世界遺産と日本/世界の町並み w/IT

世界遺産と日本/世界の個性的な町並みをITを交えた筆致で紹介します。

御所に隣接して重要文化財の建物が現役で活躍しているところが同志社界隈です

2011-07-24 08:00:00 | 日本の町並み
 階段の両側にレトロな温泉街が広がる伊香保は、文人が愛した温泉で特に徳富蘆花は当地で障害を閉じましたが、その徳富蘆花は熊本バンドと呼ばれるプロテスタントのメンバーの一員として新島襄が創設した同志社英学校に学び、キリスト教の強い影響を受けたといわれています。今回は、明治期に建設されたレンガ造りの学舎が数多く残されている同志社大学界隈を紹介します。

 同志社大学は、新島襄の創設した同志社英学校を母体にして、1920年に関西初の大学令による大学になった歴史を持っています。京都御所と今出川通りを挟んだ北側に大学本部や同志社女子大それに付属校などが並んでいます。この一郭に食い込むように建っているのが京都で唯一のこる公家である冷泉家の建物で、歴史的には江戸時代に建てられた冷泉家の建物のほうが古いわけですから、同志社が冷泉家に食い込んだというべきかもしれません。

 
 
 
 冷泉家の江戸時代にはかないませんが、同志社大学には明治期のレンガ造りの建物が数多く残され、6棟が重要文化財に指定されています。明治期の建物の数では明治村が圧倒的ですが、見世物ばかりの博物館とはちがって、建物のすべてが現役で生きていることです。ヨーロッパなどでは、100年以上の世界遺産に指定された建物に人が住み続けている例は多いようです。建物が石造りなどで朽ちないことのも理由の一つでしょうが、使いづらさや不便さを押してまで住み続けるのは古いものへの愛着の現し方の差なのでしょうか。

 同志社大学と相国寺への参道を挟んだ東にあるのが同志社女子大です。こちらには昭和初期とだいぶ時代は下り、レンガではなくタイル張り建物ですが、今出川通りに面して美しいシンメトリーな姿を見せているのが栄光館です。内部にはパイプオルガンもあって、窓や壁の意匠などなかなか美しい建物のようですが、おそらく非公開なのだと思います。


  同志社大学の前身の同志社英学校を開設した新島襄ですが、その新島襄が設計して住んでいた旧宅が、御所の東にあって内部も見学できます。セントラル・ヒーティングも付いて、周りにひさしを巡らし、神戸の北野町にあるような異人館にも似た洋館はなかなか洒落ています。資料なども豊富で、新島襄に興味のある方は、ぜひ行かれると良いと思いますが、常時公開ではないのかもしれません。ちなみに、新島襄は群馬県の安中の出身で、安中にも記念館があるそうです。

 レンガの原料は言うまでもなく「土」で、その中に含まれている鉄分のせいで独特の赤い色をしています。雨の少ない国々では焼かないで太陽に干しただけの日干し煉瓦が使われますが、日本では焼き物、つまりセラミックスの一種です。セラミックスと十派一からげにするには、作り方も用途も多岐に渡っていていますが、IT分野ではファインセラミックスが無ければ成り立たなかった部品も多いものです。日本を代表する会社にまで成長したセラミック会社もあるくらいですから。単なる土くれが、高価な茶碗に変身するように、ITを支える重要な位置を占めるものも、厳選された材料を使うとは言え茶碗などと同じ組成の磁器なのですね。


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