世界遺産と日本/世界の町並み w/IT

世界遺産と日本/世界の個性的な町並みをITを交えた筆致で紹介します。

世界でもっとも古い野外博物館のスカンセンは動的な展示も見ごたえです(スウェーデン)

2017-05-28 08:00:00 | 世界の町並み
 順天では、周辺を回るバスツアーで、映画村やお寺に加えて民俗村もコースに入っていました。韓国では、ソウルの南の水原郊外にも民俗村があって、村内では結婚式の行列などいろんなイベントがありました。日本の各地にも民俗資料館的な施設を抑見受けますが、単に昔の道具を集めたり、昔の様子を図示していることが多く、資料的な意味合いが強いだけの感じを受けます。一方、外国の同類の施設は、色んな実演などを交えて、入場者を楽しませる工夫がなされている場合が多いようです。スウェーデンのストックホルム郊外のスカンセンは民俗村とは謳っていませんが、伝統的な住居やモノづくりの実演が楽しめます。

 スカンセンは、ストックヒルムの中心街の東2kmほどにあるユールゴーデン島にある野外博物館で、スウェーデン各地の建物が緑豊かな園内に散在しています。建物の中では、鍛冶屋や陶芸などの伝統的な手仕事の実演もされていて、動的な展示にも厚みがあります。30万㎡という広さは、東京ドームの6倍以上、バチカン市国の2/3ほどということになります。

 
 
 この広い敷地にある伝統建築は、18世紀から20世紀にかけて建てられた建物がスウェーデン各地から160棟ほども移築されています。単純に建物を並べているだけではなく、その建物が元あった環境が復元されているようで、周りには農園や森林が広がります。筆者は気が付きませんでしたが、北の方の建物の周りには、北の方の花々を、南には南の花々が植えられているそうです。農家の建物が多く、ほとんどが木造で、民家にしては300年もよく持ったなってかんじです。寒い地方では、きの保存性が良いのでしょうか。

 
 
 スウェーデンの伝統的な手仕事の実演は、メインエントランスを入って、エスカレータを上がったところに集中しています。数多くの店屋が並ぶエリアに、ガラス工房、陶芸、パン屋や鍛冶屋などが並んでします。伝統建築の中で、伝統衣装を着た人たちが実演を行っています。これらの工房で作られたものは、お土産で売られたり、パンなどはその場で食べることもできます。そういう意味で、これらの工房で実演をしているたちは、マニュアルで動いているのではなく、本物の職人さんたちのようです。

 
  園は少し高台になっているので、ストックホルムの眺めが良く、園内にはミニトレインも走っています。筆者は、行き損ねたのですがスカンジナビアの動物を集めた動物園もあるようです。子供も大人も一日楽しめるテーマパークのように思いました。このテーマパークは、どこかのランドのようにレプリカではなく、本物の家や工房が並んでいるのでお値打ちではないでしょうか。

 スカンセンに行くと、木造の古い家の丈夫さに驚きますが、木というのは切った時よりも、切った後に強度が増し、その後はだんだん弱くなるのだそうです。例えば、ヒノキの場合は、切った後50~100年くらいに最強になり、その後弱くなりますが、1,000年経っても元の強度以上なのだそうです。建物を建てる時には、構造計算をして、使用する木材を選ぶのですが、通常は切り倒された木材を使って測定します。ところが、最近のIT技術の発展で、生きている木にセンサーと取り付けて、木の中を伝わる音波の速度を測定して、強度を図ることができるそうです。民家のための木材の調達では、そこまではやらないでしょうが、大規模な木造建築では、事前に強度が分かれば、余分な木を切らなくて済むというメリットがあるのかもしれません。


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