シャツのほころび涙のかけら

昔よく聞いたNSPのタイトルを拝借。…趣味や日常を綴っています。基本はガンバレ自分!時々覗いてみてください。

アサギマダラ(森林公園)

2016-10-28 | 自然・環境とか
10月16日、武蔵丘陵森林公園の野草コース、フジバカマの群生には多くのチョウが舞っていた。その中で、特に多かったのがアサギマダラ。名前は知っていたけど、それと分かって見たのは初めてかもしれない(日記に取り上げるのも初めてだ)。これを機に調べてみた。
 
アサギマダラは、チョウ目タテハチョウ科マダラチョウ亜科に分類される。特徴としては、
・前翅の長さ4~6センチ。翅をひろげると10センチほどになる
・黒と褐色の模様と斑紋部分は透けるような薄い浅葱色(半透明の水色)
・オスとメスの大きな違いはないが、オスには後翅に黒っぽい性斑がある
・夏から秋にかけてはフジバカマ、ヒヨドリバナ、アザミなどのキク科植物の花によく集まり、吸蜜する姿が見られる・・・とのこと。当公園でもフジバカマの花に集まっていた。
 
最初、フジバカマの上でふわふわと飛んでいるのを見て「いたーっ!」と思った。少し歩くと、近くの花にいたので「やったー」と思い、妻の方を見やれば別のを見ている。他の方々もそれぞれカメラを向けている。歩を進めれば近くにいるという状況だった。「今年は多いな~」「本当にキレイな蝶だね~」と御年配の方が言われていた。
 
正面?:翅を開いた状態。
 

側面:翅を閉じた状態
 

少しの日の当たり方の違いで、翅色の濃淡(の見え方)が異なるものだ。
 
翅を開いた状態の裏側もついでに。翅の一部が欠けていた。長旅は大丈夫?
 

アサギマダラは、人をあまり恐れないようだ。アップも撮れた。頭から胴体も水色のような斑点がある。
 
 
フジバカマの群生は広いので、相当数のアサギマダラがいたのだろう。プロっぽい大砲を持ったカメラマンは、飛んでいるところを連続で撮っていた。 (↓群生の様子)
 
 
アサギマダラの母蝶は、幼虫の餌になるガガイモ科の植物を探して、葉の裏側に産卵する。北上していくオスは、スイゼンジナやスナビキソウの花に集まり、夏の高原ではヨツバヒヨドリ、秋には同属のヒヨドリバナ、フジバカマに群がる習性がある。オスが特定の植物に集まるのは、メスを誘うフェロモン分泌のためで、それらの植物の花蜜などに含まれているようだ。
 
アサギマダラが有名なのは、見た目のキレイさだけでなく、日本で唯一の長距離の渡りをすることで知られている。マーキング調査での距離は2000キロ以上。
これまでのマーキングの記録をつなげると、夏から秋にかけて、東北地方から東海地方へ、そして紀伊半島や四国を通って、鹿児島県の喜界島、沖縄方面へと移動していく、旅路が見えてくるらしい。
 
南方や低地で羽化したアサギマダラの成虫は、春から夏にかけて北東へ、あるいは高地へと移動する。夏の間は、標高1000メートル以上の高原地帯が主な生息地となる。そして、夏の終わりから秋には、北上した蝶の子や孫の世代が低地へ、南へと移動していく。
 
マーキング調査って、実際どうするのかと思ったら、捕獲したチョウの翅に油性ペンで地名や捕獲者、通し番号を書いて放すらしい。マークしたチョウの再捕獲によって、春と秋の大移動が立証されたわけだ。
マーキング調査には多数の方が参加しており、一人で数千羽をマーキングする人もいて、全国では数十万匹にもなるようだ。おそれいる。
 
しかし、何によって触発され、なぜ季節移動を行うのか、小さな体でどうやって進行方向を定め海をも越えるのか、などなど未だたくさんの謎に包まれたまま。神秘のチョウと言われる所以である。
 
コメント (8)
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