世界遺産と日本/世界の町並み w/IT

世界遺産と日本/世界の個性的な町並みをITを交えた筆致で紹介します。

和気清麻呂のふるさと和気町には全国の藤の花が咲き誇っています

2006-05-09 14:36:38 | 日本の町並み
 例年はゴールデンウィーク前に満開となる藤の花も、菜の花と同様に今年は少し遅れているようです。この藤を全国から集めて一箇所で見ることができるのが和気(わけ)で、藤公園には総延長500mを超えるの藤棚に100種類に及ぶ藤が植えられています。
 和気は、岡山県の東南部、兵庫県に近い町で、JR山陽線の和気が最寄り駅となります。和気といっても馴染みが薄いかもしれませんが、奈良朝の時代にに活躍した官僚の和気清麻呂の名前はご存知の方も多いかもしれません。天皇の地位をも狙ったという道鏡を失脚に追い込んだ中心人物とされています。和気清麻呂を取り立てたのが「藤」原氏というのも妙な関連でしょうか。この和気清麻呂の生誕の地が和気町で、藤公園近くの芳嵐園内には彫刻家の朝倉文雄作の清麻呂像が建っています。この像は4mを超えるもので、近寄ってみるとなかなか迫力があります。
 藤公園は、駅から4kmと歩くには少し遠いのですが、藤の開花期には臨時のバスも運行されるようです。今年は開花が遅れているので、見物にはまだ間に合うのではないでしょうか。ただ、臨時のバスのほうは例年の開花期に合わせたのか、ゴールデンウィーク中のみのようでした。
 藤はつる性の植物で、この藤蔓を使った籠などが民芸品としてお土産やさんに並ぶことも多いのですが、実用品としての利用は減ってきました。このことが、山を荒らす遠因の一つなのだそうで、木に藤がからみつくと、日光をさえぎり光合成を妨げて木は弱ってしまうのだそうです。藤蔓の利用が減ったこてや、輸入材の利用で山林の手入れに人手が割けなくなり、過剰な藤が取り除けなくなった結果、藤の花が見事な山が増えているそうです。眺めていると美しく香りも良い藤の花ですが、単純に喜べないところがあるんですね。
 経済性のみを考えれば、身近な山林に人手をかけるよりも、安い材木を輸入して利用したほうがコストがかかりません。リサイクルの問題も同じように思えます。回収して再利用するよりも、新しい材料を使って生産するほうがコストがかからないことが多いために、リサイクルが進まないのですね。1~2年で買い替え需要があって大量の不用品を生む携帯電話も同じような状況でしょうか。現時点ではリサイクルのほうがコストがかかっていても、リサイクルに真剣に取り組まなければ、将来には資源枯渇という強烈なしっぺ返しを受けることになるのではないでしょうか。


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