ふるさと加東の歴史再発見

少し気をつけて周囲を見回してみると、身近なところにふるさとの歴史を伝えるものがある。

昭和12年度海軍志願兵の栞(海軍省)から②

2009年03月24日 05時05分37秒 | Weblog
 昨日に続いて、昭和12年度(1937)「海軍志願兵の栞」を紹介します。
志願は、海軍の各兵種から自分の志願するものを選ぶことになっています。自分の体力等を考えて、第一、二志望まで申し出ることができます。しかし、いったん入団したあとは兵種の変更はできないことになっていました。どんな兵種があったのかを栞の説明文から見てみましょう。


▲水兵(掌電信兵志願者を除く)
主なる役目=大砲、水雷又は測的に関係あること、艦艇の運用、信号等
この兵種は海軍兵の中で最も人数が多く、其の職務は主として直接戦闘に携はるものである。
近来、大砲、水雷其の他の兵器が愈々精巧なものとなつた為に、之を取扱ふ水兵は益々優秀なる頭脳、体格のものでなくてはならない。大砲や水雷発射管の射手等の華々しい役目や測的員操舵員信号員の様な責任の重い役目は、皆この兵種が当るのであつて、精密な機械は機関兵や掌電信兵等のみの受持であると思ふ人があつたら、それは大なる間違である。

▲水兵(掌電信兵)
主なる役目=無線電信無線電話の取扱。最初志願する時から掌電信兵として志願するのである。

▲航空兵(予科及偵察練習生志願者を除く)
主なる役目=航空機々体又は発動機の整備取扱。
航空機の整備は襲来水兵若は機関兵の一部の者が従事してゐたが将来はこの兵種によつて専門に取扱はれることになつた。

▲航空兵(予科練習生志願者)
主なる役目=航空機の操縦及機上諸作業
従来「少年航空兵」と呼ばれてゐた。採用されるとすぐ横須賀海軍航空隊に入隊して特別の教育を受けるのである。

▲航空兵(偵察練習生志願者)
主なる役目=航空機に搭乗し偵察、爆撃通信等の機上諸作業
最初は掌電信兵と同様の教育を受けるが、後偵察練習生に採用される。

▲機関兵
主なる役目=汽缶、機械、電気機械取扱、機関工業、木具工業、潜水作業等。
此の兵種は水兵と共に海軍に於ける主なる兵種であつて、機械の運転を始め缶を焚く事、電気類の取扱、鍛冶、旋盤、発電機船体船具の修理木具製作、潜水作業等に至る迄夫々専門的の諸作業に従事するのである。

▲軍楽兵
主なる役目=儀式礼式の為、又は士気を鼓舞する為、その他国際的交歓等の際に楽を奏す。
所謂海軍の軍楽隊となるのである。

▲看護兵
主なる役目=傷病者の看護、調剤、治療の助手

▲主計兵
主なる役目=被服、糧食、需品其の他一般経理事務、和洋食調理。
主計兵には厨業の方と、経理の方とあつて、厨業の方は主として右に挙げた様な職務に携はる。然し初めの間は誰でも一様に炊事に従事するのである。
経理の方は、別に庶務会計のみを掌するのであるが、これは経理学校を卒業して来てからのことである。
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