銚子・角巳之・三代目

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たゆたえども...③

2023年12月04日 | 日記・エッセイ・コラム

なよ竹の・風にまかする・身ながらも・たゆまぬ節の・ありとこそきけ。会津藩家老・西郷頼母
の奥方、西郷千鶴子さん辞世の句。戦いの足手まといにならぬよう西郷家の婦女子・幼児に至る
まで壮絶な自刃を。時代と言えばそれまでですが、風景を想像するだけで言葉に詰まります...。

たゆたえども沈まず。この言葉の意味を深く考えている最中に冒頭のことを思い出しました...。
洋の東西を問わず、自らの力ではどうしようもない事態に遭遇した時に人の底力のようなもの
が顔をのぞかせるようです。これは理屈の世界ではなく、生きてきたことへの矜持かと。

生れる時代は選べず、またどんな時代に生まれたとしても、その生きている期間は壮大な修行
の場なのだそうです(先輩からの受け売りですが)以前は、なんか胡散臭い説だな~と思って
おりましたが、50歳を越えたあたりから何故かその通りだな~と思うことしばしば...。

自らの街が侵略者に蹂躙され、それに対抗する力を自らは有していない。屈辱にまみれながら
も生きるため表面上は服従するが、心の底には“たゆたえども沈まず”の矜持。やがて必ず時は
来る...。様々な場面に置き換え、たゆたえども沈まず...と。いい言葉に逢いました。