世界遺産と日本/世界の町並み w/IT

世界遺産と日本/世界の個性的な町並みをITを交えた筆致で紹介します。

烏鎮は日常の生活そのものが生きた博物館になっている水郷の町です(中国)

2011-05-22 08:00:00 | 世界の町並み
 北欧諸国の首都は、どちらも緑と水に囲まれた落ち着いた都市ばかりでしたが、中国の江南地方は揚子江の河口近くに水辺に緑の木々が美しい水郷の町がたくさんあります。それらの中で世界遺産にも登録され、日本人にもおなじみの蘇州は、別途世界遺産の項で紹介することとして、今回は最近パッケージツアーでも立ち寄るものが現れてきた烏鎮(うーじぇん)を紹介します。

 烏鎮は上海と杭州との間にある水郷の町で、上海、杭州のどちらからも路線バスが出ているようです。杭州からのバスは市の北部にあるバスターミナルから出発しましたが、中国のバスターミナルというのは、どこでも巨大でまるで体育館のようです。2時間ほどかけて町のバスターミナルまで走り、そこから水郷の町並みまでは歩いてすぐです。入り口で、入域と博物館の入館料が一緒になったチケットを購入します。博物館といっても、いろいろな職種の民家に関連の道具類や資料類を陳列したもので、大阪の平野の町ぐるみ博物館と似たような感じです。



 筆者が烏鎮を訪問したのは6年ほど前で、現在「烏鎮東柵景区」と呼ばれている地区のようです。その後の2007年1月に「烏鎮西柵景区」がオープンし、こちらは東柵景区の3倍以上の広さにイベントホールやホテルまで作られているそうです。ただ、西柵景区は町並みは古いまま残されていますが、住民はすべて引越しをさせられたディズニーランド状態のようです。一方の、東柵景区のほうは昔からの住民が日常生活を営んでいる場所で、博物館といっても日常をちょっと覗かしてもらうという感じです。

 
 水郷の町並みは、杭州と北京とを結ぶ京杭大運河から分岐する水路に沿って伸びていて、水路と平行に路地も作られています。家々の表玄関は水路側のようで、横付けされた船に降りてゆく石段のほうが、路地側の出入り口より立派に見えます。

 
 路地に沿った家並みの中に、造り酒屋さん、染物屋さんなど現役の仕事場を見せてくれ、何とはなしに仕事の流れが推定できます。

 
 中には、薬屋さんのように、現役ではなく店の様子を展示した博物館風のものや、古い民家を利用した喫茶店風の店もありましたが、テーマパークのような空々しさは、あまり感じません。

 
 広場の端には舞台があり、京劇風のお芝居が上演されていましたが、江南地方なので崑劇なのかもしれません。中国の舞台というのは、2階のベランダで演じられている、といった高い位置にあるものが多いようです。北京郊外の世界遺産頤和園(いわえん)の中にあって西太后が京劇を楽しんだという舞台もずいぶんと高い位置に作られていたように思います。あまt、一軒の民家では影絵が演じられていて、東南アジアで見たような単純な動きの影人形を見ることができます。

 筆者は路線バスを使って烏鎮を訪問しましたが、幹線道路を中には日本と比べて格段に安いタクシーを利用する観光客も多いようです。ところが、烏鎮は高速道路から降りた後の道が結構ごちゃごちゃしていて、迷うタクシーも居るのだそうです。中国ではタクシーに地図を見せて「ここに行ってくれ」という指示をしても、地図が読めなくって、行ってくれないことが多いとか。アメリカでも同様の状況があるようで、「2ブロック行って右折して、その先を3ブロック行って左折・・」というように道なりの指示をしないとだめだそうです。頭の中で地図を現状の上に写像するのが苦手とのことで、携帯に表示されたGPSの地図を見て何処にでも出掛ける日本人とはだいぶ違うようです。


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