風音土香

21世紀初頭、地球の片隅の
ありをりはべり いまそかり

「地図から消えるローカル線〜未来の地域インフラをつくる〜」

2022-12-09 | 読書

SL銀河や釜石線の存続を考える過程で本書を知り
矢も立てもたまらず購入し、読んでいる途中の本を脇に置いた。
「座して待つのか?次の世代に何を残すのか?」
というキャッチコピーが刺さった。

現在、全国に広がる鉄道網がいかにしてできたのか。
それが今なぜ次々に廃線となっているのか。
廃線になった後、どのように公共交通を整備するのか。
BRTやコミュニティバス、デマンドバスなどなど。
それらのことがらが順番に語られる。
しかし、果たして鉄道は
利便性だけで語られる交通インフラだろうか。
その疑問に対する著者たちの考えは後半に語られる。

鉄道はもはや単なる交通機関ではなく、文化だ。
故郷の景色であり、有力な観光コンテンツだ。
交通網や水、通信、電気やガスなどのエネルギーなどのインフラは
民営による効率性や利益性で左右されてはいけない。
そうでないと、利益性が低い地方はどんどん切り捨てられる。
金融機関は郵便局だけという過疎地においても
その郵便局が姿を消しつつあるのが現状だ。
これも郵政民営化の弊害だろう。
日本の人口はどんどん減っている。
これからも切り捨ては様々な場面で顕在化するだろう。
果たしてそれでいいのか?

今のシステムの中でいかに鉄道を生かしていくのか。
そのヒントが本書の中にある。

「地図から消えるローカル線〜未来の地域インフラをつくる〜」
新谷幸太郎:編 日経プレミアシリーズ

 
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