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かいばら(柏原)という変わった読み方の旧城下町にレトロモダンな洋館も似合います

2023-09-10 08:00:00 | 日本の町並み
 大阪の市街地からさほど遠くない丘陵地帯に時間の止まったような街並みが残っているのが柏原市の太平寺地区でした。太平寺のある柏原は
かしわら」と読みますが、なんと地名として6種類の読み方が存在します。「かしわら」以外に「かしはら」かいばら」「かしわばら」「かせばら」「かしわばる」で、このうち3種類の読み方の駅名が存在します。今回は、これらの柏原の中から福知山線に駅名が存在する兵庫県丹波市の柏原(かいばら)築を紹介します。

 柏原駅は福知山線の北部、篠山口駅と福知山駅との間にあります。2004年までは氷上郡の町でしたが、合併によって丹波市の一部になりました。この丹波市の誕生をきっかけに、本ブログで7月に紹介した篠山市の名称変更のなりました。人口1万人程度ですが、陣屋跡がある柏原藩の城下町として落ち着いた街並みを残す町です。

 
 
 町の入り口となる柏原駅は1990年に大阪で開催された鶴見万博の会場にあった山の駅を移設したもので、田舎の駅にには珍しいしゃれた簡易です。駅の近くには、やぐら公園があって、太鼓櫓の模型があります。太鼓櫓は陣屋の付属として建てられ、時刻を知らせたり、望楼としての役割があったそうで、やぐら自体は駅から200mほど北にあります。やぐら公園から北に柏原八幡神社に延びる篠山街道の周辺が町の中心地で、古民家を利用した店舗も残ります。

 
 
 
 八幡神社は7世紀に創建という神社で本殿と拝殿は重文指定です。重文には指定されていませんが神社には珍しい三重塔や鐘楼もありますが、明治の廃仏毀釈の嵐をかろうじてまぬかれた建物だそうです。八幡神社に上る手前にあるのが木の根橋で大きな欅の木の根が小川を渡って橋の形となったものです。子供の危機を救うために根が伸びたという民話が残っているそうです。この大欅の向こうにあるのが旧丹波市柏原支所庁舎で90年ほど前の昭和初期に建てられたモダニズム建築で大木といい対比をしています。

 
 
 旧陣屋跡は、篠山街道より200mほど東の南北の通りに面する小学校の敷地にあります。残っている遺構は長屋門のみで、御殿は明治期に解体されたものを縮小再建したものです。陣屋跡近くには、「雪の朝 二の字二にの字の 下駄の跡」の句で有名な田捨女の像があるはずなのですが、工事中だったのか見損ねました。陣屋跡の北隣には、旧氷上郡各町村組合立高等小学校の遺構があります。こちらは旧支庁者の建物予知古く明治後期の木造建築で、下見板張りのモダンな建物です。

 今ではスマホでも音声認識も音声合成も当たり前でできるようになりましたが、50年以上まえには、多少は進んでいた音声合成でも、注意して聞かないと何を言ってるのかよくわからないといったレベルでした。コンピュータ内に日本語の発音の辞書を持っていましたが、当時の技術ではメモリ容量も処理能力も3~5桁ほど違ったので難しかったのでしょう。柏原のように日本語では同じ漢字で読みの違うものも多いので英語よりも難しかったかもしれません。

 スマホを用いた自動翻訳のアプリは旅行などでは重宝します。ただ、ベトナム語などメジャーではない言語では、とんでもない訳文が出ていてびっくりします。日本語では柏原のように同じ漢字で読みの違うものも多いので英語よりも発音が難しいのかもしれません。ベテランの通訳の方から聞いた話ですが、代名詞の多い会話では、その代名詞を実際の名詞に置き換えて通訳しないと話が伝わらないので、事前にバックグラウンドを調べておくとのことでした。自動翻訳アプリにも、生成AI機能を組み合わせる必要があるのかもしれません。


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