知り合いの旧家に保存されていた昭和初期の文書の中に蠅取粉の広告が入っていました。「イマヅ蠅取粉」とあり、蠅退治、蛆退治、便所臭気止、蚊退治、南京虫退治、油虫退治、蟻退治、蚤・虱退治、鳥の羽虫退治、牛馬の蠅退治、犬・猫の蚤退治、農作物の害虫駆除、衣類虫除、書画虫除の効用が書かれています。
今の若い人は、蠅を見ることも滅多にないでしょう。蛆など見たこともないでしょうが、私達の世代は、子どもの頃、天井から蠅取紙が吊されていたことを覚えているはずです。便所には蛆がわくというのも体験しています。
調べてみると、今津化学研究所を起こした今津明氏は明治17年徳島県生まれで、京都帝大を卒業。のちにフランスの大学で学び、帰国して大阪に今津化学研究所を設立して害虫駆除剤などを製造販売したとあります。
広告の「宮内省御用品」「ほんの少しで一たまりもなく死ぬ」の宣伝文句に目が止まります。退治、駆除する蛆などの絵がなんとなく懐かしく感じるのは、身近だったということなんですね。
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