戦後民主主義の擁護者であった丸山眞男は、高尚な政治理論を振り回したわりには、具体的な政治的判断となると、床屋政談のレベルであった▼丸山の主張は単純である。一つの政党が非常に長く権力の座にあると、いくら政策的に良い政党であっても堕落する。公約を比較してというよりも、支配関係が惰性に陥っていると腐敗が生じやすいので、「反対政党に投票するという投票行動が十分ありうるわけであります」と述べたのである。昭和33年5月24日の信濃教育界の講演会においてのことである▼反対のための反対の政党であっても、存在する価値があると訴えたのである。そうした丸山の考えで国民が決断したのが、自民党の長期政権にお灸を据えた二度の政権交代であった。一つは平成5年の細川連立政権であり、もう一つは平成21年の民主党政権であった。いずれも大した成果を上げられなかった。反対しかできない政党では混乱するだけで、あらかじめ準備をしておかなければ、政権を担当することは難しいという現実を思い知らされたのである▼反自民だけで、それ以外に政策的な一致がなかったことが問題なのである。権力を奪取するには、それ相応の大義名分がなければならず、丸山のように、反自民の野党を甘やかすべきではないのである。
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中国政府が民主化を求める学生運動を弾圧した天安門事件が起きたのは1989年6月4日。複数の団体が天安門事件関連のオンライン会議を実施しようとしていた。ズームはこのうち、中国本土からの参加者が確認された3つの会議をアカウント停止などにより中止させた。中国当局の言論統制要求を、中国本土外にいる主催者や参加者にも適用したことになる。(中略)
日本も無縁ではない。5月末にはドワンゴが提供するニコニコ生放送における全国人民代表大会(全人代、国会に相当)閉幕直後の李克強(リー・クォーチャン)首相の記者会見中継で、『天安門事件』や『くまのプーさん』といった用語が書き込み禁止になった。くまのプーさんは、習近平(シー・ジンピン)国家主席を揶揄(やゆ)する隠語とされる。配信の主体となった中国企業が禁止用語を設定したものとみられ、日本国内に向けたサービスでも中国流の検閲が実施されたことになる」(2020/6/23 日経ビジネス電子版記事から引用)。