ふるさと加東の歴史再発見

少し気をつけて周囲を見回してみると、身近なところにふるさとの歴史を伝えるものがある。

昭和4年-農会の多収穫講演会

2008年12月22日 05時16分51秒 | Weblog
 昭和4年(1929)、加東郡農会主催の多収穫講演会が元郡公会堂(現明治館)に於いて開催されています。講師は滋賀県の若林善右衛門氏で反当7石という多収穫記録を樹立したその体験談を語るというものです。
 その通知とビラを紹介します。


社農第一三三号ノ一
 昭和四年九月十三日    社 町 農 会

各区長殿
各農会役職員殿

  多収穫講演会ノ件

来ル本月十九日午後一時ヨリ元郡公会堂ニ於テ郡農会主催稲作多収穫講演会開催相成候ニ付貴部内一般ヘ周知方御取計ヒノ上多数聴講候様御勧誘相成度及御依頼候成

  附

講師 滋賀県 若林善右衛門
 御承知ノ通リ若林氏ハ昨年富民協会主催ノ多収穫競作ニ於テ反当実収七石ノ新記録ヲ示シ当時農林大臣賞ヲ受ケラレタル人ニシテ氏ガ十数年間多収穫ノ研究ニ没頭シ遂ニ成功セラレタル体験談アル筈ニ有之候テ演題ハ「米七石ヲ穫ル迠」ニ有之候


(ビラ)※写真

■米を七石までとつて見ませう

米価問題は今では政治問題で吾々農家にとつては遠い火で手をあぶるやうでやれそれの間に合ふやうにも思はれません 農村救済の声も又政治屋の遠吼で真剣味を欠いて居ります 農村の疲弊農家経済の行詰りは農家自身が一番よく味つて知つて居ります 敢て他力を頼むより農家自体で運命の開拓を計りませう 差し詰吾々農家は米が高ければ勿論又安ければ安い程沢山収穫せなければなりません 即ち多収穫を計つて一粒でも余計に穫る事を考へませう 多収穫勿論学理も必要でせうが天候に支配さるゝ我農業には実地の経験が最も必要です
就ては今回滋賀県の篤農家で昨年富民協会の多収穫競作で反当実習七石五勺を収穫して農林大臣賞を得られた
 若林善右衛門氏
を煩はして其体験談を承る事にいたしました
村中挙つて御聴講ください

          加 東 郡 農 会

     記

多収穫体験談

九月十九日
午後一時ヨリ    社町元郡公会堂
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