世界遺産と日本/世界の町並み w/IT

世界遺産と日本/世界の個性的な町並みをITを交えた筆致で紹介します。

大宰府政庁跡の周辺には、過去から現代につながる見どころが沢山です

2017-05-21 08:00:00 | 日本の町並み
 砂丘、稲荷そして祭りと日本の三大XXを続けましたが、今回はさらにその続きで日本三大史跡の一つである大宰府の周辺を紹介します。大宰府の東にある太宰府天満宮は、三大天神の一つにもなっています。

 
 
 大宰府跡は、福岡市の南東10kmほど、西鉄の大牟田線の都府楼前駅の東900m、大宰府線の西鉄五条駅の西1.2kmほどに位置します。大宰府は6~7世紀に大和政庁の出先機関として置かれ、現在は政庁跡は南北200m、東西100mほどの原っぱに石柱や礎石などが残るのみです。政庁跡はこの程度ですが、かつては政庁の南側には2.5km四方ほどの条坊製の町並みが広がっていたそうです。

 
 政庁跡の東には、観世音寺と戒壇院とがあります。戒壇院は、もとは観世音寺の西戒壇で、日本三大戒壇の一つになっているそうです。観世音寺側の門のそばには、鑑真が唐から請来したという天然記念物の菩提樹があります。

 
 
一方の、観世音寺は、7世紀に創建の九州を代表する古刹です。梵鐘が国宝に指定されていますが、宝蔵の中央に立つ三体の重文像に存在感があります。像高が5mほどの馬頭観音、不空羂索観音そして十一面観音で、あたりを圧しています。

 さらに、東に行くと菅原道真を祭る太宰府天満宮があります。京都の北野天満宮と共に全国の天神様の総元締めになっています。境内には、道真が大宰府に左遷されたときに、後を追って京都から飛んできたと言われる飛梅があります。大宰府に赴任の前に、自邸の梅のそばで歌った、「東風ふかば、にほひおこせよ梅の花、あるじなしとて、春な忘れそ」はあまりにも有名です。

 
 天満宮を頂点にした三角形の他の頂点には、光明禅寺と九州国立博物館(九博)があります。光明禅寺は13世紀に創建され、江戸時代には天満宮に仕える人たちの菩提寺でした。苔寺とも呼ばれ、苔むした庭は美しく、特に秋の紅葉の頃は、京都にも負けない景色がひろがります。
 一方九博は、美術系の博物館の性格を持つ東博、京博、奈良博に対して歴史系の博物館として位置づけられています。位置づけだけでなく、曲線を多用した建物は、他の博物館とは一味違った博物館となっています。

 観世音寺にある馬頭観音とう仏像は、なじみが少ない仏像の一つかもしれません。観音は信者の様々な願いを聞きとどけて、さまざまに姿を変えて出現し、これを変化観音といわれています。馬頭観音もその一つで、、千手観音、十一面観音などなどがあります。聞きとどけると言えば、現在ではスマホに向かって話せば、話す内容を認識してくれます。筆者が就職したころは、大型コンピュータを使い、特定の話者が事前に録音した言葉の中から内容を認識するのが精いっぱいで、それもオフラインでの処理でした。その後のコンピュータの処理能力の向上と、ソフト技術の発展で現在のように手軽に使えるようになりました。そこには、スマホの販売者ではなく、陰でこれらの技術を支えた技術者の存在を忘れてはならないと思います。


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