世界遺産と日本/世界の町並み w/IT

世界遺産と日本/世界の個性的な町並みをITを交えた筆致で紹介します。

佐賀市内には旧長崎街道沿いの街並みだけでなく、小さな流れに沿った趣の良い町並みがありました

2020-02-02 08:00:00 | 日本の町並み
 かつての西国街道に沿って商店街ができたのが神戸の元町商店街でした。西国街道は、えどから西に延びてきた東海道がさらに西に延びて下関まで続きます。さらに、江戸時代に外国への唯一の窓口であった長崎に通じるのが小倉を始点とする長崎街道町です。五街道にはなっていませんが、重要な街道として位置づけられていたようです。福岡県、佐賀県を通って長崎県にまで至り、かつての街道沿いには古い町並みが残るところも数多くあります。今回は、県庁所在地の街道つながりで佐賀市内の旧長崎街道沿いの街並みを紹介します。

 
 
 
 
 
 
 旧長崎街道は佐賀市内の佐賀駅と城跡の間を東西に貫いて通っています。土蔵造りの古民家が多く残っているのは、城跡より東に位置する柳町と呼ばれる一帯で、明治時代の実業家の旧宅などの和風建築の並びの中に旧古賀銀行のレンガ造りの洋館も残っています。旧古賀銀行は佐賀市歴史民俗館として公開され、隣にはその古賀家の邸宅も公開されています。一方、旧古賀銀行の東にある旧三省銀行の建物は、白壁の和風の建物で窓には緑青の吹いた雨戸が付けられています。通りの角にはたたみ恵比寿と呼ばれる石仏像があり、畳屋さんを守る恵比寿さんらしく、両足を曲げて座っているのは畳の上でした。佐賀市内にある恵比寿像の数は日本一なのだそうですが、なんと800体を超えていて、そのうちの88の恵比寿を巡るスタンプラリーまであるようです。

 
 一方、城跡の西の街道跡には八戸の街並みがあり、こちらは古い町並みはあまり残っていませんが、鋸の歯状の街並みがあります。通りに対して建物が少し斜めに建っていて、通りに面して三角形の空間ができています。敵に対して身を隠すための空間と説明されていますが、地形の制約によるものかもしれません。和歌山県の漆塗りで有名な黒江や、姫路城の北東に位置する野里に近い金屋町などでも見られる町並みです。

 
 
 
 長崎街道沿いだけでなく、佐賀市内には、雰囲気のいい町並みがあるように思います。小さな流れが数多くあるのは低湿地帯のためなのでしょうか。旧長崎街道の南の城跡との間の流れには河童の像が置かれていたり、流れに沿って旧嬉野家の薬医門が残されてると思うと、その隣には下見板張りの洋館の写真屋さんが建っています。

 
 趣の良い道を東に、流れが南に曲がるあたりに佐嘉神社があり、かなり広い境内には焼き物県らしく陶器の灯篭が立っていました。鍋島の藩主から贈られた有田焼なのだそうです。

 
 駅に戻る町並みには、灯篭の明かりならぬLEDの電飾が小雨の中に輝いていました。

 最もなじみのない県や行ったことのない県、はたまた何処にあるのかあいまいな県というアンケート調査では、いつも上位にランクされる県が佐賀県だそうです。焼き物の故郷というだけでは知名度が上がらないのでしょうか。焼き物がどこで焼かれているのかは、多くの人は興味がないのかもしれません。ただ、なじみの薄い県でトップを取れば、それなりに認知度は上がるはずで、2位や3位とは違うかもしれません。昔に「2番ではだめなんですか?」とスパコン開発の費用に文句をつけた政治家がいましたが、これは単なるパフォーマンスにすぎません。2番ではその技術によるスパコンは輸出できないことが分かっていないんです。日本や世界で2番目に高い山をどれくらいの人が知っているでしょうか。


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