世界遺産と日本/世界の町並み w/IT

世界遺産と日本/世界の個性的な町並みをITを交えた筆致で紹介します。

デカンショ節だけではありません、日本六古窯の一つ丹波焼もあります、篠山

2007-03-25 17:35:44 | 日本の町並み
 先に紹介した結城市の市の花は純日本的で紬の里のイメージに合うとのことからユリになっています。ゆりを市の花に指定している市も多く、ゆりの中でもヤマユリやササユリなど特定の品種を指定している市もあります。今回はこれらの市の中で市民の投票でササユリを市の花に選んだ兵庫県の篠山を紹介します。

 篠山は兵庫県の中央部に位置して、JR福知山線の篠山口からバスで15分程度の都市です。かつては篠山口から篠山線というローカル線が市の南部をかすめて東に伸びていましたが、大赤字路線で廃止されてしまいました。かつて篠山線の建設時に、機関車の火の粉で火事になると反対運動が起き、線路は町から遠く離れたところに引かれたそうです。

 火の粉といえば、丹波焼、別名立杭(たちくい)焼は日本六古窯の一つに揚げられている伝統の焼物です。斜面に窯を作る登り窯で焼かれ、市街地の西南方向の立杭が生産の拠点になっています。プラスチックの器が普及する前の駅弁の急須やうどんのどんぶりのほとんどは立杭焼きで、現在でも日用雑器は、製品の中で重要な位置を占めているようです。学生の頃ですからずいぶんと昔に窯元を尋ねたことがありますが、訪れる人も少なく、作品の素朴さに似合った静かな山村でした。旧市街、篠山城跡の近くに丹波古陶館もあり丹波焼きの歴史を知ることができます。

 このあたりは、なまこ壁の家並みが続き、城下町の雰囲気を残した散歩道にもなっています。

 篠山といえば、「デカンショ節」で有名な丹波杜氏を生んだ土地で、杜氏の出稼ぎで半年暮らせば、あとの半年は寝て暮らせる、と歌われたものです。灘の銘酒は播州米、宮水、そして醸造の技術者である丹波杜氏の腕があったからこそ、生まれたわけで、地域の総合力の結果が灘の生一本ではないでしょうか。

 飲むものといえば、このところの健康ブームの追い風もあってか、丹波の黒豆茶が売れているそうです。町中のいたるところで、黒豆を原料としたお土産が売られていて、黒豆茶もそのうちの一つです。黒豆に含まれた、アントシアンが体のサビを落とす効果を持っているといわれています。

 酒造りもずいぶんと機械化され、大きな酒造メーカに見学に行っても、タンクやパイプなどが整然と並んでいるものを見せられることが多いものです。酒作りの桶がずらりと並んだ風景を期待すると、ちょっとがっかりしますが、原料の配合や、タンク内の温度管理などがコンピュータで厳密に管理されていて一定の品質のお酒が造られているいるようです。樽などかつて活躍した酒造りの道具類は、付属の博物館に収まっていて、現役からは退役してしまっています。ただ、地酒に代表される造り酒屋では、昔の作り方に近い手法が採られ、杜氏の感と経験と酒蔵に住み着いた酵母から、個性豊かなお酒が生み出されているいるのではないでしょうか。


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