世界遺産と日本/世界の町並み w/IT

世界遺産と日本/世界の個性的な町並みをITを交えた筆致で紹介します。

何千年もかけ自然が作り上げた雄大なグランドキャニオンのそばに小さな人間のギャンブルの場があるのは好対照です(アメリカ)

2020-02-09 08:00:00 | 世界遺産
 上海と香港との中間の場所に、中国文化と西欧文化とが混然一体となった町がある島がコロンス島でした。中国文化と西欧文化の融合といえばかっこいいのですが、つまるところ西欧列強の侵略行為によってできた産物に他ならないわけです。その意味では、その最もひどい例がアメリカ大陸です。ヨーロッパから勝手にやってきて、そこをインドと勘違いをし先住民をインディアンと呼んで悪者扱いをし、フロンティアなどと称し、彼らの富や土地を奪って侵略していったのですから。先住民は辺境地に押しやられ、その一つがホピ族が現在も住むグランドキャニオンです。ヨーロッパ人たちは、ホピ族から、この土地には金銀などの鉱物資源が出ないことを知らされ寄り付かなくなったのだそうです。現在では、鉱物資源ではなく観光資源で稼ぐグランドキャニオンを紹介します。

 グランドキャニオンは、アリゾナ州北部のコロラド高原をコロラド川が長年にわたって侵食してできた最深部が1,800mもの渓谷です。侵食は4,000万年前から始まり、現在のような景観はおよそ200万年前にできあがったのだそうです。渓谷は東西に延び、渓谷の南側はサウスリム、北側はノースリムと呼ばれ、ノースリムの方が標高が高いのですが、足の便が悪く冬場は観光施設も閉鎖されます。観光客の大部分はサウスリムで、観光拠点やホテルも数多くあって、大型機も着陸する空港もあります。

 
 
 

 観光の拠点の一つは、博打で有名なラスベガスで、ここから10人ほど乗れる小型機で渓谷の周辺を飛んで上空から眺めるとともに、グランドキャニオン空港に降りて、観光バスでサウスリムの展望台などを巡ります。ラスベガスからグランドキャニオンまでにニューディール政策で作られたフーバーダムの上空や、何のための施設かはわかりませんが、絵の具のパレットのような色取り取りのプールらしいものが並んでいる景色も見られます。遊覧の飛行機は小型機で気流も不安定なので、体調が悪いと飛行機酔いをする恐れがありますが、その眺めはさすがに雄大です。筆者は高所恐怖症なのですが、飛行機がリムの端から渓谷に出ると瞬間に真下の景色が奈落に落ち込むので腰が引けました。





 
  
飛行機を降りるとサウスリムのいくつかのXXポイントと呼ばれる見晴台をめぐります。最近は、リムから突き出した見晴らし台がガラス製で、谷底まで見渡せるものもあるようですが、筆者はそんなところはとても無理なようです。展望ポイントは、深い谷を見下ろせるよう、どこも崖の端ギリギリに建っていますが、いまだに侵食を繰り返すコロラド川ですから、この崖っぷちって崩落の危険はないんでしょうか。日本などの観光地の展望台ではよく見かけるのが望遠鏡で、望遠鏡でのぞく対象物が何であるかがパネルの写真で置かれていますが、こちらにあるシーニック・ロケータでは目的物を写真パネルと対照して探す必要がありません。目的物の方向ごとにノッチがあって正確に方向が定まるようですが、望遠鏡ではなくってただの筒だったように思います。また、周りの岩肌と同じような色合いのごつごつとした建物がありホピ・ハウスと呼ばれ20世紀初頭に建てられた先住民の住まいをモデルに建てられたお土産屋です。

 
 グランドキャニオンのあるコロラド高原の標高は2,000~2,500mほどもあり、ちょっとした山岳気候で最初に訪れた11月には雪が積もっていました。薄っすらとした吹き景色の中に野生の鹿も見かけました。逆に、コロラド川の流れる谷底の標高は数百mで、周りを高い壁でとりかこまれているため、夏場の暑さは大変なのだそうです。

 2度目のグランドキャニオンでは、ラスベガスから飛び立った9人乗りの小型機は、かなり揺れて気分が悪くなった記憶があります。ラスベガスへの帰路は遊覧飛行は無いので小型機に乗ってきた観光客は、グランドキャニオン空港でDC-10に乗り替えグランドキャニオン空港からラスベガス空港まで一っ飛びです。さすがに大型機で揺れることもなく快適でしたが、飛行機は大型ほど揺れないし、安全なんですね。大型機は重量も大きいので慣性も大きいので揺れにくいのと、数々の電子機器が安全を支えてくれるからです。現在はGPSなどが発達していますが、スマホなどにも入っている加速度センサなどの仕組みを利用しコンピュータで現在位置をはじき出す慣性航法装置(INS)を利用したジャンボは、東京からハワイまで飛んでも数キロの誤差といわれていたように思います。エアバスでは離陸時の画像情報をもとに自動離陸を行うシステムを開発しているようですが、かつてパイロットが自動システムに追いつけずに事故に至ったことがありましたが、繰り返してほしくないですね。


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