メドレー日記 Ⅱ

by 笠羽晴夫 映画、音楽、美術、本などの個人メドレーです

ケルビーニ「メデア」

2024-03-09 16:43:07 | 音楽一般
ケルビーニ:歌劇「メデア」
指揮:カルロ・リッツィ、演出:デイヴィッド・マクヴィカー
ソンドラ・ラトヴァノフスキー(メデア)、マシュー・ポレンザーニ(ジャゾーネ)、ミケーレペルトゥージ(クレオンテ)、ジャナイ・ブルーガー(グラウチェ)、エカテリーナ・グバノヴァ(ネリス)
2022年10月22日 ニューヨーク・メトロポリタン歌劇場
2024年2月 WOWOW

聴くのも観るのもはじめてである。マリア・カラスの代表的なレパートリーということは知っていたが。
メトロポリタンとしてもはじめだがなぜかというと歌える人がいなかったということらしい。
 
古代ギリシャ劇の世界、コリントの国王クレオンテの娘グラウチェは英雄ジャゾーネとの結婚をひかえているが、ジャゾーネは離縁した前妻メデアとの間に二人の子供を設けている。
恨んだメデアはコリントに乗り込んでいって、ジャゾーネに迫る。メデアは退く代償として二人の子供に一日会うことを約束させるが、その結果の悲劇がメデアの復讐となる。
 
とにかく全編メデアの怒り、激情のようなもので、見ていてこのオペラにひたれるという具合にはいかないが、ともかくメデアの歌唱、それを支えるオーケストラはたいへんなものである。
この作品は18世紀末のものということはモーツアルトとロッシーニの間くらいということになるが、もうヴェルディからワーグナーと同時代といってもおかしくない。
 
そうわりきった上では、ラトヴァノフスキー(メデア)の歌唱、演技は激しさ特に力強さは大変なものだし、主人公に感情移入できなくても動かされるものがある。
マクヴィカーの演出は装置、照明含め見事なものだったし、リッツィの指揮もドラマを見事に語っていた。

とにかく一度観ておいてよかったとは思う。カラスにはさぞフィットしただろう。





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