東南海・南海の3地震が連動した場合の想定震源域が従来の約2倍に拡大され、想定される地震の規模がM9・0に引き上げられた。津波は最高34・4メートルにもなるという発表がされた。
 日本人の英知を結集して、来るべき巨大地震に備えよう。それをなし得るかどうかは、国民の精神にかかっている。家族と仲間、ふるさとと日本を守るために、各自のできることを尽くそう。

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●産経新聞 平成24年3月7日

http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/120307/dst12030714250010-n1.htm
首都圏の地震、大震災前の3倍に増加 文科省「M7いつ起きても…」
2012.3.7 14:22

 首都直下地震が想定されている南関東の地震活動が東日本大震災後に活発化し、地震の発生頻度は現在も大震災前の約3倍と高い状態となっていることが7日、文部科学省の特別プロジェクト研究で分かった。研究チームはマグニチュード(M)7程度の首都直下地震について「いつ発生しても不思議ではない」としている。
 南関東で起きたM3以上の地震の数を大震災の前後半年間で比較したところ、大震災後は約7倍に増加。徐々に減少しているが、現在も約3倍で「地震災害発生リスクは現在も高い」との見解を示した。
 国はM7程度の首都直下地震の発生確率を30年以内に70%としている。研究チームは確率がどの程度上昇したかは示していない。(略)
 研究プロジェクトには東大地震研究所、京都大防災研究所、防災科学技術研究所(茨城県つくば市)が参加した。

●産経新聞 平成24年3月9日

http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/120309/dst12030903040002-n1.htm
【主張】
東京湾北部地震 首都機能の分散議論急げ
2012.3.9 03:03 [地震]

 (略)首都の「震度7」にどう備えればいいのか。(略)震度7の揺れは「自分の意思で行動できない」(気象庁)とされ、これまで以上の対策が必須になる。
 家庭では、家具の固定や最低限の食料と水の備蓄、避難路や家族との連絡方法の確認など「できることはすぐやる」契機としたい。一方、国や自治体は中長期的な視野で「地震に強い首都圏」の構築に向けて防災対策を強力に推進しなければならない。
 「首都直下地震」は1つの地震を指すのではなく、南関東のどこかで起こるM7級地震の総称だ。中央防災会議は東京湾北部を含めて18カ所もの震源を想定、プレート境界型や活断層を震源とする内陸直下型など種類も複数ある。
 正体も場所も特定できない。その上に、「いつ起きてもおかしくない」とされる。防災上は極めてやっかいな地震だ。(略)
 最大震度が6強から7になっても、防災上の最優先課題が家屋や地域の耐震化であることは変わらない。また、木造住宅密集地などでは防火対策も欠かせない。
 「明日起きるかもしれない」という切迫感は、家屋の改築や地域再開発のように時間と費用を要する対策を躊躇(ちゅうちょ)させる側面もある。将来を見据えた町づくりの推進には、政府を頂点とする行政の周到な準備と指導力が不可欠だ。
 中央防災会議の試算では、首都直下地震の経済的損失は112兆円にものぼる。政治、経済の中枢機能をいかに守るかは日本の将来にもかかわる重要な課題だ。
 東京一極集中の危険性はかねて指摘されてきた。首都機能の分散・移転やバックアップ体制構築など政府を挙げてリスク分散に向けた議論を早急に進めるべきだ。

●産経新聞 平成24年3月30日

http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/120330/dst12033019280009-n1.htm
【直下地震想定】
東京、神奈川で震度7も 首都圏の揺れ分布図公表
2012.3.30 19:27



 首都直下地震の一つ「東京湾北部地震」で予想される震度を分析している文部科学省のプロジェクトチームは30日、東京都23区東部や神奈川県の一部で震度7になる可能性があるとする震度分布図を公表した。
 分布は震源をどこに想定するかで異なるが、チームは3通りに分けて試算。東京や神奈川で震度が7になるのは、震源を東京都と千葉県の境付近の東京湾とした場合で、このとき震度7になる地域が最も目立つ。
 チームは、東京湾北部地震はあくまでも仮定の地震とした上で、市区町村ごとの震度については「精度が足りない」などとして言及を避けた。
 ただし、分布図によれば、東京の江戸川区や大田区、神奈川では川崎市の南部などで震度7となる地域に含まれている。
 震度6強の地域も、国の中央防災会議の想定より広がり、東京だけでなく千葉や神奈川、埼玉の各県にも及ぶ結果になった。
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