世界遺産と日本/世界の町並み w/IT

世界遺産と日本/世界の個性的な町並みをITを交えた筆致で紹介します。

ウィーン近郊にはシェーンブルン宮殿をはじめハプスブルク家の宮殿が多く残されています(オーストリア)

2013-09-15 08:00:00 | 世界遺産
 ワイマールの国民劇場の前の広場にはシラーとゲーテとが並んだ銅像が建っています。そのゲーテと親交の深かった音楽家の一人がシューベルトで、生まれたのはウィーンの近郊です。そのウィーンの近郊にある世界遺産がシェーンベルン宮殿で、マリアテレージア在位の18世紀中ごろに完成をした離宮です。シューベルトが活躍したのは19世紀初頭なので、彼もこの宮殿を見たかもしれません。シューベルトより先に生まれたモーツアルトが、6歳の時に宮殿に招待され、マリー・アントワネットにプロポーズをしたという逸話も残っています。今回は、20年以上も前に訪れたシェーンブルン宮殿を紹介しようと思いますが、何せ古いことゆえ思い違いがあるかもしれません、お許しください。また、写真はポジフィルムで撮ったものをスキャナで取り込んだもので、かなり退色が進んでいることをお含み置きください。

 
 
 シェーンブルン宮殿は、ウィーンの中心から西南西へ5kmほどの距離にあって、はぼ1km四方の広大な敷地を持っています。敷地の大部分は緑の森で、その北辺に200m近い長さの宮殿の建物が建っています。建物から伸びる、少し東にかしいだ南北の軸線にそって1kmほどもつながる芝生の庭があり、その先には彫像のある噴水、そしてその先の小高い丘の上にはグロリエッテという未完の記念碑があります。手入れのよく行き届いた庭には、並木が続き、その木の陰から幼いモーツアルトが出てきそうな感じがします。

 世界遺産の宮殿のヴェルサイユ、ドロットニングホルムそれにカゼルタ宮殿などの建物は、クリーム色などの淡い色の外壁で覆われていますが、シェーンベルンはまっ黄色です。当初は、外壁に黄金を張る計画もあったようですが、財政的な理由から、黄金色に近い黄色に塗られたそうです。そういえば、同じドイツ語圏のサンスーシ宮殿の外壁もまっ黄色の壁の上に緑の屋根が乗っていました。

 
 
 ウィーン市内には、ウィーン歴史地区という別の世界遺産に登録されているホーフブルク宮殿や、ヴェルベデーレ宮殿があります。ホーフブルク宮殿は、ハプスブルク家が滅亡するまで王宮として使われ、現在は大統領公邸として使われています。一方、ヴェルベデーレ宮殿は、シェーンブルンと同様に離宮として作られ、現在は美術館として使われています。こちらも、噴水のある広い庭園の中にバロック建築の建物が建っていますが、筆者が訪問した時は工事中で間近からの建物の姿は写真に撮れませんでした。

 ハプスブルク家は、戦争によらず政略結婚によって版図を広げていったことで有名です。政略結婚の当事者としては、親が勝手に決めた相手と結婚させられるのは不満かもしれませんが、戦争で迷惑をこうむる国民としてはありがたいことかもしれません。これまで、国と国とのもめごとは、暴力に発展することが常のようでしたが、もめごとにしないハプスブルク家のやり方は学ぶべき点がありそうです。通信が発展をして、お互いの意思疎通がうまくいけば、争いごとは減ると思いたいのですが、その通信を利用して、相手国のシステムを混乱させるサーバー攻撃が国家権力に利用されるのは悲しい事実のようです。


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