ふるさと加東の歴史再発見

少し気をつけて周囲を見回してみると、身近なところにふるさとの歴史を伝えるものがある。

昭和13年-軍事扶助委員から戦地の勇士への便り

2009年03月05日 06時02分49秒 | Weblog
 昭和13年(1938)、社区(現加東市社)の軍事扶助委員から戦地の郷土出身兵に送られた便りが「諸通達綴」(社区事務所)に綴じられています。ガリ刷りで、青インクの文字がところどころかすれていますが、祖国を遠く離れた異郷の兵士を励ます内容になっています。前年(昭和12年)に起こった支那事変が中国大陸に戦線が拡大していく中、年が明けてこの便りが送られたのでしょう。写真は日本軍の戦車(タンク)ですが、タンクに乗っていた叔父の戦地での写真の一枚です。
 

拝啓 本年は格別の厳寒に候処殊に異郷大陸の地に於て空気も一層と存じ候中に君は敵陣をも者ともせず命令其侭の行動は詢に御察し申上候 乍併貴殿等の誠忠は酬ひられて皇郡の連戦連勝の報を得る毎に内地に於ける吾等の血の跳るが如く感に打たれ居候も暴戻なる支那軍閥の長期定稿方針は何時迄で継続し得る□窺知難き点も有之貴殿等の労苦は実に大なる事を遠く内地より感謝致居候
干時吾等は兵庫県より軍事扶助委員を嘱託せられ銃後の事に就而は出来得る限り誠意を以て御世話致覚悟に有之候尚ホ貴家の御家庭に於ては何等変りし事も無く候□何卒御安心の上益々軍務御精励ヒ下度愈々貴下の御健康と武運長久を祈り聊か御慰問申上候

 昭和十三年一月十八日

社町社区 軍事扶助委員
神田栄太郎 末永仙太郎 藤本豊次 黒石丑吉 神崎壽景 松本與七郎 岸野助十郎 
阿江信太郎 衣笠三之助 神田ムラ
コメント
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