ほそかわ・かずひこの BLOG

<オピニオン・サイト>を主催している、細川一彦です。
この日本をどのように立て直すか、ともに考えて参りましょう。

日本の大黒柱・安倍元首相が殺害される4

2022-07-14 19:08:45 | 時事
●個人的怨恨が統一教会から安倍氏へ(続き)

20220712
<報道>
 日テレNEWSの番組より。

―――――
「“統一教会”の問題は今も」弁護士が会見 “3億円以上被害”主張も

 安倍元首相の銃撃事件を受け、12日、「世界平和統一家庭連合」いわゆる“統一教会”のトラブルに対応してきた弁護士たちが会見を開きました。弁護士らは「問題は今も続いている」と指摘し、去年もあわせて3億円以上の被害相談が寄せられたといいます。

     ◇

 12日午後5時半すぎ、「世界平和統一家庭連合」いわゆる“統一教会”のトラブルに対応してきた弁護士たちは次のように述べました。

全国霊感商法対策弁護士連絡会 川井康雄弁護士
 「山上容疑者が安倍晋三元首相を死に至らしめた今般の卑劣きわまりない行為は、いかなる理由があろうとも決して許されないことです」

 安倍元首相襲撃事件で逮捕された山上徹也容疑者は、母親による教団への多額の寄付で「家庭生活がめちゃくちゃになった」と主張しています。
 川井弁護士は、「山上容疑者の母親が統一教会に多額の献金をし、家庭を崩壊させられたことへの恨みが、今回の事件の動機であるという報道が事実だとすれば、同被疑者が母親の常軌を逸する統一教会への献金をはじめとした忠実すぎる活動のため、どんなに苦しんできたことか」と教団の献金などの活動を非難しました。

     ◇

 11日の会見の中で、世界平和統一家庭連合の田中富広会長は、「過去、献金に関してトラブルがあったということは、報道関係者のみなさまも周知の事実かと思います。2009年以降の案件で、そのようなトラブルはありません」と述べていました。
 しかし、弁護士らは「問題は今も続いている」と指摘しました。

全国霊感商法対策弁護士連絡会 山口広弁護士
「きのうの記者会見では、あたかも他人事(ひとごと)のように言ったうえで、『その後の献金はありません』(と言ったが)おそらく献金させてます。借金させても献金させます」

 弁護士らによると、「去年もあわせて3億円以上の被害相談が寄せられた」といいます。
 さらに、この弁護士会は次のように主張しました。

全国霊感商法対策弁護士連絡会 渡辺博弁護士
 「現在でも同じような形、全ての財産は神様。『全てささげなさい』というのが残念ながら統一教会の教えですから、その結果、家庭崩壊になってしまうということです。一つだけもってきたんですが、単なる本なんですが、“統一教会”がいくらで信者に買わせるかと言ったら3000万円。こんな普通の本が3000万円。常識外れです」

 また、「安倍元首相がメッセージを送った団体は“統一教会”と実態は同一だ」と主張しました。

20220713
<報道>
 デイリー新潮の記事より。

―――――
「統一教会」から5千万円返還させていた……「山上容疑者」が抱えていた教団との金銭トラブル 「ネグレクトどころではない」伯父が証言

 安倍晋三元首相を銃撃し逮捕された山上徹也容疑者(41)は、母の統一教会への傾倒を犯行の動機として語っている。その凄絶な生い立ちを山上容疑者の伯父が証言する。
 山上容疑者には、兄と妹がいる。母は統一教会を信仰する以前に、実践倫理宏正会という団体の活動に入れ込み、その傾倒が理由でノイローゼ状態になった父は自ら命を絶った。(「【独自】安倍元総理射殺事件 『山上容疑者』父の自殺の背景にあった“もうひとつの団体”の名」を参照)
 「徹也の兄は小児がんを患っていて、手術もしています。片目も失明しており、普段の生活にも苦労していました」
 と明かすのは、山上容疑者の父の兄、つまり伯父にあたる人物である。
「(山上容疑者の)父が亡くなり、兄も病気でした。そうしたことがきっかけになり、父が亡くなってずいぶん経ってから、母は統一教会に入信したんですわ」
 彼女は熱心な信者となり、度々、子供を置いて長期にわたり渡韓するほどだったという。
 「子供たちはその間、食べるもんがなかったんですよ。だって、母親が日本におらんかったからね。自分は韓国に行き、ずっと放っておいた。ネグレクトどころではない、もっとひどい状態です。兄は病気で自分で食事を作ることもできない。その兄が電話をかけてきて、“食べるものがない”と。お金を持って行ってあげたりしていました。すると、冷蔵庫の中には食料がまるでないんですわ……」
 さらに、伯父は統一教会と山上容疑者の家族の間で、ある取り決めが交わされたと語る。
 「(山上容疑者は)そりゃあ、統一教会憎しになりますよ。(寄付として家から)持って行かれてしまったのが、1億数千万円はある。私はね、(山上容疑者ら)3人の甥と姪の依頼で統一教会から5千万円を2009年に取り返したんですよ。その時の和解書もある。でも、取り返した金を母親がまた寄付してしまうんです」
 その当の母親は大阪府内の伯父の自宅に身を寄せているという。
 特殊な環境に育った山上容疑者の兄は後に自殺し、また山上容疑者本人も、母の信仰に悩み自殺未遂を起こしている。・・・

●再浮上する統一教会の巨悪

20220713
<FBからの取り込み>
 東京都荒川区議 小坂英二氏のFBポストより。

ーーーーー
 旧統一教会(現:世界平和統一家庭連合)に対する手相勧誘阻止活動や洗脳信者の家族と共に説得活動に参加し被害者を多数知る者として一言。
 「統一教会は宗教ではない。日本人を洗脳し法外な金銭を収奪し、人身売買で若い女性を韓国に売り飛ばすシステム」です。日本から殲滅せねばならない組織だと断言します。
 収奪した金銭は韓国に蓄積、反日活動の資金に。統一教会の述べる「日本の原罪」は「強制連行での従軍慰安婦被害など多数」として、日本人は韓国人にこの原罪を償うべきとされる。
 合同結婚式で日本人女性が140万円支払い、韓国農村部で結婚相手がいない男性が14万円を支払い結婚する事例が多数です。この金額の非対称性の理由は「日本の原罪」。
 男尊女卑の強い韓国で、そうした文脈で嫁いだ女性は酷使され、暴力を受ける例も多数。しかし、離婚は不可と吹き込まれており、「日本の原罪を償う」存在として嫁いだ女性は虐待にも耐えることを強いられる。韓国人男性に尽くすのも当然とされる。日本を貶め日本人を不幸にするシステム、それが統一教会。
 統一教会は駅前などで「手相を見せて」を口実に勧誘をし、「運命が悪い転換をする相が見える!大変だ!」と不安を煽り、「運命を読む先生」を呼び更に不安を吹き込み、ビデオセンターへ連れ込む。教会のビデオを朝まで見せ、一定割合は洗脳される。そして金銭収奪が始まる。
 先祖供養が悪いと不幸になる、供養には何百万の壺や印鑑、水晶のオブジェの購入が必須。
 統一教会信者の雑魚寝部屋(共同生活場)が有るので、「自宅など不要だろ?土地も。売って得たお金を献金し、雑魚寝部屋で暮らせば信仰も深まる、仲間と深く繋がれる」と。私有財産を徹底的に供出させます。
 統一教会は教会の仲間が最優先!家族は「単なる生殖の都合で繋がった存在」に過ぎず、信仰の邪魔なら捨ててしまえ!という姿勢。
 教会の活動に異論をはさむ家族がいたら「サタンだから縁を切れ!耳を貸すな!」と吹き込む。統一教会に洗脳されていない家族と信者は断絶へと進み、断絶は深化します。
 統一教会の「日本原罪」は反日思想そのもの。
 日本は戦前、朝鮮半島に悪いことをしたから朝鮮半島に金銭を提供し合同結婚式の体で日本人女性を人身御供にして韓国に貢ぐ。
 あらゆる活動で法外な資金が統一教会に入り、更なる反日活動の原資に。その資金を使い日本の政界への懐柔を進める。正に日本の敵。
 統一教会は保守系政治家に対して秘書の派遣、選挙活動への動員・支援・参加、講演等の謝礼の体で多額の金銭支援、子飼いの議員や新人への選挙投票を組織的に行う。政界で密な関係を作り、統一教会が行う反社会活動への警察の捜査にもストップをかける。
 統一教会の集会への政治家の参加やビデオメッセージも信者の安心感に貢献し、更なる信者の獲得に使われる。
 統一教会は反社会団体です。如何なる政治家も統一教会を仲間として迎えたり、仲間として参加してはならないです。反社会活動への加担そのものです。どんな大義名分を付けても許されぬこと。
 「政治家は様々な宗教団体と付き合いが有り、統一教会もその中の一つと。」という発言が保守系界隈から聞こえてきますが、事実誤認も甚だしい。
 冒頭に述べたように統一教会の有害性は際立っており、「日本人を洗脳し恐怖を煽り金銭を収奪し、日本人女性を人身売買するシステム」です。宗教法人の体を整えているだけで、「宗教」ではない。
 統一教会を「仲間」としている国会議員、地方議員よ、今すぐ、関係を断絶せよ!「新興宗教の一つとして付き合っている」と言い訳するのではなく、「日本人を洗脳し恐怖を煽り金銭を収奪し、日本人女性を人身売買するシステムであり、宗教ではない」事実を腑に落とすべき。不幸の量産に手を貸すな!
 そして多くの方にこの「恐ろしいシステム」が日本に多数の拠点を持ち、今日も日本人を蝕んでいることに共に怒りの声を挙げていただきたいと切に願います。
ーーーーー

20220714
<ほそかわ>
 安倍氏を取り巻く政治家の一人、高村正彦氏が、NHK「ニュースウオッチ9」に登場。日刊ゲンダイがこれをもとに記事を掲載。  
 高村氏は地元が安倍氏と同じ山口県。第一次安倍政権で防衛大臣、第二次安倍政権で自民党副総裁。弁護士時代には、旧統一教会(現・世界平和統一家庭連合)の訴訟代理人を務めていた。また、記事によると、「第143回国会 参議院法務委員会」(平成10年9月22日)で、当時参議院議員の中村敦夫氏が下記のように問い質しました。
 「高村外務大臣、この方はかつて統一協会の代理人だったわけですね。裁判の記録などにも載っているわけです。それから、一九八九年の資産公開では、統一協会の霊感商法の元締めであるハッピーワールドという会社、ここから時価三百八十万円のセドリックを提供されているというような、これは相当に深い関係だと思うんです」
 当時、週刊誌が書いて話題になりましたが、統一教会への追求はあいまいに終わり、政治的な圧力で警察の捜査にストップがかかったのではないかという噂が流れた記憶があります。

20220714
<報道>
 JBpressの記事より。山本一郎氏(情報法制研究所事務局次長・上席研究員)によるもの。

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 ・・・戦後、米国がSCAP(GHQ)による敗戦国・日本の占領政策を行うにあたり、既に始まっていた米国とソビエト連邦との間の冷戦構造に対して、東アジアの共産化を防ぎ、民主主義陣営につなぎ留めておく必要が生じました。
 そして、占領下における日本の反共産党対策のために、当時の韓国の情報部門「KCIA」から後援を受ける形で統一教会が「国際勝共連合(勝共連合)」を創設したのは、1968年1月(一説には1966年9月)にさかのぼります。・・・
 日本だけでなく、海外のメディアも「なぜこの時期の反共的活動に情報部門が?」と疑問に思う部分が多くあるようですが、実のところデフコン(防衛準備態勢)の最高ランクにまで緊張が高まったキューバ危機が1962年、米ソの緊張緩和政策であるデタント政策が米大統領のリチャード・ニクソンさんソ連書記長レオニード・ブレジネフさんの間で成立したのが1969年です。
 勝共連合の創設は、まさにそういった緊張が最高潮の時期であったことは理解しておきたいところです。
 その頃の日本では日米安保闘争が佳境であり、ベトナム戦争に対するアメリカの直接関与は1973年まで続いていたということも、世界史的背景として押さえておく必要があります。勝共連合にまつわる問題は単に日本国内の社会問題ではなく、真の意味での冷戦で米ソ間の最前線にあった日本の宿命であったとも言えます。
 これらのカウンターインテリジェンス・反共産党工作の一環として、日本国内での組織化の後ろ盾となった有力者が安倍晋三さんの祖父である岸信介さんであり、日本財団の設立などでも功績のあった政治家・笹川良一さんであり、日本最大の広告会社、電通のトップを長らく務めた成田豊さんです。日本政治の保守傍流の政治家や財界人が、こういった反共産党工作の一翼を担ったことは歴史的事実と言えます。・・・
 デイリーNKジャパン編集長の高英起さんも記事で指摘していますが、2012年に亡くなった統一教会の教祖、文鮮明(ムン・ソンミョン)さんはもともと北朝鮮の地域出身で、1991年ごろ対北朝鮮人脈の中枢に食い込みました。それ以降、旧ソ連からの重油供給停止を契機に経済的困難に直面した北朝鮮に対し、経済、軍事両面で統一教会が果たした貢献は大きかったと言えます。
 とりわけ、1993年から翌年にかけて、旧ソ連から引き継いだロシア極東管区から「くず鉄」名目で輸入した、ゴルフ級潜水艦をベースに弾道ミサイル潜水艦を北朝鮮が開発したと見られる一件では、統一教会に所縁の深い人物が設立した、東京都杉並区の小さな塗装会社が取引を先導していました。
 北朝鮮への経済制裁強化後も、朝鮮総連と並んで日本社会における北朝鮮在日同胞の生きる揺りかごとして機能するだけでなく、韓国を経由して対北朝鮮への援助・融和政策の原資の一部を担ったのもまた事実です。これらの資金源となったのは、今回凶行を起こした容疑者のような信者から回収した献金・寄付に他なりません。
 それが露見した当時は日本新党細川護熙政権です。99年に週刊現代が特集した『現職国会議員128人の「勝共連合・統一教会」関係度リスト(『週刊現代』99.2.27号)』でも関係が取り沙汰された故・中西啓介さん(旧防衛庁長官・当時)が、一連の北朝鮮との不透明な取引の報告について実質的に「不問」とする決定を下したとされています。・・・
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●背後関係の考察

20220713
<ほそかわ>
 山上容疑者の背後に2つの「反アベ団体」という情報。東京スポーツによると、一つは「リベラル色が強い“反アベ”団体」「安倍氏の長期政権の“独善的”な姿勢を嫌う団体。会員は数千人規模」。安倍氏だけでなく、父の故安倍晋太郎元外相、祖父の故岸信介元首相の安倍ファミリーをも敵視。特に団体幹部は、SNS上で安倍氏を攻撃していたとのこと。もう一つは、「かなり好戦的な思想で、やはり反安倍」「しかもこの団体の背景がかなり不気味で、闇に包まれている」。山上容疑者が洗脳された可能性がないか重要調査対象となっているとのことです。
 宗教団体については、今のところ主要メディアは統一教会のみの報道になっていますが、文春オンラインが山上容疑者が会員だと報じた「サンクチュアリ教会」については若干続報あり(別掲)。上記の二番目の団体と同じかどうかは不明。
 副島隆彦氏は、CIAと統一教会の共謀による暗殺説。氏は大当たりと大外れを繰り返している山師のような人で、崇敬者から天才学者とか予言者と思われるようなことを発していたいのでしょう。しかし、米国に関しては、ウクライナ危機の中での対中・対露の日本の防衛政策への負の影響を考えても、また統一教会(家庭連合)に関しては、社会的批判の再燃による自傷が必至である点を考えても、私は眉唾です。
 あらゆる可能性を検討すべきと思いますが、本人の供述の引き出し、現場検証、物証、デジタルデータの分析、関係者への取材、聞き込み等の積み重ねがあっての検討でなければなりません。

20220714
<報道>
 アサヒ芸能のデジタル版より。

ーーーーー 
 ・・・山上容疑者の特殊な銃の製作、現場での冷静な発砲技術から、
 「山上容疑者の単独犯とは考えにくい。銃の扱いを指南した集団がいるのではないかと、捜査当局は慎重に捜査を進めています」(全国紙社会部記者)
 そこで浮上してくるのが、統一教会の分派、サンクチュアリ教会なのだ。・・・
 昨春から銃の製作を始め、家庭連合への「復讐」の準備を始めたと供述しているが、母親が破綻したのは02年。なぜ約20年の時を経て、犯行を思いついたのか。前出・社会部記者は、
 「事件発生直後に捜査関係者から聞いた話では、山上容疑者はサンクチュアリ教会で銃器の訓練を受けていたとの情報もあったのだと…」
 宗教関係者の話を総合すると、統一教会は開祖の文鮮明氏が死去すると、文氏の妻・韓鶴子氏が責任者となった家庭連合(天の父母様聖会)と、七男の文亨進氏により設立したサンクチュアリ教会に分裂状態とされる。
 サンクチュアリ教会は米国では「ガンチャーチ(銃教会)」と呼ばれ、銃賛美、武器使用を称賛する。21年1月、連邦議会議事堂を襲撃したトランプ前大統領の支持者の中に、文亨進氏の姿もあったという。捜査関係者が言う。
 「現場映像では、2発の銃弾が発射されている。連発できる自作の銃は、よほどの能力がないとできない。また山上容疑者がSPの隙を狙った間合いの取り方も、訓練されていないとできない」・・・
ーーーーー

20220714
<ほそかわ>
 統一教会は宗教団体ですが、極めて政治的な組織です。国際勝共連合はKCIAの後援で作られた組織として知られています。統一教会は戦闘的な反共ですが、北朝鮮との関係が深く、また過激な反日ですが、日本の保守政治家に深く食い込んでいるという複雑怪異な性格を持っています。山上容疑者は、反統一教会で、個人的な怨恨で凶行に及んだと見られますが、彼の背後に何らかの団体があり、その団体が反安倍という点から、北朝鮮、さらに共産中国とつながっている可能性もあり得ます。

●安倍氏の甘さと周囲の不作為

20220713
<FBから取り込み>
 黒木昭弘氏のFBポストより。

―――――
 なぜ安部元首相は統一教会と一心同体の「天宙平和連合(UFP)」の大規模会議にビデオ出演をしてしまったのか?
 安部元総理の暗殺事件、最初の謎は犯人の動機とその背後関係だが、もう一つの謎は例のビデオ出演の件だ。
 安部元首相の暗殺の経緯はやはり「天宙平和連合」の世界的大規模会議にトランプ大統領とともにビデオ出演を事が契機となっている事だろう。
 暗殺の犯人も安部元首相の出演ビデオを見て(見せられて?)、更にお爺さんの岸信介氏が統一教会の同根の国際勝共連合の創設に深くかかわっていたことと結び付けて、安部元総理が統一教会を守っている政治家の筆頭と誤解した(させられた?)ことが殺害の動機と言っているらしい。
 そこで不思議に思ったのが安部元総理が統一教会とそんなに強い結びつきがあったのかな(自分だけ知らなかったのか?)との疑問。
 ざっとネットで調べてみたが、統一教会の全国大会に出席した記録のある政治家は2004年大会に出席した「鳩山由紀夫」氏しかいなかったです。安倍さんは一度も出ていません。もちろん統一教会関連団体の主催の地方の講演会などに出席した政治家は他にもいますが、そこにも安倍元総理の名前はない。
 また今回落選した「有田芳生」(統一教会を追っていたジャーナリストだった)氏が「統一教会」の件で、安倍元総理を取材した時の記事では安倍さんが「彼らがしきりに接触して面会を求めるが私は会いません」と言っていたとのことです。有田さんを信じるなら安倍元総理は「相当警戒していた」と思われます。
 そうするとそれなりに警戒していた統一教会絡みの、しかも世界規模の会議になぜ軽率にも(?)ビデオ出演をしたのかです。もちろん教団側は宣伝ビデオでもトランプの次に登場させられて「朝鮮語の同時通訳」までやって、大体的にアピールしている。
 安倍さんがこれが統一教会関連と気が付かないのも不自然だし、どっかから断れないような要請があったのか?まさかトランプやアメリカ絡み?分かるかどうかはともかく少し調べてみます。

<<文鮮明訪日の特別許可の不思議>>
 文鮮明は「金蔓?」の日本へ何度も行きたがったが、そのたびに法務省に拒否されています。1979年、1981年、1982年と連続して不許可になっています。更に1984年にアメリカで脱税で懲役1年6ヶ月の実刑判決を受けたため、原則日本への入国はできないことになっています。しかし1992年に何故か大臣決済の上陸特別許可をもらって日本に入国しています。日本に滞在中に会ったのが確認できるのが中曽根康弘元首相だけですが。・・・
―――――

20220714
<ほそかわ>
 産経新聞の本日の記事によると、山上容疑者は「自分が安倍氏を襲えば、家庭連合に非難が集まると思った」という趣旨の供述をしているとのことです。この発想に限れば、凶行には単なる逆恨みによる感情の表出ではない、一定の合理的な目的が見られます。

 次は、Friday デジタルの記事より。

ーーーーー
 安倍元総理が旧統一教会の「活動」に一定の理解を示していたのは事実だろう。『日本の宗教と政治』などの著書がある、宗教学者の島田裕巳氏が背景を解説する。
 「まず大切なのは、旧統一教会には宗教的側面と政治的側面があるということです。目的の一つに、朝鮮半島の統一があります。創設者の文鮮明氏は、北朝鮮と太いパイプがあった。朝鮮問題にかかわる政治家が旧統一教会に近づくのは、ある意味不思議ではないでしょう。ただ岸氏や安倍氏に旧統一教会と政治的なつながりはあっても、宗教的な関係はなかったと思います。
 献金が多額になるのは、旧統一教会が多くの組織を抱えているからです。関連企業もある。規模が大きいため、運営に多くのカネがかかるのでしょう。旧統一教会の『正会員』は収入の10分の1程度を寄付するという話がありますが、キリスト教全体としては慣例的な考えではあります」

 西方キリスト教で収入の 10分の1 程度を寄付するのは、伝統・慣習。10分の1 税として制度化されていましたが、統一教会における献金は異次元のもの。数千円か数万円の価値しかない壺に数百万円の献金がされます。「聖本」という書籍は1冊3000万円。信者はそれを1冊ではなく3冊、5冊と買わされる。これだけで1億円、1億5千万円になります。
 こういう献金の集め方は、島田氏が言うような、旧統一教会が多くの組織を抱え、運営に多くのカネがかかるからということで、説明しきれるものではありません。異次元の献金は、普通の宗教法人が行っていない活動に多額の資金を使っているからでしょう。その活動の中心が、反日的な政治活動、政界工作と考えられます。またそれゆえに、統一教会の活動において、宗教的側面と政治的側面は決して切り離せないのです。そこをよく調べることなく、恐るべき実態を見抜けず、政治的な利益の獲得に利用できると考えた人間が浅はかなのです。
 その代表である岸氏は、国際勝共連合の日本での活動に協力したため、孫の安倍氏が統一教会に恨みを持つ者に殺害されるという最悪の結果を招きました。大塚寛一先生は、昭和40年代前半から国際勝共連合の危険性を看破し、統一教会を邪教と断じ、政治家・有力者に強く警告しました。しかし、安倍氏は「日本を取り戻す」ために統一教会への規制を行うのではなく、統一教会によって「日本を奪われる」活動を賞賛してしまいました。残念でなりません。
 彼の一支持者にすぎない私の忠告は無力でしたが、安倍氏の周辺に集う多数の良識ある人々が、なぜ彼に過ちを気づかせられなかったのか。未だその反省・悔恨の弁が聞かれないのは、どうしてなのでしょうか。

 以下、随時掲載。

************* 著書のご案内 ****************

 『超宗教の時代の宗教概論』(星雲社)
https://blog.goo.ne.jp/khosogoo_2005/e/d4dac1aadbac9b22a290a449a4adb3a1
 『人類を導く日本精神~新しい文明への飛躍』(星雲社)
https://blog.goo.ne.jp/khosogoo_2005/e/cc682724c63c58d608c99ea4ddca44e0
 『細川一彦著作集(CD)』(細川一彦事務所)

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日本の大黒柱・安倍元首相が殺害される3

2022-07-14 19:06:31 | 時事
●個人的怨恨が統一教会から安倍氏へ

20220711
<報道>
 『現代ビジネス』の記事より。

ーーーーー
 ・・・山上容疑者は安倍元首相に恨みを募らせていた。動機は「現代ビジネス」が7月9日に報じたとおり、母親が統一教会(現・世界平和統一家庭連合)にのめりこんで多額の寄付を強要され、家族崩壊したことである。
 母親の知人は「現代ビジネス」にこう証言した。
 「山上君の母親と父親(後に死亡)の折り合いは、もともと悪かったんです。お母さんは、いつしか統一教会に入信して熱心に信仰するようになった。奈良の統一教会に頻繁に出かけて、とても熱心でした。どうも何日も家を空けるようなこともあり、霊感商法のようなことにもかかわっていたそうです。『いくらお金があっても足りない』『韓国にも行きたい』と言って、家を顧みない感じでした」
 統一教会は、今も母親が信者であることは認めている。そんな母親に対して、山上容疑者は、周囲の知人にはこう口走っている。
 「統一教会のせいで、家がおかしくなった」
 「家にカネがなくてどうにもならない」
 それと同じくして、山上容疑者が20歳のときに母親が破産をした。そこで転居を余儀なくされた。この破産は、統一教会に対する過剰な献金が原因ではないかと、山上容疑者の同級生らは見ている。
 山上容疑者の中学時代の同級生がこう語る。
 「卒業アルバムの通り、こてつと呼ばれていて、おとなしいけれど親しみやすい奴だったんです。口数は少ないのにニコニコしていてね。ところが年を重ねるにつれ、ふさぎ込むようになった」
 山上容疑者は、奈良県内の進学校・郡山高校から、京都の名門・同志社大学工学部に合格したものの、そこで母親の統一教会問題によって人生を変えられたとみられる。高校の同級生はこう語る。
 「母親が、金を統一教会に使い込んで、学費が払えず、中退を余儀なくされたと聞きました。それで大学を途中でやめてしまったと思う。山上は飄々ととしていて、口数は多くはないが悪い奴じゃない。それがおかしくなり、「統一教会がなければ」と恨みを口走るようになってからは、人付き合いを一切しなくなったんです。
 自宅でも母親と大声で怒鳴りあい、近所の人が何事かと駆けつけたこともあったと聞きます」・・・
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20220711
<ほそかわ>
 山上容疑者の自宅から押収されたノートに、旧統一教会(現・家庭連合)の恨みが記述されていたことが判明。
 山上容疑者は、「母親が団体に多額の金をつぎ込み、破産した。安倍氏が団体を国内に広めたと思い込んで狙うようになった」と供述していると供述しており、奈良県警はこうした動機を裏付ける物証とみてノートの記載内容を精査しているとのこと。 

20220711
<ほそかわ>
 旧統一教会(現・家庭連合)の田中富広会長が記者会見。
 統一教会こと家庭連合は「親泣かせの原理運動」「霊感商法」「合同結婚式」等で、多くの日本人が犠牲になってきた韓国の宗教団体。
 欧米では法律で活動を禁止している国があるが、日本では規制なく、野放し状態。今も選挙・政治活動に利用している政党・政治家に大きな問題があります。その初めは、統一教会系の勝共連合を反共主義ということから支持・称賛・利用した岸信介氏、笹川良一氏の判断の誤りにあります。
 世界平和教授アカデミーも関連団体。「世界日報」は、家庭連合を母体とする日刊紙です。
 田中会長の説明では、安倍氏は家庭連合の友好団体の集会にメッセージを寄せただけの関係で、深いつながりはない模様。だが、そもそも安倍氏は、統一教会・家庭連合に、一切関わるべきではありませんでした。「君子危うきに近寄らず」です。

20110711
<報道>
 産経新聞の記事より。

―――――
安倍氏襲撃、「岸元首相の孫だから狙った」 宗教団体への恨み向ける
2022/7/11 20:11

 ・・・山上徹也容疑者(41)が、恨みを持っていたと説明している特定の宗教団体について「岸信介元首相が日本に招き入れたから孫の安倍氏を狙った」と供述していることが11日、捜査関係者への取材で分かった。・・・
捜査関係者によると、山上容疑者は岸氏の孫である安倍氏も「家庭連合を支援していると思った」という趣旨の供述をしている。家庭連合への恨みを募らせて関連するホームページを閲覧するなどしていたといい、安倍氏と家庭連合への恨みを結び付けて襲撃したとみられる。・・・

20110712
<ほそかわ>
 私は統一教会の信者に十数人対応した経験がありますが、特殊な技術による洗脳を受けているのか、みな教祖・文鮮明夫妻に極めて強い崇敬心を持ち、統一原理の思考に縛られ、マインドコントロールから抜け出させることは困難でした。
 山上家の献金問題が起こった20~20数年前に統一教会員に対応した当時には、占いで成仏していない先祖の霊が災いをもたらしているといわれて、先祖供養を強要され、数百万円の献金をしたという例がありました。強迫観念に取りつかれると、収入も財産も少ない人が無理をして不相応な献金をするのだろうと思います。救いの実証がなければ、ただ経済的な困窮に陥るのみでしょう。統一教会の被害者の救援をしてきた弁護士や宗教ジャーナリスト等が、マスメディアに出て解説してほしいところです。
 山上容疑者の安倍氏への恨みは、全くの逆恨みであり、また飛躍が大きすぎます。殺害に至るほどの思い込みは、精神病的な妄想によるものと思います。
 安倍氏は、北朝鮮による拉致の被害者の救出に誠意と情熱をもって取り組みました。彼ほど家族会から信頼された政治家はいないでしょう。しかし、その一方で、統一教会については、問題の大きさを理解しておらず、間接的とはいえ、被害者の増加に影響を与えてしまったのだろうと私は思います。もとは祖父の岸信介氏にあり、安倍氏が祖父の誤りを認め、正すことができなかったことが悔やまれます。

20220712
<報道>
 スポーツ・ニッポンの記事より。

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 山上容疑者の家庭は、母親が旧統一教会に入会してからたった4年で崩壊していた実態が浮き彫りになった。
 山上容疑者の家庭は、母親が旧統一教会に入会してからたった4年で崩壊していた実態が浮き彫りになった。 田中会長によると、母親は1998年ごろ入会。4年後の2002年ごろ家庭が破綻した。その背景には一体、何があったのか。山上容疑者は「母親が宗教団体に多額の寄付をしていた」と供述している。田中会長は「犯行の動機や一部で報じられている献金問題に関しては、警察が捜査中なので言及は避けたい」と述べ、母親の寄付の状況は「差し控える」とした。家庭の破綻後も寄付を要求したかどうかは記録が残っていないと話すにとどめた。
 寄付には定期的に行う「月例献金」、礼拝の際の「礼拝献金」、「無記名献金」などがある。中でも「大切な指導」と位置づけるのが「11条献金」。関係者によると、信者のうち「正会員」と呼ばれるクラスになると月収の10分の1程度を献金するという。田中会長は、一般的に高額献金をする信者はいるとした上で「献金は本人の信条に基づく。ノルマはない」と話した。
 旧統一教会は1980年代以降、霊感商法と呼ばれる信者の多額献金が問題となった。教団は献金を巡るトラブルを認め、2009年に商取引に関与せず、コンプライアンスを順守すると発表し「それ以降、トラブルはない」と主張する。
 山上容疑者の母親は09年ごろからいったん連絡が途絶えたが、17年ごろから月1回程度、関連行事に参加するようになった。直近では約2カ月前に出席していた。
 田中会長は、山上容疑者については信者ではなく「恨みを示されることはなかった」と関係を否定。一方、捜査関係者によると、同容疑者は「昨年春ごろから銃を作り始めた」と供述。当初は宗教団体幹部を狙っていたと説明しており、1年以上前から事件を計画していた可能性がある。
 同容疑者は「母親が宗教団体にのめり込んで多額の寄付をして破産した」とも供述している。田中会長は「それが動機なら、教団においても重く受け止めないといけない」との見解を示した。県警は動機の解明につながるか関心を示している。
―――――

20220712
<報道>
 「現代ビジネス」の記事より。

ーーーーー
 実家や会社の土地も続々…山上徹也の母親が統一教会に寄付していた「5000万円資産」の中身《会見で明かされなかったこと》 元信者が語った

統一教会会長は「諸事情は把握していない」
 「統一教会のおかげで家庭が壊された。インターネットで調べて安倍元首相が統一教会と近いとわかり、狙っていた」
 こう動機を語っているのは、安倍晋三元首相を密造した銃で射殺した山上徹也容疑者だ。7月10日、参議院選挙の投開票日に送検された。
 「すごい数のマスコミがきて写真を撮っていたが、山上容疑者は終始平然として、特別な反応もなかった。取り調べにも淡々と応じている」(捜査関係者)
 山上容疑者は、安倍元首相をターゲットにする前には、旧統一教会(世界平和統一家庭連合)の最高幹部の殺害も計画していたという。「現代ビジネス」が複数回にわたって報じてきたように、山上容疑者の母親は統一教会の信者であり、多額の寄付をして破産に至っていることが、客観的な証拠からも明らかになってきた。
 7月11日、統一教会は都内のホテルで田中富広会長、澤田拓也総務局長らが記者会見を行った。山上容疑者の母親が信者であることも認めたものの、多額の献金については「破綻された諸事情は私どもも把握していません。献金問題については捜査中のため言及を避けます」と答えるにとどめた。
 なぜ、山上容疑者はそこまで統一教会を恨んだのか?
 山上容疑者は、自作の銃や爆弾の製造、安倍元首相の参議院選挙の遊説予定などをインターネットで調べたと話している。また、安倍元首相と統一教会の関係については、「ネット上の動画を見て安倍晋三と統一教会がつながっていると思い、殺さねばならないと考えた」と供述している。実は、安倍元首相とこの団体が「親密」だったことくらい、ネットで検索すればある程度は把握できる。
 安倍元首相は、官房長官時代の2006年、統一教会のダミー組織とされる「天宙平和連合」(UPF)に祝電を送付している。

安倍元首相の「文鮮明の妻に敬意」
 また2021年9月12日に「天宙平和連合」が開催したオンライン集会「THINK TANK 2022希望の前進大会」で、安倍元首相はアメリカのトランプ前大統領らと並んで演説している。山上容疑者はこの演説をYouTubeで目にしたことも、銃撃のきっかけだったと供述している模様だ。
 実際、ここでの安倍氏の発言内容を見れば、たしかに統一教会との関係は密接だと誤解されても仕方がない部分がある。以下の発言を読んで欲しい。
 《日本国・前内閣総理大臣の安倍晋三です。UPF主催のもと、よりよい世界の対話と諸問題の平和的解決のために、およそ150ヵ国の国会首脳、国会議員、宗教指導者が集う希望前進大会で世界平和をともにけん引してきた、盟友のトランプ大統領とともに演説する機会を頂いたことを、光栄に思います。》
 《今日に至るまでUPFと共に世界各地の紛争の解決、とりわけ朝鮮半島の平和的統一に向けて努力されてきた韓鶴子総裁ら、皆様に敬意を表します。》
 ここで言及されている韓鶴子総裁とは、言わずと知れた文鮮明の妻で、統一教会の代表者である。
 《さて、いまだ収束のみえないコロナ禍でありますが特別な歴史的意味を持つことになった東京オリンピック・パラリンピックを多くの感動ともに無事、閉幕することができました。ご支援いただいた世界中の人々に感謝したいと思います。
 イデオロギー、宗教、民族、人種の違いを超えて東京オリンピック・パラリンピックで感動を共有できた。世界中の人々が人間としての絆を再認識できたと信じます。》
 《人と人の絆は自由と民主主義の原則によって支えられなければならないと信じます。一部の国が全体主義、覇権主義、国家が力による現状変更を行おうとする活動を阻止しなければならない。私は自由で開かれたインド太平洋の実現を継続的に訴えてきた。いまや米国の戦略となり、欧州を含めた世界の戦略となりました。》
 《UPFの平和ビジョンにおいても、家庭の価値を強調する点を高く評価いたします》
 安倍氏が統一教会をこのように礼賛する発言は、今もYouTube上に残っている

銃の製造も安倍氏の発言もYouTube
 統一教会に詳しく、霊感商法被害の相談を数多く受けてきた弁護士は、匿名でこう語る。
 「安倍元首相がオンライン出席したこの集会の主催者・UPFのトップは、統一教会の創始者、文鮮明氏の妻・韓鶴子氏です。そこから考えても、UPFと統一教会は事実上一体化したものです。
 日本では霊感商法や合同結婚式が社会問題となり、かつて国会でも何度も問題になってきました。総理退任間もなかった安倍氏がUPFや韓鶴子氏をスピーチで絶賛するのは、統一教会に日本としてお墨付きを与えたと思われても仕方がない」
 また、安倍派の下村博文元文科相が統一教会系企業から政治資金の提供を受けたり、安倍氏の元首相秘書官であった井上義行参議院議員が統一協会関係者から選挙支援を受けたりしている事実は、かつてメディアでも報じられ、今もネット上ではたびたび言及されている。いずれも安倍氏に非常に関係の近い議員であることは見逃せない。
 山上容疑者がYouTubeで見ていたのは、安倍氏の発言や、こうした周辺政治家と統一教会の関係ばかりではない。自作の銃や爆発物を密造方法も、ネット動画で学んだという。
 「山上容疑者は比較的短期間で銃や爆発物を自らの手で作っていた。YouTubeを参考にしていたので、そう時間がかからなかったそうだ」(捜査関係者)
 同様に、安倍元首相の統一教会を褒め称える動画も、犯行の引き金になった可能性が残るのだ。
 「自作の銃ができるたびに、奈良県や京都府の山中で試し撃ちをして性能を確認していたとも供述しています。山上容疑者は奈良でも有数の進学校・郡山高校を卒業しており、頭脳明晰な印象を受ける。自宅からノートが押収され、そこには安倍元首相や統一教会への恨みのような言葉も残っていた。事件は1年以上前から計画していたとみられる記述もあるのです」(捜査関係者)
 さて、山上容疑者が統一教会を憎むようになった経緯は、母親が信仰にのめりこんだ結果「家族をめちゃくちゃにされた」と山上容疑者自身が供述している。
 現代ビジネスは、2002年8月21日に山上容疑者の母親が破産宣告を受けていることをすでに報じている。
 ところが今回、さらに新しい事実がわかった。

実家を「相続から半年で売却」のワケ
 山上容疑者の母親の実家は、かつて奈良市内で建設会社を経営していた。母親の両親が死亡後、1998年に自宅と会社の不動産を相続している。
 この自宅は国宝、唐招提寺から徒歩10分ほどの閑静な住宅街に位置し、70坪あまり。土地の評価額で、2000万円ほどという。
 また、建設会社は幹線道路に面し、高速道路の出入り口に近い便利のいい場所に70坪ほど所有。こちらは、土地の評価額で2500万円程度とみられる。
 この母親は、両親の死後に建設会社の社長にも就任していた。建物の価値を加えれば、5千万円を下らない資産を有していたことが不動産登記などから明らかだ。
 ところが、母親は1998年10月3日の相続後、たった半年で自宅、会社の不動産をともに売却している。 その3年後に母親は家賃7万円ほどの賃貸マンションで破産宣告を受け、建設会社も清算した。山上容疑者も似た時期に大学を中退したと見られる。
 これまでの山上容疑者の供述と総合すれば、この売却で得た現金が統一教会に寄付された可能性は極めて高い。それを裏付けるように、母親のことを記憶している統一教会の元信者が語る。
 「何が入信の原因かわかりませんが、お母さんはとても熱心に統一教会を信仰され、活動にも加わっていたのを私も横で見ていました。
 近所の人にも『心が汚れるといけないので綺麗にしましょう』などと勧誘もしていた。問題になった、数珠や多宝塔などではなくて、訪問販売メンバーに入って食品などを売って寄付に充てていたこともありました。当然、そのぶん家族はほったらかしです。
 確かに、ご実家は建設会社でかなり裕福だったはず。不動産を処分して、それまで一戸建ての大きなおうちにいらしたのに、急にマンションに引っ越した。統一教会に寄付を余儀なくされてしまったのかもしれない。とにかくおカネが大好きな教団ですからね」
 この証言は、不動産登記の移動と明らかに符帳が一致する。この元信者はこうも続ける。
 「山上容疑者が安倍元首相を銃撃したのは、近鉄西大寺駅前です。実は、統一教会の関連施設はそこから徒歩数分で、駅からも見わたせる距離にあります。事件後の土曜日、日曜日は安倍元首相の死を悼み、献花に訪れる人が500m以上の行列をなしていましたが、その行列が統一教会の施設のすぐ近くまできているの見て、すごく驚きました。これも因縁なのでしょうか」
 7月11日の統一教会の会見では、田中富広会長が「破綻された方の家庭が破綻された諸事情は、私どもも把握しておりません。現場に問い合わせても、当時のことをわかってる方もおらず、把握しきれてないのが現状です」と答えるに留めた。だが、この一家の破綻に統一教会の存在が関係していることだけは、疑いようのない事実なのである。

20220712
<報道>
 消費者被害や宗教・カルトの法律問題に詳しい紀藤正樹弁護士の発言。(もとはテレ朝のTV番組での発言)

スポーツ・ニッポン
 田中会長の会見について「一言で言うと誠実さを欠く」「大事なことについてきちんと説明しない。大事なことについて主観でものを話す。客観的な調査や具体的な事実に基づいて話をしていない」
 UPF(天宙平和連合)について「我々から見たら、統一教会とUPFは一体の組織。法人格が違うだけであって実態は一緒」

デイリースポーツの記事より
 「捜査が進展中なので、当然捜査を踏まえて話をしないといけないことですけども、一般論で言うと、統一教会のシンパとして来る政治家や芸能人は隠れ信者という言い方をするんですね。“あの人は本当は信者なんだけども、理由があって隠してるんだと”(思っている)」
 「山上容疑者の頭の中ではシンパ、イコール信者だと思わされていた、あるいはそういう説明を受けいていたという可能性は否定できない」
 「今回の事件は重大かつ深刻な事件なので、捜査はあいまいにせずきっちりやってもらいたいし。統一教会側にも本当にお願いしたいんですが、第三者委員会入れてもいいぐらいの事件なわけですから、そこまできっちり調べてもう一度会見してほしいと思います」

J-CASTニュースの記事より
 「宗教法人として、やるべきことをやっておらず、何があったのか第3者委員会を設置して検証すべきです」
 「財布は、実は3つあります。日本の法人に入る献金、韓国の本部に入る献金、日本の霊感商法で得た代金です。これらで、いくら山上容疑者の母からお金を受け取ったか、会見で何も話していないので、信用性がありません。きちんと調べて公開すべきことだと思いますね」

 次回に続く。

************* 著書のご案内 ****************

 『超宗教の時代の宗教概論』(星雲社)
https://blog.goo.ne.jp/khosogoo_2005/e/d4dac1aadbac9b22a290a449a4adb3a1
 『人類を導く日本精神~新しい文明への飛躍』(星雲社)
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 『細川一彦著作集(CD)』(細川一彦事務所)

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日本の大黒柱・安倍元首相が殺害される2

2022-07-14 19:03:18 | 時事
●安倍氏の死への世界の反応

20220709
<報道>
 NHKのニュースより。一部編集。

―――――
安倍元首相死去 各国の反応
2022年7月9日 14時47分

 演説中に銃で撃たれた安倍晋三元総理大臣は、治療を受けていた奈良県橿原市内の病院で亡くなりました。海外メディアも速報で伝えているほか、親交のあった各国の首脳や要人が相次いで声明を発表しています。

中国 習主席「両国関係の改善に向けて努力し 有益な貢献」
 中国外務省によりますと、安倍元総理大臣が死去したことを受けて、習近平国家主席は9日、岸田総理大臣に弔電を送り、深い哀悼の意を示しました。
 この中で習主席は「安倍元総理大臣は任期中に両国関係の改善に向けて努力し有益な貢献を行った。突然の死去を深く悲しみ残念に思う」としています。
 そのうえで「岸田総理大臣とともに、これまでの政治文書の原則にもとづき、両国の善隣友好や協力の関係を引き続き発展させていきたい」としています。

米 トランプ前大統領「全世界にとって衝撃的な損失だ」
 在任中、安倍元総理大臣と親交が深かったアメリカのトランプ前大統領は8日、西部ラスベガスで行った演説の冒頭で安倍氏が銃撃を受けて死去したことに言及し「非道な残虐行為であるだけでなく、全世界にとって衝撃的な損失だ」と述べ、犯行を非難するとともに哀悼の意を示しました。
また「安倍元総理大臣は私の友人であり、同盟相手で、すばらしい愛国者だった。彼は平和と自由、そしてアメリカと日本のかけがえのない絆のために力を尽くすことを惜しまなかった」と述べて功績をたたえました。
 ・・・トランプ前大統領は安倍氏の死去を受けて日本時間の午後7時半ごろソーシャルメディアへの投稿で「世界にとってとても悪いニュースだ。歴史は彼がどれだけすばらしい人物でリーダーであったかを教えてくれるだろう。彼は皆を一つにまとめられるまたとない人物であるが、なによりも偉大な日本という国を愛した人物だった。彼のような人は二度と現れないだろう」と追悼しています。

クアッド首脳 連名で追悼声明「心を一つにしている」
 安倍元総理大臣が創設に深く関わった日米豪印の4か国の枠組み、クアッドのうちアメリカとオーストラリア、それにインドの3か国の首脳は連名で追悼の声明を発表しました。
 その中では「安倍元総理大臣はクアッドのパートナーシップの創設に重要な役割を果たし、自由で開かれたインド太平洋という共通のビジョンを推進するために努力を惜しまなかった」とその功績をたたえました。
 そして「この悲しみの瞬間、私たちは日本の国民や岸田総理大臣と心を一つにしている。平和で豊かな地域の実現に向けた取り組みをさらに進めることで安倍元総理大臣に敬意を表していく」としています。

米バイデン大統領が日本大使館を弔問「世界の損失」
 アメリカのバイデン大統領は安倍元総理大臣の死去を受けて8日、首都ワシントンの日本大使公邸を弔問に訪れ、「日本国民だけでなく世界にとっての損失だ」と記帳し、哀悼の意を示しました。
 安倍元総理大臣の死去を受けてアメリカのバイデン大統領は8日、首都ワシントンにある日本大使公邸を弔問に訪れました。バイデン大統領は持参した花束を安倍元総理大臣の遺影が飾られた机に置き、その後、記帳を行いました。
 この中で「バイデン一家とアメリカを代表して安倍氏の家族と日本の国民に心よりお見舞い申し上げる。彼の死は妻や家族、そして日本国民だけでなく世界にとっての損失だ。平和の人であり、判断力のある人物だった。彼の死は惜しまれるだろう」などと書き込み、哀悼の意を示しました。
 記帳は4分近くにおよびバイデン大統領は時折、顔をあげて遺影を見ながら書き記していました。
 また、バイデン大統領は弔意を示すため、ホワイトハウスなどの政府機関の建物で今月10日の日没まで半旗を掲げるよう指示しました。(略)

 アメリカのバイデン大統領は日本時間の午後10時前、声明を発表し「日本にとって、そして彼を知るすべての人にとっての悲劇だ。安倍氏は日米同盟と日米両国の国民の友情を深めた人物だった。日本の首相として最も長く在職した彼の、自由で開かれたインド太平洋を築くというビジョンは今後も続くだろう」とその功績をたたえました。
 そのうえで、「襲撃された瞬間も安倍氏は民主主義のもとで取り組んでいた。暴力的な攻撃は決して容認できるものではなく、銃による暴力は常に地域社会に深い傷痕を残すことをわれわれは知っている。アメリカは悲しみの瞬間にある日本とともにある。安倍氏の家族に深い哀悼の意を表する」として追悼しました。・・・

海外メディア 電子版の特設ページなどで詳報
 ・・・アメリカのCNNテレビは安倍元総理大臣について「最も在任期間の長い総理大臣で、世界の舞台でも目立つ存在だった。トランプ前大統領と個人的な関係を築こうと努力し、トランプ氏にとっては大統領選挙に勝利したあと初めての外国の首脳との会談となった」などと紹介しています。
 そして、「世界中の政治家から安倍氏への追悼のメッセージが次々と寄せられ、彼の死にショックを受けている」としています。
 イギリスの公共放送BBCは、安倍元総理大臣について「日本で今も大きな影響力を持ち、おそらく過去30年間で最も知名度の高い日本の政治家だ」としたうえで、「この事件は、銃規制が厳しく、銃器による暴力が非常に少ないことで知られる日本に衝撃を与えた」などと驚きをもって伝えています。
 一方、アメリカの有力紙ウォール・ストリート・ジャーナルは、電子版の記事で、安倍元総理大臣がデフレからの脱却に向けて推進した「アベノミクス」について解説しています。
 この中では、安倍元総理大臣が経済の発展のために果たした役割を称賛するコメントが日銀の黒田総裁からも出されているとして、「アベノミクス」を高く評価する声があることを伝えています。
 一方で、「『アベノミクスが格差の拡大を招いた』という批判もある」としていて、アベノミクスをめぐって賛否両論があったことにも触れています。(略)

ドイツ ショルツ首相「深い悲しみ ドイツは日本に寄り添う」
 ドイツのショルツ首相は8日、ツイッターに「安倍元総理大臣が暗殺されたことに衝撃を受け、深い悲しみをおぼえる。安倍元総理大臣の遺族、私の同僚の岸田総理大臣、そして日本の友人たちにお悔やみを申し上げる。このような困難なときにドイツは日本のそばに寄り添う」と投稿し、哀悼の意を表しました。

イタリア ドラギ首相「革新的な精神 偉大なリーダーだった」
 イタリアのドラギ首相は声明を発表し「安倍元総理大臣の死去に対し、政府として、そして個人として深い哀悼の意を表する。今回の事件にイタリアは大きな衝撃を受けている。安倍氏はその革新的な精神と改革的なビジョンにより、日本そして国際政治において偉大なリーダーだった」と追悼しました。

フランス大統領府「日本国民および政府との連帯を表明」
 フランス大統領府は、声明を発表し「マクロン大統領と安倍氏は、インド太平洋地域の安定と繁栄などグローバルな課題において協力関係を強化してきた。また、両国の文化面における豊かで活力のある関係を生かし結びつきを強めることに努めた」とマクロン大統領と安倍元総理大臣の関係を振り返りました。
 そのうえで「フランスは日本の国民および政府との連帯を表明する」として追悼の意を表しました。

英 エリザベス女王 天皇陛下に弔意を伝える
 イギリス王室は8日、声明を発表し、安倍元総理大臣が亡くなったことを受けて、エリザベス女王が天皇陛下に弔意を伝えたことを明らかにしました。
 エリザベス女王は、「2016年に安倍夫妻とイギリスでお会いしたことは懐かしい思い出です。日本への愛、そしてイギリスとの絆をますます緊密にしようとする思いをはっきりと感じました」などとするメッセージを送ったということです。

イギリス ジョンソン首相「信じられないほど悲しい」
 イギリスのジョンソン首相は自身のツイッターへの投稿で「信じられないほど悲しいニュースだ。彼のリーダーシップは多くの人の記憶に残るだろう。彼の家族、友人、そして日本の国民と思いは一緒だ。イギリスはこの暗く悲しい時にあなたたちとともにある」とコメントしました。
 また、イギリスの首相官邸は公式のツイッターで「イギリスにとってすばらしい友人だった安倍元総理大臣の悲劇的な死去を悼んでいる」というコメントとともに、安倍元総理大臣と、現在のジョンソン首相、メイ前首相、そしてキャメロン元首相が握手している写真を投稿しました。

インド モディ首相「ことばにできないほどの衝撃と悲しみ」
 安倍元総理大臣の在任中、互いに訪問を繰り返し親交を深めてきたインドのモディ首相はみずからのツイッターに投稿し、「最も親しい友人の1人である安倍元総理大臣の悲劇的な死去に私はことばにできないほどの衝撃と悲しみを受けている。安倍氏は世界有数の政治家であり、卓越したリーダーだった。彼は日本と世界をより良い場所にするために人生を捧げた」としています。
 そのうえで、「きょう、インド全体が日本とともに悲しみ、私たちはこの困難なときに日本の人たちと連帯します」として哀悼の意を示しました。
 また、モディ首相は8日首都ニューデリーで行われた演説の冒頭で、「私にとって取り返しのつかない喪失と耐えがたい痛みの日だ。私の親友で元総理大臣の安倍氏はもういない。安倍氏の在任中、両国の政治的関係は新たな高みに達した。安倍氏はインドの人々の心の中に残り続ける」と述べ、安倍元総理大臣を追悼しました。
 モディ首相は、9日を、国を挙げて喪に服す日とするとしています。

ロシア プーチン大統領「偉大な政治家の命が奪われた」
 ロシアのプーチン大統領は、安倍元総理大臣が亡くなったことを受けてコメントを発表しました。
 このなかでプーチン大統領は哀悼の意を示したうえで「日本政府を長く率い両国の善隣関係の発展に尽くした偉大な政治家の命が犯罪者の手によって奪われた」としています。そのうえで、安倍元総理大臣について「その記憶は彼を知るすべての人々の心の中に永遠に残るだろう」としています。・・・

中国大使館「安倍氏 両国関係の改善と発展に貢献」
 東京にある中国大使館は8日、報道官がコメントを発表し「安倍氏は、総理大臣の在任中、両国関係の改善と発展に貢献した。訃報に接し、哀悼の意を表すとともに、ご遺族にお悔やみ申し上げる」としています。
 また中国外務省は8日、趙立堅報道官の談話を発表し「中国は今回の事件に衝撃を受けている。安倍元総理大臣は、両国関係の改善と発展に貢献した。哀悼の意を表すとともに、ご遺族にお悔やみ申し上げる」としています。

韓国 ユン大統領「遺族と日本国民に哀悼の意を伝える」
 韓国の大統領府は、ユン・ソンニョル(尹錫悦)大統領が安倍元総理大臣の妻の昭恵さんにあてて弔電を送ったと発表しました。弔電では「日本の憲政史上最長の在任期間の総理であり、尊敬される政治家を失った遺族と日本国民に哀悼の意を伝える」としています。
 また、大統領府によりますと、ユン大統領は事件について「容認できない犯罪行為だ」と非難し、深い悲しみを示したということです。

台湾 蔡英文総統「言葉にならないほどのショック」
 台湾の蔡英文総統はツイッターに日本語で「言葉にならないほどのショックを受けています。生前、台湾に実に多くのご支援とご配慮をくださいました。私たちはこのことを決して忘れません」と投稿しました。
 総統府の報道官は「蔡英文総統は知らせを聞いてひどく心を痛め、最も深い哀悼の意を表している。蔡総統は、国際社会が重要なリーダーを失い、台湾も重要な親友を失ったと考えている」というコメントを発表しました。

インドネシア ルトノ外相「早すぎる死去 心から哀悼の意表す」
 G20=主要20か国の議長国を務めるインドネシアのルトノ外相は、8日「安倍元総理大臣の早すぎる死去にあたり、この悲しみの時にインドネシア政府は、日本政府、日本の人たちに心から哀悼の意を表します。彼が国と人々に奉仕するため身をささげたことは、すべての人たちに記憶されるだろう」と述べました。

トルコ エルドアン大統領「いまわしい攻撃をした人物を非難」
 トルコのエルドアン大統領はツイッターで「大切な同志である安倍元総理大臣が銃撃で命を落としたことを深い悲しみをもって知った。いまわしい攻撃をした人物を非難する。安倍氏の家族と愛する人たち、それにすべての日本国民と政府にお悔やみ申し上げます」と投稿しました。

フィリピン マルコス大統領「ご遺族と日本国民に深い哀悼の意」
 フィリピンのマルコス大統領は9日、声明を発表し、「安倍氏が亡くなったことに衝撃と深い悲しみを感じました。彼のリーダーシップのもとで両国の関係は真に繁栄しました。ご遺族と日本国民に深い哀悼の意を捧げます」と追悼しました。
 一方で、ドゥテルテ前大統領も8日夜に声明を発表し、「安倍氏は誠実なよき友人であり、私の政権の強固な支援者だった。彼の思いやりに満ちた支援と卓越したリーダーシップを忘れない。世界で最も影響力のあるリーダーの一人だった」と追悼しました。

フィジー バイニマラマ首相「とても悲しいこと」
 南太平洋の島国フィジーのバイニマラマ首相は、日本と太平洋の島しょ国の首脳などが3年ごとに日本に集まる「太平洋・島サミット」に出席するため、2015年と2018年に来日し、当時の安倍総理大臣と会談を行っています。
 バイニマラマ首相は、安倍元総理大臣の死去について「とても悲しいことだ。誰も日本でこんなことが起きるとは予想していなかった。日本の(林外務)大臣に哀悼の意を伝えた」と話し、バリ島で行われていたG20=主要20か国の外相会合の会場で林外務大臣に哀悼の意を伝えたことを明らかにしました。

イスラエル ラピド首相「イスラエルとの関係率いた」
 中東イスラエルのラピド首相は、「安倍元総理の悲劇の死に際し日本の国民と政府に哀悼の意を表する」と声明を出しました。
 そして、在任中にイスラエルを訪問したことがある安倍氏について、「現代の日本における重要なリーダーの1人で、成長と繁栄のためイスラエルとの関係を率いてくれた」と振り返りました。
 一方、パレスチナ暫定自治政府も、「安倍元総理は日本に貢献するとともに、国際法や人権を守り、パレスチナの友人であること示し、パレスチナ人の自由への権利と国連決議に則ったパレスチナ国家の創設を支持してくれた」と 述べました。

ウクライナ ゼレンスキー大統領「暴力行為に言い訳の余地ない」
 ウクライナのゼレンスキー大統領は自身のツイッターに投稿し、「安倍元総理大臣が殺害されたという恐ろしいニュースについて、安倍氏の家族と日本の皆様に深い哀悼の意を表する。この凶悪な暴力行為に言い訳の余地はない」としています。

ブラジル ボルソナロ大統領「激しい怒りと悲しみ抱いている」
 ブラジルのボルソナロ大統領は8日、みずからのツイッターで「激しい怒りと悲しみを抱いている。安倍氏は輝かしいリーダーであり、ブラジルにとってのとても大切な友人だった」と述べました。そのうえで「日本の人々への敬意と安倍氏への友情、そして不当な残虐行為に対する連帯を示すため、ブラジル全土に3日間、追悼するよう命じた。私たちは日本とともにある」としています。

NATO事務総長「凶悪な事件に深く悲しんでいる」
 NATO=北大西洋条約機構のストルテンベルグ事務総長はツイッターに投稿し「安倍氏が殺害されるという凶悪な事件に、深く悲しんでいる。安倍氏は、民主主義の擁護者であるとともに、私の友人であり、長年の同僚でもあった。NATOのパートナーである日本の人々にお悔やみを申し上げたい」とコメントしました。

EU委員長「多国間の協調を擁護 すばらしい人物」
 EU=ヨーロッパ連合のフォンデアライエン委員長は声明で「多国間の協調を擁護したすばらしい人物だった。彼の家族、友人、そして、すべての日本の人々とともに哀悼の意を表します」としたうえで「安倍氏に対する残忍で卑劣な犯罪は、全世界に衝撃を与えている」と事件を厳しく非難しました。

国連 グテーレス事務総長「いつまでも忘れない」
 国連のグテーレス事務総長は8日、自身のツイッターに投稿し、「深い悲しみに包まれている。わたしは何年にもわたり安倍氏と交流する機会に恵まれ、安倍氏の協調性と多国間主義へのコミットメントをいつまでも忘れない。ご遺族、日本の人々と政府に哀悼の意を表する」と追悼しました。

WHO テドロス事務局長「悲劇的な死を深く悲しんでいる」
 WHO=世界保健機関のテドロス事務局長は自身のツイッターに「安倍氏の悲劇的な死を深く悲しんでいる。彼のご家族と日本の皆様に心からお悔やみを申し上げる」とコメントしました。

20220713
<報道>
 ZAKZAK 八木秀次氏の寄稿より。

―――――
「日本や世界から指導者を奪った」安倍元首相の暗殺死 「言論の自由の封殺」「民主主義への挑戦」は見当違い 高く評価された「インド太平洋」構想

 安倍晋三元首相の暗殺死について、「言論の自由の封殺」「民主主義への挑戦」との指摘があるが、見当違いだ。他の政治家やジャーナリスト、言論人を狙ったのなら、そうした抽象的な指摘も成り立とうが、他ならぬ安倍氏をこの世からなき者にした犯行だ。
 「日本や世界から指導者を奪った蛮行」というべきなのだ。ここにも安倍氏の存在を軽く認識していたことが表れている。
 しかし、世界の認識は違う。
 安倍氏の死について、ジョー・バイデン米大統領は「世界にとっての損失」と述べ、アントニー・ブリンケン米国務長官も「世界的なリーダーとして称賛された」と述べた。インドのナレンドラ・モディ首相は「世界的な政治家であり、卓越したリーダーだった」と述べた。これらはお世辞ではない。文字通りの評価なのだ。
 米国は10日の日没までの間、ホワイトハウスをはじめすべての連邦政府庁舎や在外公館、国内外の米軍施設などで半旗を揚げた。インドも「安倍氏に深い敬意を表し、9日は全国的に喪に服す」と発表した。ブラジルも8日から全土で3日間の服喪を行った。
台湾も「最も深い哀悼と感謝」を示すために当局機関や公立学校で11日に半旗を掲揚した。当の日本には服喪や半旗掲揚の予定はない。
 安倍氏の功績の中で「自由で開かれたインド太平洋」構想を発案し、日本と米国、オーストラリア、インドによる戦略的枠組み「QUAD(クアッド)」につなげたことは世界でも高く評価されている。第1次政権時の2007年にインド国会の演説で原型を発表し、第2次政権時の16年にアフリカ開発会議で本格的に提唱した。
 元米NSCアジア上級部長のマイケル・グリーン氏は、安倍氏が原型を発表したとき、「当時は、世界の多くの識者は彼が挑発的で危険だと考えていた」(朝日新聞7月10日付)と振り返っている。まだ、中国の覇権への警戒心がなく、安倍氏が逆に危険視されたのだ。
 米外交問題評議会上級研究員のシーラ・スミス氏も、安倍氏について「日米同盟のために必要なことをしただけでなく、日本の利益がなんであるかを米国に伝えた。中国が日本やアジアの他の国々への軍事的、経済的な圧力を増すなかで、安倍氏は(自由で開かれた)インド太平洋の構想を考案した。これはバイデン政権が完全に取り入れているものだ。日本が新たな戦略的構想の考案をリードしたのは初めてのことだった」(朝日新聞7月10日付)と評価している。
 その先見性と構想力、そして実現力によって、安倍氏は世界における日本の地位を塗り替え、国際秩序を形成する主要プレーヤーとしたのだ。
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 次回に続く。

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戦略論27~『甲陽軍鑑』の概要

2022-07-14 08:51:30 | 戦略論
●『甲陽軍鑑』

 『闘戦経』と違ってわが国で広く読まれてきた兵書に『甲陽軍鑑』がある。『甲陽軍鑑』は、武田流軍学を集大成したものである。徳川家康は、武田信玄を恐れ、また信玄に学んだ。徳川幕府は信玄の軍学を取り入れたので、武田流軍学は江戸時代の武士道の一要素となった。
 『甲陽軍鑑』の著者は信玄の家臣・高坂昌信と伝えられるが、実際の編著者は小幡景憲と見られる。景憲は武田家滅亡の後、軍学を修め、徳川幕府に仕えて、軍学を講じた。幕府は景憲が完成した武田流軍学を、官許の学として公認した。そして、『甲陽軍鑑』は「本邦第一の兵書」といわれ、武士の素養となっていた。本書を中心に武田流軍学の主な特質を挙げてみよう。

1. 人材を尊重し活用せよ

 武田流軍学は何より、人材を大切にした。大将には、三つの中心任務があるとし、その第一番に「人の目利(めきき)」を挙げている。人材を尊重し、人それぞれの個性を生かして使うことが、一番重要だというのである。信玄は「渋柿も甘柿も、それぞれに役立たせるのが国持大名のつとめ」と言っている。「人は城、人は石垣、人は堀、情けは見方、仇は敵なり」という名文句は、武田流軍学の特質をよく表わすものである。

2.戦争の目的を忘れるな

 武田流軍学には、「後途の勝を肝要とする」ということがある。すなわち、個々の戦闘は、あくまで次の、より大きな目標に近づくための手段に過ぎない。目先の現象に目を奪われず、将来の利害、大局の得失にもとづいて判断を下し、行動せよということである。これは、戦略的な考え方である。『孫子』の一節にも、「明君名将は、つねに戦争の根本の目的を見失うことがない。だからこそ、かれらは慎重なのだ。有利、確実、かつやむを得ざる場合にのみ兵を動かして戦闘を交える」とある。

3.攻撃こそ最大の防御なり
 
 『甲陽軍鑑』には、「わが国ばかりが長久と思い、他国に攻撃をかけないでいると、他国から逆に攻め込まれてしまう」とある。自分の国さえ安穏ならばよいと考えて、おとなしくしていれば、必ず他国の攻撃を受けて滅ぼされてしまう。内に蓄えた力によって打って出て、他国の力を弱め、あるいはこちらの領国とする以外に、自らの安全を確保する道はないというのである。

4.組織を完全に統率せよ

 「疾(はや)きこと風のごとく、静かなること林のごとく、侵掠(しんりゃく)すること火のごとく、動かざること山のごとし」――『孫子』軍争篇にあるこの言葉を、信玄は戦術の基本とした。そして、事前の精密な作戦計画、首脳部の意志の統一、指揮命令系統の整備、全軍に対する訓練等を徹底的に行った。その結果、全軍が信玄の采配の下に一糸乱れずに行動できたのである。まさに軍事戦略の実行の基本である。

5.内政を充実せよ

 もともと甲斐の国(現在の山梨県)は山岳部の僻地である。この甲州を基盤とした武田氏が勢力を振るったのは、信玄の精魂込めた富国強兵策によっている。信玄は、領国内の統治体制を整備するという点でも、当時の諸大名の中では先頭を切っていた。治山治水、鉱山の開発、商工業の保護育成など多面的な政策を進め、領国の経済力を強めるとともに、領民の心を引き付けた。「国の仕置が悪ければ、たとえ合戦に勝っても国を失う」というのが、信玄の警告だった。

 以上、武田流軍学の特質を挙げた。その軍学を集大成した『甲陽軍鑑』は、自国の領土を治め、他国を従えるために必要な、政治・軍事・外交等の心得に満ちている。ただの軍学の書ではない。国家総合戦略の書ともなっている。私は『孫子』と『甲陽軍鑑』をもって、近代以前の東アジアにおける二大総合戦略の書と考える。
 ところで、これほど充実した戦略書を持っていたにもかかわらず、武田家は名将・信玄の死後、息子の勝頼の代でわずかの期間のうちに滅亡した。様々な説があるが、いかに優れた戦略理論があり、また実践されていても、最高指導者が真に優れた人物でなければ、国家・組織は存続・繁栄し得ないということだろう。

 次回に続く。

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