出張のため、更新できていませんでしたが、数日ぶりに投稿します。昭和12年度の海軍志願兵の栞を紹介しているところですが、これまで「海軍志願兵の使命」、「各兵種の職務概要」の項目を紹介しました。今日は、「志願手続、検査」についての項を紹介します。
実は出張先で海上保安庁の保安本部、巡視船での調査がありました。日本の海の守りを担っている現場でその使命感の高さ、きびしい任務の状況を肌身で感じてきたところです。
(四)志願手続及徴募検査
志願兵の募集、志願書の提出期日、徴募検査の日割等は毎年各府県毎に一般に告示される。
志願者は右募集があつたら、親権者の同意を得た上で、志願書を作り期日に遅れぬ様に市区町村長を経て地方長官に出願すればよい。志願者の様式、検査期日場所等詳細は市区役所又は町村役場に就いて問合はせばよい。
(イ)身体検査
※身体検査は兵種や年齢によって少し違っています。一覧表が掲載されていますが、そのまま掲載できないので、項目等のみ紹介します。
兵種、年齢毎に次の項目が挙げられています。
身長、体重、胸囲、胸郭拡張、活量、視力
(注意)
(一)近眼や強度の「トラホーム」腋臭等は合格覚束ないが「トラホーム」は軽いものは早目に治療すれば全治する筈である。
(二)識色の判別がつかないもの(色盲)は海軍兵には不適当であるから思ひ止まる外はない。
(三)胸囲拡張は深呼吸で胸の拡張する程度を検査するので、拡張時と縮小時との胸囲の差が多い程良い。
(四)活量は肺に一杯空気を吸ひ込んで之を吐き出す量を測るのであつて、其の量が多い程良い。
(五)身体懸垂は上から吊した綱を片手で握り、身体をぶらさげ、五秒間堪へられなければならぬ。
(ロ)学術試験等
学術試験は読書、数学の二科目に就き高等小学校卒業程度に依り行はれる。尚掌電信兵志願の水兵、予科及偵察練習生志願の航空兵及軍楽兵志願者に対しては適正検査も行はれる。試験成績の外に学校の成績が加味せられるから、通信簿(学業証明書)青年学校手帳及各種の褒賞状を有する者は、必ず検査場に携帯して、徴募官の閲覧を受けねばならない。
(ハ)航空兵(予科練習生)志願者の第二次検査
本検査は従来入隊の際行はれてゐたものであるが、昨年度より四月中、下旬に繰上げて行ふことになつた。
即ち志願兵検査に航空兵(予科練習生)を志願し合格した者の中より選抜して約六日間横須賀海軍航空隊に集めて更に学術試験〔読書、数学、雑問(地理、歴史、理科)〕適正検査を行はれる。
右受検者に対しては海軍人事部より市(区)町村を経て本人に出頭通知と受検心得を送付せられる、この検査の結果成績優秀なる者より約半数の採用者を銓衡せられるのであるが、検査が終了したならば採用、不採用に拘わらず一日郷里へ帰るのである。検査期間中は航空隊内に宿泊して兵食を給与せられ又出頭に要する往復旅費は官費で航空隊へ到着の上同隊で給与される。
実は出張先で海上保安庁の保安本部、巡視船での調査がありました。日本の海の守りを担っている現場でその使命感の高さ、きびしい任務の状況を肌身で感じてきたところです。
(四)志願手続及徴募検査
志願兵の募集、志願書の提出期日、徴募検査の日割等は毎年各府県毎に一般に告示される。
志願者は右募集があつたら、親権者の同意を得た上で、志願書を作り期日に遅れぬ様に市区町村長を経て地方長官に出願すればよい。志願者の様式、検査期日場所等詳細は市区役所又は町村役場に就いて問合はせばよい。
(イ)身体検査
※身体検査は兵種や年齢によって少し違っています。一覧表が掲載されていますが、そのまま掲載できないので、項目等のみ紹介します。
兵種、年齢毎に次の項目が挙げられています。
身長、体重、胸囲、胸郭拡張、活量、視力
(注意)
(一)近眼や強度の「トラホーム」腋臭等は合格覚束ないが「トラホーム」は軽いものは早目に治療すれば全治する筈である。
(二)識色の判別がつかないもの(色盲)は海軍兵には不適当であるから思ひ止まる外はない。
(三)胸囲拡張は深呼吸で胸の拡張する程度を検査するので、拡張時と縮小時との胸囲の差が多い程良い。
(四)活量は肺に一杯空気を吸ひ込んで之を吐き出す量を測るのであつて、其の量が多い程良い。
(五)身体懸垂は上から吊した綱を片手で握り、身体をぶらさげ、五秒間堪へられなければならぬ。
(ロ)学術試験等
学術試験は読書、数学の二科目に就き高等小学校卒業程度に依り行はれる。尚掌電信兵志願の水兵、予科及偵察練習生志願の航空兵及軍楽兵志願者に対しては適正検査も行はれる。試験成績の外に学校の成績が加味せられるから、通信簿(学業証明書)青年学校手帳及各種の褒賞状を有する者は、必ず検査場に携帯して、徴募官の閲覧を受けねばならない。
(ハ)航空兵(予科練習生)志願者の第二次検査
本検査は従来入隊の際行はれてゐたものであるが、昨年度より四月中、下旬に繰上げて行ふことになつた。
即ち志願兵検査に航空兵(予科練習生)を志願し合格した者の中より選抜して約六日間横須賀海軍航空隊に集めて更に学術試験〔読書、数学、雑問(地理、歴史、理科)〕適正検査を行はれる。
右受検者に対しては海軍人事部より市(区)町村を経て本人に出頭通知と受検心得を送付せられる、この検査の結果成績優秀なる者より約半数の採用者を銓衡せられるのであるが、検査が終了したならば採用、不採用に拘わらず一日郷里へ帰るのである。検査期間中は航空隊内に宿泊して兵食を給与せられ又出頭に要する往復旅費は官費で航空隊へ到着の上同隊で給与される。