世界遺産と日本/世界の町並み w/IT

世界遺産と日本/世界の個性的な町並みをITを交えた筆致で紹介します。

クサールギレンは朝夕の砂漠の景色もすばらしいのですが、夜空にも感動するオアシスの町です(チュニジア)

2010-09-26 08:00:00 | 世界の町並み
 唐時代の都として繁栄した長安の残り香で城壁に囲まれた町の内外に数多くの遺構が散在するのが西安でした。町を囲む城壁は、壁の外は異次元でそこに住む者は外敵という状況でした。一方、砂漠のオアシスは、壁こそありませんが、一歩オアシス外に出ると、そこは生物の存在すら否定するかのような異次元世界です。今回は、サハラ砂漠の東端にあって、比較的観光客が訪れやすいクサールギレンを紹介します。

 クサールギレンは、チュニジアの南部、アフリカ北部に広がるサハラ砂漠の東の端にあるオアシスの町です。海岸沿いの町から、60~70kmほどでしょうか、四駆の車で道無き道を2時間ほど走った砂漠の中にあります。漢字で書くと砂漠ですが、必ずしも砂ばかりとは限らず、到着まで走った砂漠は、岩がごろごろした岩石砂漠がほとんどでした。オアシスは数百メータ四方で椰子の木などが茂り、中に入ってしまうと、足元が砂であること以外には、ごく普通の町のようです。

 ところが、一歩木立の向こうに踏み出すと、そこは一面が砂の世界です。鳥取砂丘などで、風紋を見るた見るためには、踏み荒らされる前の早朝に砂丘に行かないと見られない、と言われますが、こちらは廻り一面が風紋のようです。
 
オアシス内の展望台に上ると、地平線まで砂の丘が続いているのがよく分ります。夕方の写真と朝の写真とでは影の出方が逆になっているのが分ります。

 こんな周り中が砂漠のオアシスにも4つ星ホテルがあります。なんと、ホテル内にはプールまであります。
 
このホテルの変わったところは、レストランなどの共通施設のある建物だけがコンクリート製で、客室は全てテントなのです。
 
通常のホテルではチェックインをすると部屋の鍵を渡されますが、こちらでは部屋の番号を書いた紙切れを渡されるだけです。テントに表示されている番号が指定されたテントの部屋なのです。テントと言っても、エアコン完備、バスこそありませんがシャワーとトイレも付いています。昼間の外部気温は40度をはるかに越えていますから、エアコンは必須なのですが、気密性の悪いテントですから、あまり効いているようにも思いません。中央部分のみにコンクリートの床を張り、ここに水周り設備を造りテントの支柱を固定しています。したがって、ベッドは砂の上に置かれていて、他の家具なども全て砂の上です。

 砂漠の中のオアシスには、周辺に光を発する町がまったくありません。夕食を済ませて、自分達のテントに戻るときに夜空を見上げて感動してしまいました、「星って、こんなにたくさんあったんだ!」、真っ暗な空は小さな星もくっきりと見せてくれるのです。。夜空の星を見上げて、「あれは雨が降るための穴」と冗談を言う人がいますが、あれだけたくさんの穴があれば、さぞやたくさんの雨が降るだろう、しかし、そこは砂漠なんですよね。

 これだけ変わった体験をできるクサールギレンですが、個人旅行で訪問するのは、ちょっと難しい場所のようです。オアシスには、最寄りの鉄道駅は当然ながらありませんし、路線バスも通っていません。車を借りて行こうにも、道無き道を運転するのはかなり無理がありそうですし、筆者の場合は車の運転はできません。そこで、現地の旅行社が手配してくれる、ドライバ付きの四駆チャーターを利用しました。偶然、同じスケジュールの新婚旅行カップルと一人旅の人が居て、5人のグループとなり、費用負担が軽く済みました。

 地球は水の惑星と呼ばれ、陸地より海の面積の方が広いのは良く知られています。さぞや、地球にはたくさんの水が存在するに違いないと思いがちですが、これが意外と少ないことに驚かされます。地球全体の水の量は、地球の体積の約800分の1程度なのです。さらに、人間が有効利用できる水の量は、水全体の1%以下と言われています。この利用できる水も、偏在していて、毎年のように水害に悩む地域や砂漠化に悩む場所も多いものです。地球上の雲の様子などは気象衛星の発達でリアルタイムに把握でき、スパコンで予報の精度も向上しましたが、これだけ科学発達しても気象をコントロールするのはまだまだ先のようです。


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