世界遺産の数が多いのはイタリアやスペインですが、それらの国を抜き去ろうとしている国が中国です。歴史も古く、国土が広く、亜熱帯から亜寒帯までに広がり、自然の様態も変化に富んでいるわけですから、多くなるのは当然といえるかもしれません。今回は、これらの世界遺産の中から首都北京の故宮を紹介します。故宮と紹介しましたが、世界遺産への登録は、北京(ベイジン)と瀋陽(シェンヤン)の明(ミン)・清(チン)朝の皇宮群という長ったらしい名称です。したがって北京の故宮は、登録エリアの一部ということになります。
故宮は、北京のほぼ中央に位置して、若干南北に長い1km四方に迫る広大な宮殿です。故宮の南側に位置して故宮の1/2程度の広さで世界一の規模を誇る天安門広場から、毛沢東の肖像の架かる天安門を抜けて入場します。

門のところではずいぶんと多くの人と一緒に入場するのですが、入ってみると余り人が多いという感じがしません。中が広いせいで、人が散らばって密度が薄まってしまうんですね。天安門を抜けた後も、いくつも門があって、門を抜けるたびに広大な庭が広がります。

これらの庭のほとんどがきり石で舗装されていたように思います。日本のように土や砂利が敷かれている場所は少なかったように思います。日本でも関帝廟や湯島聖堂など中国文化の影響の強い場所では同じように石が敷き詰められているように思います。
宮殿の中の床も石で、その上に玉座が作られています。冬の北京は東京などよりずっと気温が低いでしょうから、さごや皇帝は寒かったのではないでしょうか。

建物の数も半端ではなく、とても全部を廻ることは無理なように思います。
ところで、北京の故宮は故宮博物院という博物館として一般は開放されています。一方、故宮博物館という名称の博物館も存在していて、こちらは台北にあります。かつて、故宮にあった文物の大部分は、実は台北の故宮博物館に保存されています。第二次大戦後の内戦で国民党がこれらの文物をもっていってしまったのだそうですが、戦争をしながらあれだけの物を運んだものだと驚きます。中国の宮廷文化のうち、書や工芸品などをご覧になりたい方は台北を、建物など文化を支えた環境をご覧になりたい方は北京を訪れる必要があります。
博物館に展示された仏像や工芸品は、照明の条件も良く、近くに寄って見ることができるなど、鑑賞という側面からは便利です。さらにWebなどでこれらのものを見る場合は、それを見る場所の自由さも加わり手軽です。おそらく仏像や工芸品などを3次元の映像として鑑賞できる環境も整ってくるでしょう。たしかに、このような手段で鑑賞するのは便利で、時間も費用もかからなくっていいことずくめのような気もします。しかし、それらの作品が本来あった環境を訪れて、バックグラウンドと共に鑑賞すると感動が違うように思えます。エッセンスだけを覚えようとしても、すぐに忘れてしまい、関連情報と紐付けて覚えた記憶はいつまでも忘れにくいのと似ているでしょうか。
故宮は、北京のほぼ中央に位置して、若干南北に長い1km四方に迫る広大な宮殿です。故宮の南側に位置して故宮の1/2程度の広さで世界一の規模を誇る天安門広場から、毛沢東の肖像の架かる天安門を抜けて入場します。

門のところではずいぶんと多くの人と一緒に入場するのですが、入ってみると余り人が多いという感じがしません。中が広いせいで、人が散らばって密度が薄まってしまうんですね。天安門を抜けた後も、いくつも門があって、門を抜けるたびに広大な庭が広がります。

これらの庭のほとんどがきり石で舗装されていたように思います。日本のように土や砂利が敷かれている場所は少なかったように思います。日本でも関帝廟や湯島聖堂など中国文化の影響の強い場所では同じように石が敷き詰められているように思います。
宮殿の中の床も石で、その上に玉座が作られています。冬の北京は東京などよりずっと気温が低いでしょうから、さごや皇帝は寒かったのではないでしょうか。

建物の数も半端ではなく、とても全部を廻ることは無理なように思います。
ところで、北京の故宮は故宮博物院という博物館として一般は開放されています。一方、故宮博物館という名称の博物館も存在していて、こちらは台北にあります。かつて、故宮にあった文物の大部分は、実は台北の故宮博物館に保存されています。第二次大戦後の内戦で国民党がこれらの文物をもっていってしまったのだそうですが、戦争をしながらあれだけの物を運んだものだと驚きます。中国の宮廷文化のうち、書や工芸品などをご覧になりたい方は台北を、建物など文化を支えた環境をご覧になりたい方は北京を訪れる必要があります。
博物館に展示された仏像や工芸品は、照明の条件も良く、近くに寄って見ることができるなど、鑑賞という側面からは便利です。さらにWebなどでこれらのものを見る場合は、それを見る場所の自由さも加わり手軽です。おそらく仏像や工芸品などを3次元の映像として鑑賞できる環境も整ってくるでしょう。たしかに、このような手段で鑑賞するのは便利で、時間も費用もかからなくっていいことずくめのような気もします。しかし、それらの作品が本来あった環境を訪れて、バックグラウンドと共に鑑賞すると感動が違うように思えます。エッセンスだけを覚えようとしても、すぐに忘れてしまい、関連情報と紐付けて覚えた記憶はいつまでも忘れにくいのと似ているでしょうか。