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高砂神社の松の他に巨石をご神体とする神社もある高砂

2007-01-07 17:52:52 | 日本の町並み
 最近はお正月の門松を見かけなくなりましたが、おめでたい植物としての松竹梅の筆頭はやはり松の木です。また、結婚式などに謡われるおめでたい謡として「高砂」がありますが、この中にも松が登場します。今回はこのおめでたい高砂神社のある高砂を紹介します。

 松をめでたいとする理由は、常緑で長寿な樹木であることによるものと思います。門松だけでなく、能舞台の背景に使われたり、城内にも好んで植えられたようです。城内に植えられたのは、実や樹皮が、いざ篭城となったときの非常食となったことも理由の一つとされています。高砂の松は、天然記念物に指定されていた松は、昭和12年に松食い虫の被害にあって枯れ、その幹のみが保存されています。

高砂神社の境内には、代わりの五代目の相生松が緑の葉をつけています。


 高砂市は、兵庫県の南部の神戸と姫路の間にあり、私鉄の山陽電鉄の高砂駅が中心となります。まるで、加古川市の南西角に飲み込まれてしまいそうなこじんまりとした市ですが、高砂神社にちなんだ市の名称を保持してがんばっているように思えます。かつては、JRの高砂線が山陽線の加古川駅から分岐していましたが、1984年に廃止されてしまいました。高砂神社は、高砂駅から加古川の河口方向に歩いても10分くらいで、途中には古い町並みや、並び蔵などがあります。

漁業や製塩業で栄えた町の名残でしょうか。

 高砂にはもう一つ変わった神社があります。生石(おうしこ)神社がそれで、通称は石の宝殿と呼ばれています。石の宝殿とは、神社の御神体の直方体の巨岩のことで、拝殿の後方に位置しています。巨岩の周りには小さな堀がめぐらされているため、まるで巨岩が水に浮いているようにも見えます。

天の逆矛、塩釜と並んで日本三奇の一つだそうです。周辺には石切り場もあって、このあたりは古くから良質の凝灰岩を産出したようです。JR山陽線に宝殿の駅がありますが、この名称はこの神社に由来するものです。

 かつて、結婚式で謡われたのは謡曲の高砂が定番だったようです。現在の定番は、「てんとうむしのサンバ」や「乾杯」ってところでしょうか。時代とともに歌われる歌も変化して、古いものは忘れ去られてゆく宿命かもしれません。歌を記録する技術は、口伝から楽譜、そして現在ではCDや映像を加えたDVDなど、より生に近い情報が伝えられるようになりました。ただ、歌が歌われた背景や気持ちなどを伝えてゆくのは技術では解決できないことのようですね。


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