世界遺産と日本/世界の町並み w/IT

世界遺産と日本/世界の個性的な町並みをITを交えた筆致で紹介します。

島原の乱で有名な町には町中に綺麗な水があふれていました

2007-05-06 17:27:15 | 日本の町並み
 大村はキリシタン大名大村氏の築いた待ちですが、キリシタンといえば思い起こされるのが天草四郎の島原の乱ではないでしょうか。島原の乱の発端となったのは飢饉や重税に苦しむ民衆を救うためといわれていますが、その重税により松倉重政が築いたという島原城のおひざもと島原の町を紹介します。

 島原鉄道の島原駅に降り立つと、正面に島原城の天主が見えますが、これは昭和39年に再建されたもので、元のお城は明治7年に廃城になっています。島原はこのお城を中心とした城下町で、お城の裏には武家屋敷の遺構も残っています。

 島原は14年前に雲仙普賢岳の噴火による火砕流の被害に遭ったことはまだ記憶に新しいところですが、不通になっていた島原鉄道も全線が開通し、黄色のかわいらしい車両が走っています。火砕流の原因となった雲仙山塊は、島原を豊富な湧水の町にもしています。町のいたるところに湧水があり、全体で10万トン/日もの清水が湧き出しています。火と水とは両極ですが、島原の風景には水が切り離せないようです。

 お城裏手の武家屋敷が並ぶ一郭の道路の中央には、まるで中央分離帯のように水路があります。

このような水路は大和郡山でも見られますが、郡山の水路が舗装道路の中央に都会風の顔をした水路があるのに比べて、こちらは未舗装の田舎道に川底の石ころの下から蟹が現れそうな素朴な川が流れています。湧水のある場所は、井戸端会議の場所でもあるらしく、これだけ会議場が多ければ、さぞやコミュニケーションも良くなるのではないかと思います。

 これらの湧水群の中に、ご自宅を開放しているところがあり、通称水屋敷と呼ばれている民家があります。庭一面が池になっていて、綺麗な水が湧き出しています。ここでは、大寒のときに米粉をさらして作ったという寒ざらしを出してくれます。

池を眺めながら、湧水でほどよく冷えた甘い白玉だんごを食べてひと休みができます。

 水のおいしさを決めるのは、温度、硬度それに溶け込んでいる気体の分量などだそうです。日本は、良い水に恵まれた国の一つで、名水百選として全国においしい水が湧き出しているようです。これらの味を客観的に定量化する、味覚センサを作るのはなかなか難しいらしく、現在のところ検定士の舌に頼るところが大きいようです。例えば、水の中のカルシュウム濃度は測定できても、その濃度と味覚との相関関係や他のファクタ、例えば炭酸ガスの含有量との関連の定量化など解決しなければならない問題が多すぎるようです。味覚と嗅覚がIT分野において電子化が最も遅れている分野の一つかもしてません。人間の感覚の奥深さを感じます。


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