世界遺産と日本/世界の町並み w/IT

世界遺産と日本/世界の個性的な町並みをITを交えた筆致で紹介します。

日本人にもおなじみのコロンス島ですが日本人観光客があまり行かないレンガ色の町並みに良さがあるように思います(中国)

2019-12-01 08:00:00 | 世界遺産
 スペインのコルドバにはキリスト文化とイスラム文化が融合して独特の建物が残されていました。一方、中国には香港に代表される、東洋と西洋の文化が混とんと混ざり合った風景があちこちに見られます。大部分は、西洋列強が中国に進出して虫食い状態の植民地を作った名残で、居留地や租界と呼ばれる町並みです。今回は、それらの租界の中で、中国で初めてピアノが持ち込まれたコロンス島を紹介します。

 
 
 コロンス島は、福建省の厦門市に属する面積が2㎢に満たない小さな島です。厦門市は中国本土といくつかの島とにまたがっていて、コロンス島はこれらの島の一つになります。厦門の都心は厦門島にあって、厦門島とコロンス島との間は狭い水道で隔てられているだけですが、橋はなく20分おきに運航されているフェリーだけが足になります。ところが、このフェリーに乗るのが大変で、観光客がわんさかと押しかけるため朝早くに乗り場に行っていないと午前中に島に渡れない琴もあるそうです。筆者は、早くに起きて6時過ぎに乗り場に到着し、初発である7:10発のフェリーに乗ることができました。島の中は、電気自動車しか通行が認められていなく、突然現れた緊急車両も電気自動車でした。観光客は、歩いて回るか、10人ほど乗れる電動カートに乗って回ることになります。時間があれば、電動カートは街中の路地までは入らないので歩いたほうが人々の生活ぶりも垣間見られて楽しい旅ができます。今回は、道並みを中心に紹介して、観光スポットは次回に紹介することにします。

 
 
 
 アモイからコロンス島に行く船は2か所から出ていて、航路の短い方はアモイ市民専用で、観光客はわざわざ遠くの船着場から遠回りすることになります。コロンス島側も、それぞれ異なる船着場に着き、観光客は島の北寄りの三丘田埠頭に上陸することになります。古いレンガ造りの街並みが残るのは、この三丘田埠頭と市民専用の船着場の間で、電動カートは埠頭近くから出ていますが、道の狭い町並み部分は通りません。これらのレンガ造りの建物は、コロンス島が西洋列強の疎開地となり、各国の領事館や付属の建物が建った名残で、1910年ころから1935年ころにかけて建てられたようです。日本のように、再開発で跡形もなく取り壊されるという惨事には遭遇せず、現在も現役で使い続けられています。

 
 
 
 
 
 いかにも金持ちの邸宅といったビルがあると思えば、レンガでできた長屋風の庶民の建物までが混在していて、これらの街並みには洗濯物もひるがえっています。コロンス島内にもいくつかのホテルがありますが、これらの街並みの雰囲気を壊さないいような配慮がなされているように感じ、目立つことを意識した日本とは違うようです。また、教会堂や旧博愛医院の建物はレンガ造りではありませんが、シックなたたずまいは、周りの街並みに溶け込んでいるようです。島で最も標高の高い日光岩から見下ろすと、朱色の街並みが広がり、海を画賛でアモイのビル群が見えて、奇妙なコントラストです。

 
 
 中国では、朝飯を外で食べる風習があり、町並みにある食堂では朝食メニューらしきものがボードに掲示されていましたが、お勧めは沈家閩南腸粉というワンタンに似た食べ物です。にゅるっとした触感の包みの中にひき肉らしきものが入っていて不思議な触感のおいしさです。日本人のお客は我々だけ、この店だけは、電動カートに乗ってはだめで、歩かないと発見できません。

 コロンス島は通常の自動車の走行が認められていなくって電気自動車のみが走っていますが、他でも同じような所に一つがアメリカのヒューロン湖に浮かぶマキノー島で、こちらの移動手段は徒歩、自転車それに馬車だそうです。1980年に封切られた「ある日どこかで」という映画のロケ地として有名になりましたが、ここだったらSF小説のようなことが起こりそう、といった環境のようです。これらの場所は、狭いエリアなので歩いても移動が可能な面積で、航続距離や充電に時間のかかる電気自動車に向いていそうですが、最近の電気自動車は電池の性能が向上してこの欠点も小さくなっているようです。ただ、電池に使うリチュウムは希少元素で、他のIT分野で使われるイットリウム、コバルト、タンタルなどと同じく産出地域にj偏りがあったり、量が少なかったりで、安定的に手に入りません。産地が紛争地域だったりもして、IT産業の発展も平和が重要な要因です。


最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。