草莽隊日記

混濁の世を憂いて一言

個々の人間の内面をも支配する生権力への反乱が世界の潮流に!

2020年06月30日 | 思想家

東京都知事選挙の候補者を見ていて、少しばかりずっこけている人もいて、世の中が変わってきたことを実感させる。マイノリティーの人たちの世界的な反乱なども、生権力への抵抗ということが、根本にはあるように思えてならない。社会的通念から逸脱をするということが、一つのトレンドになりつつあるのではないか▼生権力というのは、フーコーの『監獄の誕生』によれば、反社会的な者たちを排除するのではなく、彼らを健全化して、従順にするということである。暴力などの物理的な力によって命令するのではなく、個々の人間の内面を支配するのである。新型コロナウイルスの拡大を阻止するために、新しい生活様式なるものが提案されているが、命、健康を守るために一つの行動指針が示され、それに逆らうことは許されないのである。それもまた生権力の見えない力が働いているのだ▼これから生権力の訓練の場である学校、会社などのシステムが音を立てて崩れていくのではないだろうか。息がつまることに、人々は耐えることができないからだ。破壊する衝動を抑えきれない人たちは、ある意味では人間らしいが、その先を考えているわけではない。生権力によらない新しい秩序をどう生み出していくか、それが私たちに課せられた課題なのである。


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